夫の尊敬するところのひとつ。

 

それは意志が固いこと。

 

一度決めたらすぐ行動に移し、習慣化し、もくもくとこなし、達成します。

 

 

 

『めんどくさいならやめちゃえよ〜』

 

『今目の前に美味しいものあるからダイエットなんか明日でいいじゃ〜ん』

 

なんていう誘惑にすぐ負けちゃう私とは正反対な夫。

 

美味しいものは、達成したご褒美までとっておこうという発想に変えられるところがすばらしい。

 

 

 

 

そんな彼は、ある日言いました。

 

 

 

『フルマラソン走ってみようかな』

 

 

 

フルマラソン!?

 

まじですか。

 

ナマケモノの私、フルマラソンに参加する人にはいつも聞きます。

 

『何が楽しいの?なんのために走るの?』と。

 

その質問は決して否定の意味は入っていなく、

 

私の理解の域を越えちゃってるくらいすばらしいっていう意味で聞いてるんです。

 

夫は、何かパラグアイで挑戦して帰りたいっていう気持ちからの挑戦です。

 

 

 

 

元々筋トレを毎日欠かさない夫ですが、

 

エントリーしたことでさらにがんばらなくてはというスイッチが入り、

 

それからはマイカー通勤をやめ、片道5キロの道のりを朝晩走って通勤するようになりました。

 

ジャージ姿、帽子をかぶり、携帯と少額のお金が入ったウェストポーチを巻き、

 

イヤフォン片耳装着する夫を毎朝見送るようになりました。

 

『走っていくのはイヤだとか、めんどうくさいな』とかは言いませんでしたが、

 

明らか体が重そうで走っていくのが辛そうだなと思う日も、走って出かけて行きました。

 

こういう人こそ逆境に強いんだろうな。

 

あたしはまだまだだな〜と夫の姿を見て考えさせられました。

 

 

 

一週間前くらいからは食事にも気をつけ、

 

我が家の会話のやりとりで『タンパク質』という言葉が何回も飛び交うようになりました。

 

3日前からは『炭水化物』という言葉の登場回数が激増。

 

そして迎えたフルマラソン当日……。

 

 

 

 

朝5時半のスタートです。

 

白んできたというにはまだ早い、薄暗い中、スタートをきりました。

 

場所はパラグアイ川沿いのコスタネラ。

 

大統領府あたりから出発し、新しく北に延長されたコスタネラを上がっていき折り返し、南下。

 

セントロをちょこっと走り、またスタート地点へ。それを2周。

 

同じところを2回走るってのが心の負担大きくない?

 

1周終わった時に、うわ〜…あともう1周か……なんて私なら心が折れちゃいそうです。

 

 

 

次に夫の姿を見られるのは17キロ地点。

 

待つ間、朝日を見ることができました。

 

最高の舞台を演出してくれているかのような力強い、素敵な朝焼けでした。

 

そろそろかなと思った、約1時間半後、

 

見慣れたジャージを着て、見慣れた走り姿の人が走ってきました。

 

あっ来た来た!

 

カメラを構えながらがんばれ〜と声をかけると……

 

 

手をあげ応えてくれました。

 

 

 

まだ大丈夫そうだね。

 

一回帰っていいよと言うので、非情にもお化粧しに一旦家に帰る私。

 

4時起きだったのでノーメイクのまま出発したので、

 

マラソン後の用事のためにもメイクを完了させ、再び会場へ。

 

次に会えたのはもう終盤の34キロ地点。

 

 

 

1枚目の写真と比べると足が上がっていません。

 

辛そうだ。

 

 

 

これはもう一回どこかで声援を送ってあげたいと思い、移動しました。

 

待ってると、姿が見えてきました。

 

歩き、走り、歩き…そしてまた走る。

 

 

 

 

辛いね……。

 

最後足が動かなくなる、とフル経験者からよく聞く『アレ』のようです。

 

がんばれ、政人!あと数キロ!ラストだ!

 

背中にエールを贈りました。

 

 

 

 

次はゴールで!

 

 

 

 

 

ゴール地点で待っているところに夫がやってきました!

 

きっと痛くて上がらない足を一歩一歩前に出して、

 

最後の力を振り絞ってゴールの瞬間を迎えようとしています。

 

 

 

 

ゴーーーーーーーール!!!!!!!!!

 

 

 

 

完走!!!!

 

政人、おめでとう。

 

すごいね。がんばったね。

 

 

 

 

 

 

いい顔してます。

 

走った直後に、もう2回目はないと断言していました(笑)が、

 

この表情を見て、人生で一度フルマラソンに挑戦してみるって

 

ひとつ何か『越える』経験になるんじゃないかなと感じました。

 

じゃあすぐ挑戦するか!という気持ちにはまだ至りませんが、

 

そういう挑戦に立ち向かう自分を想像したら、

 

ちょっとかっこいいなと思いました。

 

あれっ、心が揺らいでる?

 

ははは、まだまだってことにしておきます。

 

 

 

 

政人、かっこよかったよ〜!

 

ありがとう。

 

 

 

 

コスタネラから見たアスンシオンの朝焼け。

 

 

 

 

もうすぐ朝日が昇るところ。

 

夜から朝へのバトンタッチ。

 

朝と夜が両方存在するこの時間が私はいちばん好きです。

 

さあ、いよいよ。

 

 

 

 

おはよう、パラグアイ。

 

フルマラソン、夫の足はペインフルだけど、

 

ビューティフルでワンダフルな1日になったね。

 

 

 

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かどまどか  / Kado Madoka

 

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