18日の衆院本会議で、訪米について報告する岸田首相

【八木秀次 突破する日本】

岸田文雄首相は18日午後の衆院本会議で、米国に国賓待遇で訪れた結果を報告した。ジョー・バイデン大統領との首脳会談などを受け、日米関係を「かつてなく強固な信頼関係に基づくグローバル・パートナー」と強調した。岸田首相は米上下両院合同会議での演説で、「(日米は)共にデッキに立ち、任務に従事し、そして、なすべきことをする」「米国は独りではない」などと語った。麗澤大学教授の八木秀次氏はこれを、安倍晋三元首相の悲願だった憲法改正を成し遂げ、さらに「自由」「民主主義」「法の支配」を守るために犠牲をいとわない「血の同盟」の決意を示したと分析した。岸田首相が背負った「責任」と「覚悟」に迫った。



日本は米国の「グローバル・パートナー」との岸田首相の米連邦議会での発言はリップサービスではないはずだ。首相には、それを裏付けるための国内法整備と国民への説得が求められる。

「グローバル・パートナー」と称した以上、集団的自衛権の行使に限定があってはならない。中国・ロシア・北朝鮮などの権威主義国家に対し自由社会を守るために同盟国・同志国と連携しなければならない。国内事情を理由に集団的自衛権の行使をためらうことは許されないそのためにはフルスペックでの行使を可能とする憲法改正が求められる。


かつて安倍晋三元首相は同盟を「血の同盟」という言葉で説明した。

「軍事同盟というのは〝血の同盟〟です。日本がもし外敵から攻撃を受ければ、アメリカの若者が血を流します。しかし、今の憲法解釈のもとでは、日本の自衛隊は、少なくともアメリカが攻撃されたときに血を流すことはないわけです…これが完全なるイコールパートナーと言えるでしょうか」(『この国を守る決意』扶桑社、2004年)

第一次政権で首相になる数年前の自民党幹事長時代の発言だ。「血の同盟」という表現は同盟関係についてリアリティーをもって理解させる。

安倍氏はその後、第二次政権で政府の憲法解釈を変更し、それまで保持するが行使できないとされていた集団的自衛権を限定的ではあるが、行使可能とした。現在では米軍が攻撃されたときに日本の自衛隊員もともに戦い、場合によっては血を流すこともあるようになった。

岸田首相は安倍氏の第二次政権、後継の菅義偉政権を経て政権の座に就いた。特に、安倍氏の政治的〝遺産〟を継承して国家安全保障戦略の改定、防衛費対GDP(国内総生産)比2%への増額、反撃能力の保有など安全保障政策を推し進めた。それが今回の「グローバル・パートナー」発言に結びついた。それ自体は日本の抑止力を高め、国際社会における日本の地位を格段に上げたものとして高く評価すべきことだ。

しかし、「グローバル・パートナー」であるためには相応の犠牲や負担も強いられる。自衛隊員やその家族、広く国民に、場合によっては「血を流す」こともあるのだと説得し、その覚悟を持たせることが必要となる。

自由社会は権威主義国家の脅威にさらされている。自由社会を守るための日本の責任は重く、相応の役割を果たさなければならない。犠牲や負担もあり得る。岸田首相や政府には、そのことを国民に真剣に訴える覚悟が必要となる。







コメント欄より





















































 

















































 



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