伯母と約束した場所に時間に間に合うように行った。


伯母の姿が見えて、横に小柄な何とも言えない服装をした男の人がいた。


手には、女性が化粧ポーチとして使うような少し大きめなポーチを持っていた。


私は、伯母の紹介の手前もあるので、落ち着いた感じの装いをしていた。
グレーのセーターに黒に赤のラインが入ったチェック柄のロングスカート。


彼の装いは、正直なところ、びっくりする洋服センスだった。


白が基調のピンクと青のアーミー柄のズボンを履いて、青と茶のチェック柄のシャツを着ていた。


失礼だが、回れ右したくなった。


伯母が気づいて、男性もこちらを見た。


お互いに軽く挨拶をして、食事に行った。


気兼ねしないように、伯母が気を遣ったのか、場所はスーパーのモールだった。


人混みの中を歩いて、何を食べるか伯母が決めた。


その途中。


柱にもたれかかっているカップルがいて、私はギョッとなった。


公衆の面前でディープなキスをしていたのだ。


びっくりして、つい


あー、びっくりした。


と、言ったら


彼が、なんで?と思うことを言ったのだ。



あれは、女の方が悪い。




私は、そうかなー?と言って


なんで女性の方が悪いなんて発想が出てきたのか、同じ女性として疑問に思った。


そうじゃなくても、あの場で


誰が悪いかの発言をしなくてもいいんじゃないかなーと思った。


直感で、やっぱりこの人なんか嫌だなと思った。




結局、その男性のことはお断りした。


伯母は、一度お付き合いしてみたら?と言ってきた。


いやいや、会うだけって言ったし、伯母の顔をたてるつもりで、行っただけだからね。


そもそも、私には理解できない洋服とバッグのセンスだった。

そうそう、あのバッグ代わりの化粧ポーチは、本当に化粧ポーチのように見えた。マリークレールのロゴが入ってたから。


キスしてたカップルの


女の方が悪いって発想も、知らない女性を"女"と言ったことも、その人の価値観や品性が出ている気がした。


ちょっと


私には、理解できない。



初対面の印象って、尾をひく。


会ってみて、いい人そうだったらまだ良かったけど


決めつけも良くないとは思うけど、


また会って話したいと思えるような人じゃなかったのは確かだ。



姉には、断ったと話したら


結婚する気がそもそもないのに、会う方が失礼やろ。



え?


私は今は結婚する気もないって、断ろうとしたの知ってるよね?


それを、一回会うだけでも会ってみたら?


おばちゃんの顔も潰れるやん。


と、重ねて言ったのはあなたです。


あなたも、会うだけでも、、、


と、断ろうとした私に


おばちゃんの顔つぶれると、

また脅しのような、罪悪感を植え付けるように言ったのもあなたです。



信じられないわ。




会わない、



しっかり断るべきだった。