「勝ち勝ち山」〜勝馬券太郎のブログ

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勝って勝って勝ちまくって、山のような財産を築きましょう!!
…な〜んて野望はまったくなく、ただの馬好きが妄想を膨らませるだけのブログです。

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長い間、お休みしてました。何故かって?ブログを書かない方が的中率が良かったんですね。どんなタッチでブログを書こうかと早いうちからシナリオを練ってしまうと、方向性が凝り固まってしまって、その方向性に疑念が生じても舵を切り直せなかったんです。その一方で、時間をかけて考えるといろいろな可能性が見えてきて、どうしても確率の低い一発狙いが増えてしまっていました。方向性が決められた中での一発狙い…そりゃあ当て難くなりますよね。敢えて直前まで情報を遮断するぐらいでちょうど良かったんです。

 
♪なのに、な
 
このレースの予想を書くのか。ひとことで言えば「語りたくなるくらい面白そうなレース」だからです。マスコミは「史上最高レベルの桜花賞」と煽り立ててます。…まぁ、これは相当に盛ってますけどね。過去76回の桜花賞をリアルタイムで経験してる人なんかいないでしょうに、なぜ分かるんでしょうか。
 
私の知る範囲でいえば、過去最高の桜花賞は「5強」と称された馬が集った平成3年の桜花賞だと思っています。桜花賞トライアルまで5戦全勝のイソノルーブル、3戦全勝でチューリップ賞を制したシスタートウショウ、前年の最優秀3歳牝馬(※現在の表記では2歳)ノーザンドライバー、天才騎手が手綱をとる重賞2勝馬スカーレットブーケ、同じく重賞2勝で牡馬相手にG1③着のミルフォードスルー。今みたいに牝馬限定重賞が多くない時代ですからね。ホントに好メンバーでした。それでも、終わってみれば13番人気の伏兵ヤマノカサブランカが2着に入る波乱。好メンバーだからといって人気どおりの着順で決まるとは限らないんですよね。
 
私は「勝つ可能性」と「2着に入る可能性」は別モノだと思っています。「勝つ可能性」がある馬が沢山いるからといって、実際に勝つのは1頭のみ。勝ちに行って負けた時には2着にも残れない…これは競馬ではよくある事ですよね。昔から「1着は必然、2着は偶然」という競馬格言もあるように、2番目に強い馬が2着とは限らないという事です。今年の桜花賞でも同じことが言えるのではないかと思っています。
 
…って事で、ここからようやく今年の桜花賞の予想です。
 
恐らく断然人気になるであろうソウルスターリング。多くを語る必要はなく、阪神JF→チューリップ賞の王道路線を勝ち進んでいるんですから、この馬が「最も勝つ可能性が高い馬」である事は間違いないでしょう。そこを疑うつもりはありません。とはいえ、勝って当然とは思いません。気になるのは、阪神JFでもチューリップ賞でも、最後の直線では内ラチを頼ってるところです。内枠発走だった阪神JFはともかく、チューリップ賞は外枠だったにも関わらず騎手の右ムチに反して最後は内にモタれてます。今回は14番枠に入ったわけですが、果たして他馬に内に入られた時に伸び切れるんでしょうか。重箱の隅を突くようなものかも知れませんが、僅かキャリア4戦、隙がないというわけでもないように思ってます。
 
ソウルスターリングが社台レースホースの誇るフランケル産駒なら、サンデーレーシングの誇るフランケル産駒がミスエルテ。出負けしながらも直線一気に差し切ったファンタジーSはお見事でした。阪神JFでのソウルスターリングとの「フランケル対決」が注目されましたが、牡馬相手の朝日杯FSに回ったため実現せず。ようやくここで初対決となるわけで、つまり勝負付けが済んでいないわけですよね。無敗のうえにトライアルを制しているライバルに対し、前走で負けているうえにぶっつけ本番では分が悪いようにも映りますが、逆転可能なポテンシャルは持っているんじゃないでしょうか。体型や気性からして、もしかしたら適性がスプリンター寄りではないかという疑念があるだけに、最内枠からロスなく進められるのはいいかも知れません。実際ファンタジーSも最内枠でしたからね。逆転候補の筆頭と考えています。
 
もう一頭、逆転候補として注目しているのがミスパンテールです。前走のチューリップ賞では、阪神JFの1〜2着馬に割って入りました。相手も休み明けではありましたが、この馬の場合はキャリア1戦、新馬戦以来7ヶ月ぶりという臨戦過程であり、いきなり通用したのは素質の表れと考えていいでしょう。追い切り後の馬体重が前走から12キロ増と、ひと叩きされての変わり身を推察することが出来ます。前走より差が詰まるとするならば、逆転まで期待してもいいんじゃないでしょうか。
 
他にも「勝つ可能性」があると思っている馬は何頭かいますが、キリがないのでここまでにします。人気馬ばかり買っても配当的に妙味はありませんからね。むしろ、単勝以外の馬券を当てたいなら2〜3着馬を探さないといけません。前述の通り、私は「2番目に勝つ可能性のある馬」と「最も2着に来そうな馬」は別モノだと考えてますので、2〜3着に特化した観点で探した方が得策だと考えています。
 
全くの人気薄になりそうですが、ディアドラのようなタイプは要注意だと思います。既に8戦ものキャリアがありながらも掲示板を外した事がなく、勝ち馬との着差は最大で0秒4差しかありません。前述のヤマノカサブランカや、スティルインラブの勝った桜花賞で13番人気ながら2着に来たシーイズトウショウなどと同様、キャリアを積んでも崩れない「相手なりに走るタイプ」です。「勝つ可能性」は殆どないと思います(←失礼)が、ヒモに押さえておくと楽しめるかも知れません。
 
 
◎ソウルスターリング
◯ミスエルテ
▲ミスパンテール
△ディアドラ
 
普段このブログを書く時は、既に馬券検討を終えた状態で文章の流れを組み立てているんですが、今回は現時点で結論が出ていません。なので、このブログを書きながら考えを纏めてみようと思います。歪んだ文章になるかも知れませんが、その反面、生々しい予想が展開できたら面白いんじゃないかなぁ~という試みです。ワクワク♪♪

まず、今回の登録馬をパッと見て思ったのは、臨戦過程ごとに括って検討できそうだということ。前走で海外のレースに出走した馬が5頭もいるというのは、海外遠征が身近になった近年でさえ、ちょっと記憶にありません。安田記念では、香港とドバイでG1を勝ってきたモーリスとリアルスティールが揃って敗れていますし、ここは重要な検討ポイントになると思います。順に振り返りましょう。

最多の5頭が該当するのが、天皇賞・春からの転戦組。前走で出走している馬以外に、前々走で出走していた馬が1頭いますから、6頭がここで対戦しています。そのレースを制したのは、昨年の菊花賞馬キタサンブラック。3200mを小細工なしの逃げ切り勝ちでした。何てったって前年の菊花賞馬ですから、個人的には勝って当然くらいに思っていたんですが、特筆すべきは、これだけの実績を残しているにも関わらず1番人気じゃなかったって事ですよね。先行馬というのはゴール前で詰め寄られているように見えますから、脚の使いどころによる印象度の違いもあるんでしょうか。或いは、個体の能力を見ず、父ブラックタイドに母父サクラバクシンオーという地味な血統のイメージに捉われているんでしょうか。オーナーのハシャギっぷりと冠名を用いたダサい馬名に対する嫌悪感を持つ人もいるかも知れません。が、競走成績を見れば紛れもなく一流馬のそれです。これでもまだ1番人気にならないのであれば買わない手はありませんよね。着差は僅かでも勝つべくして勝っているのであって、一旦は前に出たところから差し返された②着のカレンミロティック以下とは着差以上の能力差があると思います。

天皇賞・春に次ぐ4頭が該当するのが鳴尾記念からの転戦組。昨年の宝塚記念の予想にも書いているように、同じ阪神開催の別定戦である鳴尾記念は宝塚記念へ向けての最良のステップレースです。特に今年はコースレコードが記録されたわけですから、軽視してはいけないでしょう。勝ったサトノノブレスは、古くは菊花賞②着の実績馬であり、今年は鳴尾記念の他に58キロのトップハンデを背負って中日新聞杯も制しています。天皇賞惨敗→鳴尾記念制覇という道程は、昨年の宝塚記念を勝ったラブリーデイと重なります。その勝ち馬からクビ差の②着だったのがステファノス。昨年の香港G1クイーンエリザベス2世Cで②着した時も、天皇賞・秋で②着した時も、いずれも叩き2戦目であり、休み明けでコースレコードとタイム差なしの②着なら上々の結果でしょう。今回は前走以上に走れる筈です。

次いで、3頭がエントリーしている目黒記念からの転戦組。G2という格付けではありますが、G1シーズンの真っ只中に組まれたハンデ戦だけに、そもそもG1で勝ち負けするような強豪が出走する事はほとんどありません。今年、クビ差の②着に入ったマリアライトはG1ウィナーでありながらも、重賞勝ちがエリザベス女王杯だけなので極端なハンデを背負わされずに出走できましたが、有馬記念→日経賞→目黒記念と2500m戦に連続出走しているように適距離を求めての参戦と思われます。恐らくは③着のヒットザターゲットも同様で、次に繋げるというよりも適距離のココを取りに来たんでしょう。レースレベルを考えてみても、宝塚記念で勝ち負けというのは期待しづらいものがあります。

同じく3頭が出走しているのが、なんと海外G1のドバイシーマクラシック。昨年の日本ダービー馬ドゥラメンテ、昨年のジャパンC②着馬ラストインパクト、一昨年の日本ダービー馬ワンアンドオンリーが揃って出走し、それぞれ②着、③着、⑤着という結果でした。勝ったポストポンドは昨年の英G1キングジョージの勝ち馬、④着のハイランドリールは昨年のG1香港ヴァーズの勝ち馬、⑥着のダリヤンは今年の仏G1ガネー賞の勝ち馬という、レコード決着も納得のハイレベルなメンバーで、レース直前の落鉄により一足だけ蹄鉄を履かない状態で②着したドゥラメンテは、能力的には世界トップクラスと言って差し支えないかと思います。その反面、影響があったならここまで走れなかったのではないかという気持ちもあり、落鉄がなければもっと走れたという論調に対しては違和感もあります。もとより故障による長期休養があった上に、ドバイでの激戦を終えての初戦。楽観はできないと思います。

同じく海外G1・クイーンエリザベス2世Cからの転戦組が2頭。こちらはドバイよりレースレベルそのものが落ちる上に、日本勢はラブリーデイの④着が最高という完敗に終わっています。昨年の宝塚記念を制しているラブリーデイではありますが、鳴尾記念を制して年内重賞3勝目を挙げていた昨年とは異なり、今年は未勝利の上に香港遠征からの帰国初戦であり、昨年の今ごろのような上昇気流には乗れていません。もともと昨年の古馬戦線はさほどレベルが高いとも思えず、今年の古馬戦線では4歳馬が圧倒している状況から考えると、昨年の状態であったとしても見劣るような気がします。一言に「海外G1」といっても、ドバイよりレベルの落ちる香港で通用しなかった上に遠征帰りとなるこの組は、宝塚記念に向けて強気になれる材料がありません。

残る1頭は、大阪杯からのステップで挑むアンビシャス。来年からG1に昇格という話も出ているこのレースですが、今年は②着がキタサンブラック(菊花賞)、③着がショウナンパンドラ(ジャパンC、秋華賞)、④着がラブリーデイ(天皇賞・秋、宝塚記念)、⑤着がイスラボニータ(皐月賞)、⑥着がヌーヴォレコルト(オークス)と、まさにG1並のメンバーが集い、それらをまとめて負かしたアンビシャスへの期待値は相当高くなっています。とはいえ、今年はあくまでもG2であり、G1戦線に向かう馬にとっては叩き台でしかありません。G3しか勝っていなかったアンビシャスは斤量の恩恵もありました。それ以上に、ここを使った後にぶっつけで宝塚記念というローテーションが、ちょっと陣営の意図を汲みかねます。以前には日本ダービーの優先出走権を取りながらも(本番には出走せず)福島のG3に向かってみたり…よく分かりませんね。

さて。サラッとではありますが、それぞれの臨戦過程ごとに注目馬をピックアップしてきました。ここからは「横」の比較になります。

まず、1番人気が濃厚なドゥラメンテですが、故障から復帰した今季2戦、昨年のような「凄味」が見られないのが気になります。中山記念ではアンビシャスに、ドバイシーマクラシックではラストインパクトに差を詰められてますからね。中山記念は故障明けの上に海外遠征が控えていましたし、ドバイシーマクラシックは裸足だったわけですから、能力全開ではなかったのかも知れません。が、今回だって帰国初戦ですから、能力を出し切れるかは疑問もあります。そもそも、故障による長期休養というのは成長の妨げになるわけで、未だ3歳時ほどの強さが見られないのは、もしかしたら能力そのものに影響している可能性もなくはないのかも。もっとも、そこを差し引いてもドゥラメンテは世界で通用する強い馬だと思いますが、少なくとも、順調にキャリアを積み重ね、G1を2つ制したキタサンブラックとの差は詰まっていると考えるのが妥当でしょう。条件次第では逆転まであっても何ら不思議はありません。海外遠征帰りで初めて58キロの斤量を背負うドゥラメンテは関西への輸送競馬の経験もありません。それに対し、前走で58キロを背負ってG1を制した関西馬のキタサンブラック。今回どちらが有利かは明白ではないでしょうか。キタサンブラックが本命、ドゥラメンテが対抗というのが、至ってシンプルに考えた私の結論です。

扱いが難しいのがアンビシャス。中山記念ではドゥラメンテに詰め寄り、リアルスティールには先着。大阪杯では前述の通りキタサンブラックをはじめとしたG1ウィナーを一刀両断にしています。とはいえ、これはあくまで前哨戦での事であり、斤量など競走条件に差がある中での結果です。最も舞台が合いそうな昨年の天皇賞・秋では⑤着止まりだった事を考えると、そんなに急にG1に手が届く位置まで成長するでしょうか。人気がなければ未知の魅力に賭けてもいいんですが、下手すりゃ3番人気になりそうな勢いですよね。評価としては単穴なんですけど、馬券的には穴になりませんし、それなら割り切って消しちゃう手もありかな。

むしろ、ベストの臨戦過程で能力全開が期待できる鳴尾記念組の方が馬券的妙味はありますね。特にステファノスは叩き良化型ですし、この春は前哨戦と宝塚記念の2戦に絞って来てますから、このレースに対する本気度でいえば随一かも知れません。勝ったサトノノブレスを軽視するわけではなく、今回に関してはステファノスのプラスアルファの方が大きいのではないかという事です。

◎ キタサンブラック
○ ドゥラメンテ
▲ ステファノス
△ サトノノブレス

昨年初頭、4歳になったばかりのモーリスは、通算成績7戦2勝、単なる1000万下条件馬の身でした。そこから1000万下→1600万下→G3と3連勝で迎えた安田記念では、それまでの勝ちっぷりの良さから単勝370円の1番人気に推され、見事にG1初制覇。休み明けのぶっつけ本番のため単勝570円の4番人気に留まったマイルチャンピオンシップも制すると、香港に遠征して香港マイルも制覇。年間成績を6戦6勝とし、年度代表馬に輝きました。今季初戦となった香港のチャンピオンズマイルも快勝し、今やマイル路線の絶対王者。恐らくは単勝200円を切るぐらいの圧倒的大本命として安田記念連覇を目指すという状況です。


となれば、まず最初に検討すべきは、もちろんモーリスの取捨でしょう。ついさっき「絶対王者」と表現しましたが、競馬に絶対なんかありません。絶対王者と言われる存在だからこそ盲信は禁物、まずは疑うところから入ります。


能力評価については「G1競走4連勝」という圧倒的実績に集約されるのでしょうが、1つ1つの中身はどうだったんでしょうか。まずは昨年の安田記念ですが、G3を勝ったばかりのこの馬が1番人気になるぐらいメンバーが手薄だったという状況があります。結果もクビ差での勝利であり、このレースに限れば王者というほどの強さは示せていません。だからこそ、ぶっつけ本番だったとはいえ、マイルチャンピオンシップでは4番人気に甘んじたんでしょう。少なくともこの時点で、イスラボニータ、フィエロ、サトノアラジンよりも低く評価されていたという事実に目を瞑ってはいけません。ここを勝って春秋統一を果たした事で「日本のマイル王」という位置付けになるわけですが、このレース自体の勝ち時計は歴代9位という標準的なもの。絶対能力が評価されたというよりも、安田記念とマイルチャンピオンシップの両方を勝ったという結果に基づく、昨年のマイル路線における相対的な評価としての王者だったと思うんです、少なくともこの時点では。更にこの後、海外G1連勝により、世界レベルの馬である、世界に通じる「絶対王者」である、と評価が急上昇するんですね。私が気になっているのはココでして、耳に心地よい「海外G1制覇」という言葉の響きに過剰な評価をしていませんか?という疑問があるんです。海外G1とは言っても、地元である香港以外の主力級はほぼ参戦してませんから、これを「世界レベル」と言ってしまうのは違和感があるんですよね。もちろん、並の馬にこれだけの実績が残せるとは思いませんが、どうも本来の実力以上のイメージが先行していると思うんです。話が長くなりましたが、要するに、ここでの見解は…


モーリスは絶対王者ではない!!


…という結論です。かつてのタイキシャトル、近年ならジャスタウェイのような「どうしようもない強さ」というのを、少なくとも現時点のモーリスには感じないんですよね。単に私の感性が鈍いだけかも知れませんが。いずれにせよ、前述の通り相対評価であったとしても、モーリスが昨年のマイル路線における王者であるのは事実。これに打ち勝つ可能性を見出せなければ、結果的にはモーリスが最上位となります。では、探していきましょう!!


まずは、昨年のマイルチャンピオンシップでモーリスを差し置いて1番人気になったイスラボニータ。スタート直後に両隣の馬と接触し出遅れ、道中も抑えるのに苦労しながらも、上がり最速33秒0で追い込み、モーリスとは0秒2差の③着。スムーズに運べていれば或いは…と思わせる内容です。皐月賞馬ではありますが、左回りで[5-2-3-1]という成績を残しているサウスポーであり、この舞台なら逆転の見込みが十分あるように思います。そもそもモーリスとは同世代で、クラシックに出走すら叶わなかったモーリスに対し、こちらは本来クラシックを制した格上の存在ですからね。先週の日本ダービーを1番人気で敗退した蛯名正義騎手のリベンジにも期待したいところです。


そして、昨年はマイル路線ではなくクラシック戦線を歩んでいた4歳馬リアルスティール。皐月賞でドゥラメンテの②着、菊花賞でキタサンブラックの②着という実績も残していますが、初G1制覇となったドバイターフをはじめ勝ち鞍はすべて1800m戦。総合能力の高さでクラシックでも好勝負していますが、抜群のスタートからスッと好位に付けられるレースセンスを持っているように、本来はこのぐらいの距離でスピードを活かした競馬の方が合っているんでしょう。曾祖母があのMiesqueという血統背景もあり、そもそもマイラーとしての資質が高いのかも知れません。ドバイ遠征ではヤネから降ろされた福永祐一騎手も、再度の騎乗依頼に燃えないわけがありませんよね。


優勝争いはこの3頭だと予想します。中でも最も強く推したいのがリアルスティール。天皇賞・春の予想にも書きましたが、今年の古馬戦線は4歳馬が勝ちまくっていて、先週末までに行われた古馬G1&G2(ダート戦と牝馬限定戦を除く)12競走において、なんと4歳馬が8勝という独占状態になっているんですよね。その最強世代のクラシック戦線で常に上位を張ってきた馬であり、ここに出走する唯一の4歳馬ですから、むしろ負けられないってくらいのもんでしょう。モーリスに人気が集中するなら連勝単式で買うだけでも面白いですし、更にはイスラボニータが割って入るようなら結構いい配当になるんじゃないでしょうか。


大穴ならディサイファ。7歳馬がキャリア35戦目にして初となる芝マイル戦。この馬が安田記念に出走するのは違和感ありまくりです。ただ、昨年の毎日王冠ではエイシンヒカリの②着に入り、イスラボニータには先着。エプソムCでは①着のエイシンヒカリや②着のサトノアラジンより重い斤量で0秒1差。一昨年は、毎日王冠が勝ち馬から0秒1差の④着で、エプソムCは優勝。意外とコース適性は高いのかも。何より、今年に入ってG1&G2を制した5歳以上の馬というのは、ゴールドアクター、ビッグアーサー、サトノアラジン、それとディサイファだけです。上位人気が予想されるサトノアラジンと比べれば、完全にノーマークのこの馬の方が馬券的妙味はあるでしょう。



◎ リアルスティール

○ イスラボニータ

▲ モーリス

△ ディサイファ

先日発表となった凱旋門賞の一次登録には、史上最多11頭もの日本馬の名前がありました。その中には、昨年の日本ダービー馬ドゥラメンテや一昨年の日本ダービー馬ワンアンドオンリーの他に、今年の日本ダービーに出走する3歳馬が5頭も含まれていました。今年の3歳馬は史上稀に見るハイレベルな世代と言われているだけに、ここから世界に羽撃く馬が何頭か登場しても不思議ではありません。この日本ダービーは、つまり「世界基準の強さ」が要求される競馬になるという事ですね。


それでは、まずは一冠目の皐月賞を振り返ってみましょう。サトノダイヤモンドが単勝270円で1番人気、リオンディーズが280円で2番人気、マカヒキが370円で3番人気と、上位3頭に人気が集中した「3強」ムードの中で争われました。


◎ サトノダイヤモンド
○ マカヒキ
▲ リオンディーズ
△ ディーマジェスティ


私の予想はこうでした。人気どおり3強の争いになると読み、特にサトノダイヤモンドとマカヒキについては「シンボリルドルフとディープインパクトが同じ世代にいるようなもの」とまで持ち上げ、この一角を崩すならディーマジェスティだろうとしました。結果はディーマジェスティがレースレコードで突き抜けて①着、マカヒキが際立つ脚色で追い込み②着、サトノダイヤモンドが他馬に激突される不利を受けつつも③着、妨害したリオンディーズが④位入線からの⑤着降着。馬券は的中しながらも、やや恥ずかしい予想を述べてしまいました。


しかし、私はこの見解が間違っていたとは思っていないんです。ディーマジェスティの強さは想像以上ではありましたが、皐月賞を終えてもなお、やはり能力的にはサトノダイヤモンドとマカヒキが頂点にいるという考えは変わっていません。懲りないようですが、世代最高の栄誉であるこの日本ダービーを制するのは、サトノダイヤモンドかマカヒキのどちらかだと思っています。


サトノダイヤモンド。前走の皐月賞は、最後の直線で他馬にぶつけられるアクシデントがありながらの③着惜敗。ところがレース後、ルメール騎手は「バランスを崩した」といった不利の影響を示唆するコメントを口にしませんでした。つまりは、多少の接触ぐらいは気にならないほど体幹が優れているという事なんでしょう。東京コースなら中山ほどゴチャつきませんし、本番に向けてはいい経験だと捉えます。敢えて「本番」という言い方をしたのは、そもそも皐月賞までのレース間隔を開けたローテーションについて、陣営は皐月賞の前から「目標はダービー」と公言していたからです。中間の稽古内容も明らかに前回とは違いますし、今回こそピークの出来に仕上げてくるでしょう。何と言っても、マカヒキで若駒Sと弥生賞を勝ち、ディーマジェスティでも新馬戦(②着)の手綱を取ったルメールが「ダービーを取るために選んだ」馬です。ここを勝って母国へ凱旋帰国…凱旋門賞に行きましょう!!


マカヒキ。前走の皐月賞では追い込み届かずの②着でしたが、ゴール間際の加速力はケタ違いの迫力でした。それは、記録や字面で表すのとは異質の「モノが違う」という感覚的なものです。父ディープインパクトと同じ金子真人HDの勝負服に導かれ、父と同じく新馬戦→若駒S→弥生賞→皐月賞という道程を辿るこの馬は、父と同じ「飛ぶ末脚」を確かに受け継いでいると思います。それでも皐月賞を勝てなかったのは、単純明快、父の歩んだクラシック戦線よりも相手が強いだけに、適性の差で届かなかったという事でしょう。後ろからの競馬になるこの馬にとって、皐月賞の舞台はどうしたってロスの多い競馬になりますからね。その持ち味を存分に発揮できる舞台こそ、父が5馬身差で圧勝したダービーに違いないでしょう。前回は初騎乗だった川田騎手にしても、前走でこの馬の脚の使いどころは掴めたはず。今こそハープスターでの経験を活かす時です。


さて。勝つのは両雄のどちらかだとして、単勝ではいくらにもならないでしょうから、もちろん馬券的には②着馬や③着馬も予想しなくてはなりません。相手候補には、今年に入ってから他馬に先着を許していないこの2頭を狙います。


ディーマジェスティ。前走の皐月賞は8番人気の人気薄でしたが、あれはそもそも馬券の売れ方がおかしかったんです。戦績を振り返ってみれば、最初の2戦は逃げ馬を捕らえ損ねての②着、3戦目ではマウントロブソンを負かして初勝利、4戦目で共同通信杯を制覇。その全てのレースで上がり最速を記録しているディープインパクト産駒。…ですからね。例年であれば上位人気に推されて当然の有力馬であり、皐月賞制覇はフロックでも何でもないんです。共同通信杯から間隔を開けた臨戦過程で皐月賞を制した上に、2戦2勝の東京コースなら上積みすら期待したくなります。但し、そうだとするなら皐月賞が「走り過ぎ」という感もあるんですよね。激走の反動なのか、この中間には「疲労が出た」という噂もありましたし、額面通りに良化とはならないのかも…杞憂ですかね??群雄割拠のこの世代に二冠馬は誕生しないと思っている自分がいるんです。


ヴァンキッシュラン。この馬は、ただ単に「皐月賞に間に合わず、青葉賞で優先出走権を得て滑り込んだ馬」ではありません。今年に入り、未勝利戦①着→500万下①位入線(からの降着)→アザレア賞①着→青葉賞①着と、4戦して他馬に先着を許した事がないんです。クラスの壁にぶち当たって出世が遅れたわけではないんですね。しかも、2400m戦を3つ連ねるというのは、この距離のオープンクラスの競走が青葉賞しかない現行のレース体系では異色の経歴と言っていいでしょう。距離に関してここまで実績を残していた前例はありませんからね。その反面、これまで戦ってきた相手が軽いというのも誤魔化せない事実。過去に青葉賞を制した馬のうち、後にG1をいくつも勝つような実力馬でさえもダービーに一歩届かないのは、この部分が想像以上に大きいんじゃないでしょうか。高い可能性は感じつつも、越えるべき壁は低くないと思います。


このブログは個人の見解の場ですので、競馬新聞の常識では有り得ない印でも素直に打ちます。甲乙つけ難いサトノダイヤモンドとマカヒキの2頭はどちらも本命◎とします。どちらかが勝つと予想しているのだから対抗○と単穴▲はナシ。ディーマジェスティとヴァンキッシュランはあくまで連下△です。連勝中の馬を「勝たない」と位置付けるのは危険ではありますが、人気どころを買うわけだから点数を絞らないとね。(※余談ですけど、某テレビ番組でやってる三連単を5頭ボックスで買うってやつ…着順通りに当てる馬券を全通り買う矛盾…あれって、めっちゃダサい買い方だと思うんですよね。ああはなりたくないな、と。)


◎ サトノダイヤモンド
◎ マカヒキ
△ ディーマジェスティ
△ ヴァンキッシュラン


オマケにPOGで指名しているサトノダイヤモンドとプロディガルサンの組み合わせをコッソリ買い足して、今年のダービーを楽しみたいと思います。

今年の牝馬クラシック戦線は、まず2歳女王メジャーエンブレムがクイーンCをレースレコードで圧勝して1強ムードが漂いました。その女王への挑戦者決定戦として素質馬が一堂に会したチューリップ賞では、シンハライトとジュエラーが馬体を並べての壮絶な叩き合いを演じ、これまたレースレコードで決着。そして迎えた桜花賞では、前出3頭だけが単勝オッズ1桁台に支持され、4番人気馬は22倍という、いわゆる「3強対決」の様相を呈していました。結果はまたもやジュエラーとシンハライトの叩き合いとなり、ジュエラーが優勝、シンハライトが2センチ差とも言われる僅差の②着、メジャーエンブレムは不完全燃焼なレースぶりで④着となりました。その後、メジャーエンブレムは距離適性を考慮してNHKマイルCに向かい、これを制覇。一方、オークスを目指していたジュエラーは骨折を発症してしまい、これを断念。その結果、このオークスは3強のうちの2強が不在となり、残るシンハライトの「1強」状態で争われる事となったわけです。


となれば、もはや迷う事なくシンハライトから入ればいいでしょう。何と言っても、ジュエラーに2センチ遅れた以外は負けてないんですからね。昔なら確実に単枠指定になってる筈です。距離もコースも遠征競馬も全て未経験…確かにそこは未知数でしょうが、3歳春のキャリアなら珍しい事ではなく、これを死角と言ったらキリがありません。適性の差が明暗を分ける事になるほど、能力が拮抗した相手がいるでしょうか。桜の女王に輝いたジュエラー、マイルの女王に輝いたメジャーエンブレム、そして樫の女王に輝くシンハライト。3強それぞれが女王となり、秋に再び相対する事になれば、こんなに胸熱な展開はありませんよね。負けられません。


…まぁ、ここまでは力説する程のものでもなく、殆どの人が辿り着く結論かと思います。大事なのはココからの相手探しですよね??


これだけ3強ムードが濃くなってしまうと、それ以外の馬が霞んでしまい、ついつい別路線組に目を向けたくなります。フローラSを制したチェッキーノは、ここまで②①①①着の成績で、牝馬には負けた事がなく、全てのレースで上がり最速を記録しています。スイートピーSを制したジュエラー…じゃなくてジェラシーは、これまで③④④①②①着と掲示板を外した事がありません。忘れな草賞を制したロッテンマイヤーは、ここまで①③①着の成績で、デビュー2戦目のクイーンCでメジャーエンブレムの③着に敗れたのが唯一の敗戦です。ちなみに、昨年のオークスは①~④着までをノーザンファーム生産馬が独占しましたが、ここに挙げた3頭もノーザンファーム生産馬というのが更に期待を煽りますね。この他にも、ここまで③②①①着でフラワーCを制し、ルメールが他馬の騎乗依頼を断って選択したエンジェルフェイスも魅力を感じる存在です。


…ですがっ!!


私の狙いはそこではありません。結局のところ、今年の牝馬クラシック戦線は、冒頭に書いた通り「3強」を巡る争いなんです。メジャーエンブレムが制した阪神JF、シンハライトが制したチューリップ賞、ジュエラーが制した桜花賞。この3つの主要レースこそ「核」であって、それ以外のレースでどれだけ綺麗な数字を並べたところで、それがクラシックに結びつくかというと「否」だと思うんです。そして、3強でさえ3戦すべてを戦っているわけではないところ、阪神JF→チューリップ賞→桜花賞という王道ローテーションを経て、この舞台に辿り着いた強者がいます。激戦続きだけに、見栄えのする綺麗な数字は並びませんが、その中でも光るものを時折見せつつ、3強ですら持たない経験値を積んできたという事実に着目しました。


阪神JFでメジャーエンブレムから0秒3差の②着だったウインファビラス。今回と同じく左回りの新潟2歳Sでも(後のNHKマイルC②着馬)ロードクエストの②着に入っています。桜花賞①着馬と阪神JF①着馬が不在なら、桜花賞②着馬と阪神JF②着馬で決着しても何ら不思議はありませんよね。チューリップ賞→桜花賞と惨敗しているのは、減り続けている馬体重も要因の1つでしょうか。前走が過去最低の馬体重だっただけに、長距離輸送のない関東圏でのレースというのは大きなプラスです。


チューリップ賞でシンハライトから0秒3差の⑤着だったデンコウアンジュ。既に東京コースでの重賞勝ちの実績があり、そのアルテミスSではメジャーエンブレムを破る金星を挙げています。とにかく豪快なレースぶりが目立ち、アルテミスSでは4コーナー11番手の位置からラスト11秒1→11秒2のレースラップを差し切っています。出遅れる事の多い馬なだけに、直線の長い東京コースでこそ本領発揮の期待大です。


桜花賞ではジュエラーから0秒5差の⑤着に入ったアドマイヤリード。最後方から直線だけで13頭をゴボウ抜きにした末脚は、ジュエラーに次ぐ2番目の上がり時計であり、シンハライトをも凌ぐものでした。左回りの経験はデビュー戦だけですが、牡馬の評判馬シルバーステートを差し切っています。小柄な馬で、惨敗したチューリップ賞では狭い馬群の中で何度も弾き飛ばされていましたから、広大な東京コースがマイナスになるとは思えません。


人気からすると穴っぽい狙いに見えるかも知れませんが、いちおー筋は通ってるでしょ??


◎ シンハライト

○ アドマイヤリード

▲ ウインファビラス

△ デンコウアンジュ