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「楓坂四駒堂」

耄碌妄想日記

　木曜版No.152でおます！

当ブログは

日・木曜日 午前0時

週２回更新で～す。

♪ラララ

春の心が　伝わるならば

早く帰ってきておくれ

春がきいてたよ

オレンジが好きかい？

※詞・りりィ

このところの陽気に誘われて

また懐かしい春の歌を…

「りりィ」が亡くなって

もう10年近くになるんでしょうか？

♪私は泣いてます　♪心が痛い…など

どちらか言うと、ネガティブな魅力の

あのハスキーボイス

それが春霞のように

ほのぼのと感じられたのが

この♪オレンジ村から春へ

1976年

「資生堂」の春のキャンペーンソングでしたね。

心ウキウキのメルヘン仕様

おかあさん！

オレンジ村…

誰かと行ってみたいって

思いませんでした？

多分…あのペンギン村の近く…

そんな気持ちにさせてくれる名曲でした…。

「まいない」…

「賂」と書きます。

次回４コマ

「新選組」でおます。

遥かなるスクリーン

ハイスクール・ララバイ篇48

名画座のマドンナたち

その16

　今回も「グレース・ケリー」in「ヒッチコック」。

　結果、彼女の「ヒッチコック作品」への出演は全３作…。

　「ダイヤルMを廻せ‼（1954）」に続く「裏窓（1954）」そして「泥棒成金（1955）」…

　すべて「ヒッチコック」自らがプロデュース。

　他人には任せとうないんや！というこの心意気。

　熱い想い…スケベ心もあったんでしょう？…多分。

　女優「グレース・ケリー」を輝かせることに、すべての情熱を注いだ映画創り…。

　そこには当然、原作選びも…。

　彼女の魅力が十二分に発揮できるヒロイン像…

　企画段階から、狙いはその一点…？

　そして重要なことは、「グレース」のキャリアのためにも、その映画そのものが高い評価を得ること…。

　「グレース・ケリー」…

　映画２作目の「真昼の決闘（1952）」から実質の引退作「白鳥（1956）」まで…

　比較的バラエティにとんだ計10作品。

　中身の濃い５年間…

　特に…なんと５作品が公開された1954年。

　「ビング・クロスビー」との共演で、ブロードウェイミュージカルを映画化した「喝采（ジョージ・シートン監督作品）」によって「アカデミー主演女優賞」を獲得。

　しかし、この作品を引っ提げての「カンヌ国際映画祭」への参加。

　結果として、彼の地でのモナコ大公との出逢いが、結婚・引退に繋がる訳ですが…。

　世界が驚いた26才での引退…

　「ヒッチコック」を始め、おそらく誰も想像しなかった展開…。

　もしも…何かが違っていたら…？

　その後の50代でのあの悲劇を思うと…数奇な運命を感じますね。

　それはともかく…

　当時、世界中の男たちを魅了した「グレース・ケリー」…

　「ダイヤルMを廻せ‼」につづき、「ヒッチコック」が彼女への熱い想いを込めた第２作…

　1954年「裏窓（Rear Window）」。

　もうはっきり言いますけど…私のThe Best of GRACE KELLY！

　圧倒的１位！

　「ヒッチコック」の狙い通り「グレース・ケリー」の魅力のすべてが詰まっています。

　周到に厳選した原作はミステリー作家「コーネル・ウールリッチ」の短編「It Had to Be Murder」。

　拙い英語力で邦訳すると…「これって絶対、殺人やで！」…違うか？

　軽くこの映画の見どころに触れる前に…

　ミステリー小説ファンならご存知だと思いますが…「コーネル・ウールリッチ」について少々…。

　1930～40年代を中心に数々の作品を発表したアメリカ人作家。

　「コーネル・ウールリッチ」というよりも別名義「ウィリアム・アイリッシュ」の方が一般的。

　昔、海外ミステリーにはまっていた頃、「創元文庫」や「ハヤカワミステリ文庫」なんかで、いくつか読んだ記憶があります。

　しかし、今更ですが「ミステリ」と「ミステリー」の使い分けがようわからん！

　何か決まりでもあるんかいな？

　「ミステリと言う勿れ」とか、かっこいいって思ってしまいますが…

　もう、私、適当ですぅ！…爺ィですもの！

　「ウィリアム・アイリッシュ」…

　多くの作品が映画化されていますが…

　おそらく、映画・小説に限らず影響を受けた作家は多い筈。

　代表作はというと「幻の女（1942）」…とか？

　これも映画化（1944・ロバート・シオドマク監督作品）もされていて、日本では何度かドラマ化もされている傑作ミステリ。

　妻殺しのアリバイを証明してくれる筈の女性の存在を、二人を目撃した筈の証人がことごとく否定する。

　死刑執行が迫る中、容疑者の秘書が「幻の女」を求め、その真相に迫るというストーリー。

　こんなふうに凝ったシチュエーションのプロットが特色。

　そして…「裏窓」…

　主人公はプロのカメラマン…

　仕事中の脚のケガで、療養中…車椅子生活の状態…アパートの部屋からは自力で出られない状況。

　演ずるのはオスカー俳優、ハリウッド好感度ナンバーワン男優「ジェームズ・ステュアート」。

　彼ならば「グレース・ケリー」とややこしい関係にはなるまいと、思ったかどうか？

　ま、いろいろ神経の細かいおじさんでしたから…。

　「ロープ（1948）」が最初？…「裏窓」以降も「ヒッチコック」のお気に入りの男優のひとり。

　身動きは取れず、暇を持て余した「ジェフ（ジェームズ・ステュアート）」の唯一の楽しみは、中庭を挟んだ向かいのアパートの各部屋の様子を盗み見ること…

　「覗き」…はっきり言って犯罪行為でおます。

　向かいのアパートのいくつもの「窓」…

　無防備にカーテンも開け放たれ…

　「ジェフ」の目を通して描かれる、それぞれの部屋の様々な人間模様…

　ある種の群像劇。

　このあたりのディテールの見せ方は「ヒッチコック」ならでは…。

　おそらくセットはこれらアパートのみ…

　絶妙なカメラワーク…撮影監督は「ロバート・バークス」

　「見知らぬ乗客（1951）」あたりから「マーニー（1964）」くらいまで

　「ヒッチコック」の常連スタッフ。

　お金は掛けずとも、アイデア次第でおもしろい映画は創られるという見本。

　ああ…例のヒット作「サイコ」も制作費はとても安かった…とか。

　ある日、覗いていたある部屋で異変が…

　忽然と姿が見えなくなった妻…

　夫による殺人？

　しかし、確証はない…

　はたして、本当に殺人はあったのか？

　「グレース・ケリー」は「ジェフ」の部屋に時折やって来る恋人「リサ」。

　美しさはもちろん！…ここではとびっきりチャーミング…且つセクシー。

　繰り返しますが…あらゆる魅力がてんこ盛りのグレース祭り。

　好奇心旺盛…積極的に、その真相に迫る彼女…。

　ネタばらしはしませんが…

　ラブコメ風味…でもハラハラ、ドキドキの切れのあるサスペンス仕立て。

　そしてラストはほのぼのと…。

　えー…この作品で印象的だったもうひとり…

　疑惑の夫「ラーズ・ソーワルド」を演じた

　「レイモンド・バー」。

　当時37才くらい？…やはり強面…目が怖い。

　どっちが先だったのか？

　私はこの人、検事役だった「陽のあたる場所（1951・ジョージ・スティーヴンス）」も観てます。

　その後、テレビ映画「ペリー・メイスン（1957～）」、「鬼警部アイアンサイド（1967～1975）」で亡くなる直前まで正義のヒーローを演じ続けました。

　「ペリー・メイスン」なんて法廷モノの元祖でした、

　ともかく…

　この時代…1950年代の「ヒッチコック」は50代…熟練の極み。

　駄作の割合が低く…観るならこの頃の作品を！

　ちなみに「黒澤明」が「七人の侍」を撮ったのはこの前年…1954年。

　44才でした。

　映画が娯楽のトップに君臨していた時代でした…。

　次週…「ヒッチコック」…「グレース・ケリー」とともに締めくくります。

　よろしく哀愁！

耄碌妄想日記 No.152

耄碌妄想日記　No.152