うつ病になってから2年経って、職場に復帰した。最初は無給で、リハビリがてら行く感じだった。発病したときとは園長が代わっていて、わたしが頼っていた副園長が園長となっていた。園長はわたしの体調を気遣ってくれたし、温かく見守ってくれた。
初日は本当に行きたくなかったけれど、思った以上に普通に過ごすことができた。裏切りの後輩、なめてくる後輩もまだ職場にいたけれど、あの時は申し訳なかったと謝ることさえできた。わたしは少しは良くなったし、少しはかわれたのかもしれない、と思った。

そういえば、リワークに通い始めたときに、自己肯定感を上げたい、生きやすくなりたい、と思っていた。そのための訓練を2年間して、結果、自己肯定感を上げるのはハードルが高かったけど、ありのままの自分を、負の気持ちを持たずに見つめる、ということが大切だと気づいた。傷ついている自分、失敗した自分を嫌ったり蔑んだりしないで、そのまま見つめる、それができれば堕ちすぎないと感じた。

そんなこんなで半年実績を積み、有給での仕事復帰を果たした。担任したクラスは、保護者も先生も落ち着いた、良いクラスで、子どもたちもとてもかわいかった。楽しく仕事できていたうだと思う。でも、それでも、起きぬけに涙ががこぼれる日があった。わたしは、嗚呼向いてない、と悟った。わたしは、保育士を諦めた。

彼は言った。辞めたほうがいい。復帰する必要もなかったんだ。早く辞めな。

第二子の妊娠を機に、わたしは専業主婦になった。