皆さん、こんにちは、こんばんは。
スーパー魚です。
今回前置きが長くなるので、どうでもいい方はスキップ推奨です!!
えーと、前回のep10読んでへこみました。
面白くない。気がする……。
泣きたくなりました。
理由ははっきりしているので、残りあと5話頑張ります!
最近、ちょっとやばいです。
一週間に5万文字は書いてる、と思う。
でも足りない・・・。
新しく始まった企画「クラウン×ステージ」正直、超楽しいです 笑
絵師の方々二人が冗談にならないほど上手いんで「もうゲームは成功したも同然 笑」 みたいな感じです。
しかも、もう一人の方は絵だけではなく、シナリオも書けると来たもんだ。
……まつばってなんだ?
あれか、錘みたいなもんか。
みたいなみたいな。
新米旅人A(まつば)+勇者×2
魔王相手でも負ける気がしませんね 笑
なんなら私が死んでも二人がザオリクかけてくれるんで。
で、お二人がやばすぎて、最近自分のぽんこつさを知りました・・・。
「スクリプト+シナリオ?そんなもん誰でもできるわ!!」っぽい、という感じに危機感を覚えています・・・。
な、なので、頑張らないと、です。
頑張って面白いシナリオ書かないと、二人に捨てられちゃう!!
というわけで、今後とも皆さま温かい目で見守っていてください。
last smileはもうすぐ終わり、今ストックのシナリオ二本持ってるんですが、これ終わったらしばらく小説はお休みしようと思います。
またいつか書くとしたら、次は「茜色の空に歌う」というタイトルのやーつを書きます!!
ではでは、本編いきます。
/////
「………。」
壁。
壁だ。
白い。
俺の心はそう、壁の如く白く、平坦に、何者にも波風を立てられぬように……
「できるかぁ‼」
俺はベッドの上で一人激怒した。
ちゃぶ台返し、もとい布団返しでその鬱憤を晴らす。
いやいや、無理なことは百も承知だが、そうでもしないとやっていられない。
なぜなら。
「なんで、なんで!?どうしてあんなこと言っちゃったの!?もうちょっとさ、言い方ってもんがあったんじゃない‼」
恥ずかしくて死にそう。
いや、未来に言ったこと自体は何ら後悔は無いんだ。
むしろ、俺の本音をぶつけたのだから清々しいぐらい。
でもさ、でも、たぶんこういうのって理屈じゃないんだよ‼
あぁぁぁぁぁぁああ‼
「あぁぁぁぁぁぁ‼」
心も言葉も統一されてきた。
あぁ、勢いに任せて告白なんてしたりするから……。
確かに、緊張して言葉を噛んだりなんて言う最高に格好いい(笑)なことや、フラれる不安を抱えてなんてことはなかったにしても。
これは、これで、己のメンタルを破壊する‼
「ぐぉぉぉおお‼」
俺が悶絶していると、傍らで携帯が鳴った。
メールだよん、と律儀にも伝えてくれる携帯はもしかしたら俺を慰めてくれているのかもしれない。
「お前だけが味方だぜ……。」
携帯を開くと、未来からのメールが来ていた。
「なん、だと!?」
ごくり、と生唾を飲むと文面を開く。
緊張のあまり、若干手が震えていた。
内容は……。
「今日はごめんなさい、それとありがとう。それだけです。おやすみ、また明日‼」
「ぐぉぉぉぉ。」
今度はまた違う意味で悶絶した。
けれど、おかげさまで覚悟は決まった。
もう後には引くことはできない。
俺は必ず宮城未来を救って見せる。
/////
朝、少しだけ早く登校した。
向かうのは当然、あの場所だ。
いつものようにドアの前に立つと、コンコン、と控えめなノックをした。
「入りたまえ。」
これももうお決まりだ。
「失礼します。」
そう言って入ってきた俺の表情を先生は無言で見据えている。
「ふむ。複雑な心境と言ったところかな。けれど、覚悟を決めた人間の瞳だ。」
「先生、ありがとうございました。」
「何のことについてかな。」
「昨日のあの件についてです。」
昨日は正直警察沙汰になると覚悟した。
けれど、結局そんな気配は微塵もなく、一日は過ぎて行った。
あれだけの大喧嘩を引き起こしたのだ、一つや二つお咎めがあってもいいはずだ。
それが無いと言うことは誰かが何らかの干渉をしたとしか考えられない。
あの事件を知っていて、かつ干渉ができる人物と言えば先生の他にはいないだろう。
「正直、本当に助かりました。」
「生徒を守るのも教師の役目だよ。」
「でも、俺は相当なことをしでかしてきました。にも関わらず何も言われないというのは逆に妙な気分です。」
「・・・・・・。人は何か物事に対して罪を犯したとき、それに対する罰を受けたいと望む生き物なのだよ。不思議なことにね、そんなことを望む生き物は人間だけなんだ。生きるということは、理不尽を他の生き物に押し付けるということだ。人間はそれを正面から受け入れることはできない。受け入れてしまえば心が壊れてしまう。だから、それを受け入れる必要はない。ただし、向き合う必要はあるけれどな。」
そこまで話すと先生は大きく息をついた。
「だから、君はその罪と向き合わなければならない。私がその罪を与えよう。」
何を言われるのかはわからない。
けれど、俺はその罪を背負い生きていく。
その覚悟は備えていた。
「よくやったな。」
「・・・・・・え?」
一瞬、その言葉が理解できなかった。
なぜ、先生はそんな言葉を口にする?
「君は既に罰を受けているのだよ。君の抱える罪悪感こそがその証拠だ。けれどな、君はその代償に守ったのではないのかね。君の大切な全てを。」
そうだ、俺は守りたかったんだ。
俺の大切な人たちを。
だから、俺は・・・。
「はい。」
「なら、君はよくやった。私からかけられる言葉はこれだけだよ。」
「・・・はい。」
俺は自分が恐ろしかった。
自分のやった行動が恐ろしかったんだ。
先生の言う、罰を受けたいという思いは、裏を返せば誰かに赦してもらいたいと望む思いだ。
きっと俺は誰かに赦してもらいたかったんだ。
俺は弱いから。
心も体も何もかも。
それでも、誰かを守りたいと望むなら、死に物狂いで戦うしかないのだ。
そう思ったとき、不思議と心が揺さぶられていた。
ぐちゃぐちゃとした色々な感情が込み上げてくる。
恐怖や不安、嬉しさや希望。
けれど一番強かったのはやはり覚悟だった。
/////
俺が落ち着くのを待って、先生は話を進めてくれた。
「さて、少し前に約束していたあの日の事件について、君は聞きたいのではないのかね?」
「はい。今日はそれも聞きたいと思いここに来ました。」
そう、未来がこの世界に捕らわれたその原因。
彼女のその全て。
「では、先にこれだけは言っておこう。あの子については、既に人間ではないよ。」
「・・・・・それは、どういう意味ですか。」
「幽霊や化け物というわけではない。だが、生物とは異なる。どちらかと言えば現象に近い。知っての通り、彼女は23年前の事件で亡くなっている。そして、彼女の体は今も埋葬された墓の下で眠っている。だから、今私たちが目にしている彼女は正確に言えば生命というには難しい存在なんだ。確かに呼吸をし、独自の意識を持つ一つの個体だ。しかし、それを生命と捉えるにはあまりにも不確定要素が多すぎるのだよ。言ってしまえば、宮城は蜃気楼のようなものに近い。私たちにはそう見えている、というのが正しいのかもしれない。」
「なるほど・・・。」
詰まるところ、彼女の本当の体は今も墓の中で眠っているというわけか。
だから、生き返ったということとは根本的に異なっている。
蜃気楼、つまりは夢か幻のような存在といったところだろうか。
本来はあるはずがないのにそこに居るように見える、けれどそこに確かにいるんだ。
それは奇妙で難しい話だろう。
だからこそ、先生にも未だに解明することができていないのだ。
「それでは、話を戻そうか。あの日の事件についてだったな。」
「はい。」
「あの日、彼女が亡くなったのは丁度クリスマスの日だった。うちの学校は伝統的にクリスマスパーティーを開催しているからな。その日だった。授業が終わって、帰りのホームルームの時間だ。当時、担当の教師だった私はいつものように帰りのホームルームを始めた。生徒たちはおかげさまで少し浮かれている様子でな、今もよく覚えている。恐らくは楽しみにしているのであろう生徒たちを見て、私も嬉しかったからな。そんな時だった。突然教卓側の教室のドアが引き開けられてな、ナイフを持った男が入ってきた。最初は誰も理解できなかった。そのうちに、最初に私が刺された。いつの間にか私は床に倒れていた。もう声を上げることもできなかった。教室中はしんとして、誰も動くことはなかった。何が起きているのか生徒たちにはわからなかったからだ。私は懸命に声を上げようとしたのだがな、どうしても声が掠れて叫ぶことはできなかった。男は次に生徒に襲い掛かろうとした。男が女子生徒にナイフを振りかざしたところで宮城が叫んだのだ、「皆何をしているの、早く逃げて」とな。それを合図にようやく生徒たちは我に返った。皆、一斉に教室を出て行こうとしたんだ。男は一人の女子生徒にナイフを振り下ろした。それを止めたのが君のお父さん、尚君だ。しかし、男は次に尚君に襲い掛かった。尚君は必死に男と対峙していたようだったが、相手は大人の男だ。尚君は徐々に疲弊していってな、やがて男のナイフが尚君の足に突き立った。動けない尚君にさらに一撃加えようとしたところを宮城が庇ったんだ。あの子はとても優しい子だからな。彼女の胸元にナイフが突き刺さり、宮城は崩れ落ちていった。続けて男は尚君を殺そうとした。しかし、向き直った男を尚君が椅子で殴りつけて男は気絶したようだった。そこから先は私もよくは覚えていない。気が付いたら病院のベットで寝かされていた。ただ、後になって宮城が亡くなったのだと聞かされた。」
「その男は・・・。」
「ああ、男は警察に捕まり、死刑にされた。犯行は愉快殺人であったらしい。まったくつまらないものだよ。そんなくだらないもののためにあの子は・・・。」
込み上げてくる怒りが鼓動を早め、肌に食い込む爪の痛みを忘れるほどに強く拳を握っていた。
許せない。
許せるはずがない、納得がいくはずがない。
「全く、私は教師失格だ。自分の生徒を誰一人守ることはできなかった。どうして自分が生き残ったのかと運命を呪った。」
先生は遠い昔を思い出すように呟いた。
細く開かれた瞳はどこか寂し気で、かける言葉も見つからなかった。
「ちょうど、そんな時だ。翌年の9月。再び宮城は転校してきたのだよ。驚いたものさ、教師も、生徒もね。けれど、皆が喜んだ。あの事件は何かの間違いだったのではないかと思い込むほどにな。けれど、話はそう簡単なものではなかった。それから、あの子は同じ時間を繰り返し始めた。何度も何度も。そのたびに少しずつ彼女を覚えている者は減っていった。前に言った通り、当時、あの事件に立ち会った人物しか彼女を記憶にとどめておくことができなかったからだ。今となっては、もう三人しかいない。私の教え子たちも皆この地を離れて行った。教師もだんだんと減っていき、新しい教師が入ってくる。自ずと宮城を覚えている人物はいなくなっていった。」
先生は語りながら湯をカップに注ぎ、コーヒーを入れてくれた。
そのうちの一つを受け取る。
温かかった。
「私はあらゆる手段を講じたよ。思いつくことはすべてやった。人の記憶の研究、あの子の願いを叶えた木も探した。あるときはあの子をこことは違うどこか遠くへ逃がそうと考えたこともあった。けれど、その全てが無駄だった。あの子は決められた時の中で生きているんだ。ある年、あの子がこの学校に転校してくる前日にあの子を県外に逃がそうとした。しかし、結局翌日あの子はこの学校にいた。本人の意思とは無関係に気が付いたら学校に居たそうだ。あの子の行動は初めてこの学校に転校してきた年、それをベースにして支配されている。無論、ある程度の自由は効くが、要所要所に存在する決められた行動を変えることはできないのだよ。」
「なら、未来を助ける術はもうないっていうんですか?」
「残念ながら私は持ち合わせてはいない。」
けれど、と先生は続ける。
「君なら、宮城を救えるのではないかと、私は思う。」
「でも、俺は一度あいつを忘れてしまった・・・。」
そう、その事実を変えることはできない。
ある意味で、俺は未来を一度裏切ったのだ、救えなかったのだ。
一年前の俺は何もできなかった。
では、今の俺に何ができるのだろうか。
もちろん未来を助けたい。
けれど、その術が思いつかない。
「なら、言い方を変えよう。君は、何故彼女が好きなんだ?」
「突然抽象的なことを言うんですね。」
「良いから、答えてみなさい。」
俺が未来を好きな理由。
決まっている。
「俺の気持ちが、心があいつを好いているんです。あいつと居ると温かくて、嬉しくって、それだけでいいんです。だから、そばに居たいし、助けたい。そう思うんです。」
「君はいつもあの子に対しては真っ直ぐだな。だが、それでいい。あの子もきっとそんなところを好いている。」
先生は一度話を切ると、手元のコーヒーを啜る。
俺もそれにまねてコーヒーを一口流し込んだ。
少しだけ苦い。
「話を戻そうか。あの子のことは誰もが忘れてしまう。だから、私は記憶に関する研究を続けている。だからこそ、一つだけ気が付いたのだよ。」
「何を、ですか?」
「君はずっとあの子が好きだったのだろう?出会ってから、初めて会ったときからずっと。」
「はい、それは間違いなく。」
迷いなくそう言える。
俺は未来が好きだ、ずっと好きだった。
「一年前の君は違ったのだよ。最初は何とも思わずに、あの子と接するうちにだんだんと好きになっていった。この意味が分かるかい?」
「・・・どういうことでしょう。」
「例え記憶が失われても、君は確かにあの子が好きなままでいた。あの子への君の気持ちは失われることはなかったのだよ。」
「・・・っ!!」
「未だにね。解明はされていないのだよ。人の心が、気持ちがどこにあるのかなんて。けれど、私はそれは頭ではないと思う。」
先生は自分の胸元をトントンと叩いて見せる。
「頭の中に心があったのなら、君はあの子への想いもろとも綺麗に消えていたはずだ。だから、君は確かにあの子のことを覚えていたんだよ、君の心が。」
先生のその言葉が嬉しくて、そして悔しくて涙が落ちそうになる。
「君にとってあの子は特別な存在だ。そして、あの子にとっても君は特別な存在。」
だから。
「俺は未来を助けます。」
その言葉の続きを遮るように俺はそう言った。
未来を救う道が無いと言うのなら、俺がその道を作ればいいだけの話だ。
例え、誰もが笑い飛ばしても、世界が彼女を受け入れなくても。
俺が必ず未来を助ける。
俺だけはその希望を捨てない。
だって、俺はあいつが、宮城未来が好きなのだから。
好きになってしまったのだから。
この気持ちが理屈じゃないと言うのなら、一つや二つ、理屈を覆してもいいはずだろう。
彼女が笑う未来を探してもいいはずだろう。