LIVE ACT「himself」 in NHK大阪ホール 2004年8月6日 ソワレ

初ミュージカル!いや、live act と言う表現の方が確かに正しい。それほど歌が重要な要素だった。
正直な話、何の前情報なしで行ったんだけど、結構いいメンバーだったのね。吉野圭吾さんや、新納慎也さん、瑳川哲朗さんといった豪華キャスト。まあ何となく「NIROさんに似ている人いるな」とは思っていたけど、席が遠かったこともありハッキリとわからなかった。前の席の人が休憩時間にパンフを見ていたのをチラッと見た時に気付いた位だもの。

いつもならストーリーを書こうと思うけど、内容のベースはハムレットなんで、割愛させてください。ただ、ちょっと現代的な感じになってました。

さて、このアクト。芝居的にはいまいちかと思います。確かに舞台はうまく使っていたけど、まず失敗だったのはオフィーリアの子。初舞台だと思うけど、声がまるでダメ。よかったね、マイクつきで。この子の凄いのは、ハムレットがあれだけ空気創ってんのに、一緒に溶け込もうとしない所。あ、「しない」じゃなくて、「できない」という表現が正しいかな。そして、数分間も棒立ちでいられる度胸と、舞台の中心にいて存在感が消えてるとこ。こういうタイプだと大抵は悪目立ちするんだけど、邪魔じゃなかったんだよね。というか、消されてたね、ハムレットに。4:1でダンスをするシーンも、見事に自分のペースを崩さない。まわりがま~ったく見えてないんだろうね。ほんと、図太い神経。ある意味か、感心する。・・・・何かかわいそうになってきたな。話を移します。
中川くん。彼のパワーはマジで度肝抜かれる。歌い出したとたん、空気を自分の物にしてしまう。ベテラン俳優も飲まれてたもんね。いい意味で、ですよ。かなり引き込まれる人だ。時々、吉野さんより迫力あったもん。大物だ、彼は。個人的に好きなシーンは、「尼寺へ行け」のところ。台詞は優しい印象を受けたけど、歌は一番イメージに合ってたと思う。タイトルは忘れた。
それとギル役の女性、小野妃香里さん。かっこいいよ~!!こういうタイプの人、結構好き。演技的に満足いったのは、ホレイショーの中川賢さん。何となく、彼が陰の主役かなとも感じたり。彼も好きです、存在感も雰囲気も十分あったし。まだ学生なんですって、尊敬。吉野圭吾さんは、いるだけで満足です。言葉を発しなくても、その風貌から滲み出るものがあります。苦しんでる姿が素敵。
あと、ハグが多かったのは、演出が外国の方だから?

舞台が終演を迎えると、カーテンコール・・・・と思いきや「中川晃教のライブ~役者バックダンサー付き」が始まりまして。これがね、めちゃくちゃ良くてね~。NIROさんは特にノリノリで、マイクなしなのに歌ってる声が聞こえてくるの何の。途中でマイク注文に行ったみたいよ。結局、なしだったけど。歌う予定じゃなかったみたいなのですが、大阪のお客さんはノリがよかったのかねぇ、そのまま踊るわ歌うわ、祭り状態。わたし、こういうのは大好きなもんで、観てると体がうずいて来るんです。かなり我慢してたけど、スペシャルのアンコールの時、ついに立ち上がってしました。ダンサーもどんどん即興で魅せてくれるし。気分良かった。だから、席を立つ時はライブを観に行ったときと同じ感覚だった。しばらくコンサートはご無沙汰だったから、新鮮だった。

一つ疑問は、歌を歌い終わるたびに拍手すること。これはミュージカル鑑賞でのおきまりなの?誰か教えてください。せっかく雰囲気を創り上げてたのに、あの拍手のせいですぐさま現実に呼び戻されてしまう。もっと浸っていたいのに、興ざめです。カーテンコールのときもそう。暗転してる最中から拍手しないで下さい。ライトがついてからにしてください。「余韻」を大事にしましょうよ。

結局、「中川晃教SHOW」みたいだったけど楽しかったです。
もしこの舞台を観た方で、カーテンコールの時にNIROさんが一緒に大声で口ずさんでいた歌のタイトルを知っている人がいたら、ぜひ教えてください。家に戻ったら、どんな歌だったか忘れちゃって。気に入った記憶だけはあるんですけどねぇ。

というわけで、最近ライブ感覚を忘れがちな方にお薦めの作品です。