去年7月、佐々木清和さんの家のベランダには22本のひまわりが咲いていた。

毎朝水をやり、草をとりながら、天国の妻と娘を思う。









清和さんは、5年前、津波で妻、娘、妻の両親の家族全員を亡くした。

自身は自衛官。家族の行方を心配しながらも、任務を遂行した。

ほんのわずかしかない仕事の合間をぬぐって、家族を探した。


やっと再会できた時、娘に一番最初にかけた言葉。


「なんで逃げなかったんだ・・・」



地震後落ちた瓦を拾っていたという。

あの日、妻と娘を亡くした宮城県閖上では防災無線が鳴らなかった。

地震で壊れてしまっていた。



2016年3月11日、14時46分。

私はこの閖上でこの日、この時間を迎えた。



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「黙祷」

けたたましいサイレンが痛く刺さって、

私は涙が止まらなかった。




今日7月22日は、娘の誕生日。

生きていれば今年で20歳。

今年が成人式だ。

清和さんは、成人を迎える娘に今日スーツをプレゼントした。





きっと、早速着て、似合うかなと鏡の前でお母さんと喜んでいるだろう。



今年ももうすぐひまわりが咲く。

今年も妻と娘の誕生日の22日にちなんで、

22本咲くだろうか。