母の姉、伯母からいい人がいるから、会ってみないかと連絡があった。
私は結婚願望がないことは、誰にも言っていなかったし、
他にも父の友人から20も上の人のお見合い話を持ってこられたことがあった。
伯母の考えることは、わかっていた。
そのお見合い相手は、伯母が気に入っていた人らしい。
三男坊で、後を継ぐ必要もなく、三十代ですでに一戸建てを持っていた。
お見合い相手の家は、伯母の家もとい母や母の実家から目と鼻の先にあるそうだ。
私はお見合いは考えてないし、
結婚も今のところ考えてない。
もし結婚するなら自分で相手は見つけるからと断った。
でも、伯母は一度会うだけでもと言って譲らなかった。
会うだけ会って、それで駄目ならそれで仕方ないからと、強引だった。
伯母が言うには、その人と結婚して、ゆくゆくは自分の養子になってほしいということだった。
三男坊なら、問題ないということなんだろう。
一度考えさせてと言って、一旦電話を切った。
横で聞いていた姉は、なんやったん?
と、聞いてきたので
伯母からのお見合いの話だったことと、
結婚してゆくゆくは伯母の養子になって、自分の面倒も見て、母方の姓を継いでほしいという話だったと話した。
姉は激怒した。
は?!何言うてやるん?
もう、お母さんは離婚してて、向こうの家の跡継ぎ云々は、こっちにふる話じゃないやん。
単なるお見合いでなく、跡継ぎになることを前提とした話だったことに腹を立ててた。
しかし
どうするのか?という話になった時
浮いた話もない私のことを思ったのか、
会ってみるだけ会ってみたら?
と、行ってきた。
いやいや、跡継ぎ前提のお見合いで、しかも私はまだ結婚は考えてないし。
そもそも、結婚する気もないのにお見合いすること自体がおかしいよね。
と、そんな話をしたら
あんた、いつまでこの家にいるつもりなん?
だらだら居続けられても困るわと言われた。
私が家を出ると言ったら
激怒して、裸で出て行けとまで言っておきながら、いつまでいるん?ときたか。
おばちゃんにも恥かかせるで。
と、言われたが全く気のりがしなかった。
おかしいよね。こんなのでお見合いするなんて。
伯母に連絡して、一度会うだけならと言って、お見合いではなく、ただ食事をするだけだと確認して、会うことにした。
のちに、私はやっぱり自分の決断が間違っていたことを思い知ることになる。