蛙建設

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半無職のイジューイニリズム

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 イヤーフォンを購入してジョリビーへ戻ると、混雑も緩和されていた。

 

 ジョリビーはチキンがおいしいよ、と聞いていた自分たちは、カウンターで、ハンバーガーのセットを2つと、フライドチキン2つを注文した。アイスティーかパイナップルジュースか選べ、と言うのでアイスティーを選んだ。

 すると自分たちの対応をしていたレジ係が

「ハンバーガーセットのアイスティーはラージサイズにするか?」

と問うた。灼熱の太陽の下を歩いて来たために喉が渇いていた我々は、

「する」

と短く答えた。するとレジ係は、

「チキンの方のアイスティーもラージにするか?」

と妙なことを問うた。チキンの方のアイスティー? と阿呆な子供のように繰り返したのだが、レジ係はただニコニコしているだけでそれ以上何も言わない。仕方ないので、とりあえず、

「しない」

と答えておいた。

 

 1分ほどその場で待つと、自分たちの食事が次々とプレートの上に揃えられていく。ハンバーガーが2つと、セットのポテトが2つ。それにチキンが2つと、さらにライスが2つ。そしてなんとアイスティーは4つ、自分たちに提供された。アイスティーは2つがラージサイズ、2つが普通のサイズであった。そこにはどう見ても4人前の食事が用意されていた。

 

 これに至って自分たちは、注文の仕方を間違えたらしい、と気がついた。しかし、食事はもう提供されているし支払いも済ませてしまっていたので、今更、こんなつもりではなかった、とも言い出しづらく、我々は4人前の食事を載せたトレーを引き受けて、空いていた座席に腰を下ろした。

 注文の仕方こそまずかったものの、ジョリビーでの食事は興味深かった。もっとも面白かったのはライスが供されたことであった。

 フィリピン人は米食いの人種である。生活してみるとすぐに気がつくことであるが、ほとんどすべての食事に白米が供される。白米の横にはスパゲティをはじめ各種麺類が添えられる。パンと米も共に食べるそうである。

 この米食いの文化が色濃く反映され、ファストフード店でも米をメニューに取り入れている。なんとフィリピンでは、マクドナルドでさえ米を提供するそうである。

 

 自分はハンバーガーとポテトとチキン、そして米を同時に食べた。どれもとてもおいしかった。アイスティーはガムシロップを入れずとも、もともと甘かった。

 自分たちのとなりの座席で食事をしていた、フィリピン人とチンパンジーのハーフのような顔立ちの幼女が、自分たちのテーブルに並べられた食事を見て、なんでこの外人は2人で4人前食べているのかな、馬鹿なのかな、という表情を忌憚なく浮かべていた。

 自分たちの行いが、また日本を誤解させるきっかけとなった。

 

 久しぶりにおいしいと思える食事を満腹になるまで食べた我々は、処方されたての薬をアイスティーで流し込み、学校へと戻った。帰りに捕まえたトライシクルは60ペソであった。

  

 

 それから、薬を飲みながら授業を受ける、という日々を4日ほど経てたある日、学校内でふと、働き者の可憐とすれ違った。可憐はすれ違いざまに、ヘイ、と自分を呼び止めると、

「あんたのレントゲンの結果、なんともなかったってさ」

と告げた。

 病院へ行った翌日にわかるはずであった結果は、4日後のこの日、自分に伝えられた。

 

 なんともなかったのか、それなら良かった。と胸をなでおろす一方で、なんともなかったのなら、あのとき下唇の聞いた雑音って何だったのかな、という思いが沸き上がるのを禁じ得なかった。

 

 ガニ股気味の早足で去っていく可憐の後ろ姿を見送りながら、なんともないけど雑音の聞こえる肺、って有り得るのかな、何かあるから雑音が聞こえるんじゃないのかな、という思いが自分の頭蓋の中をぐるぐると旋回していた。

 

 

 

 

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