宇宙刑事レイカース3 無限融合(アトミックショック) 第62話 | 宇宙刑事レイカースFUN

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熱き想いを忘れないオヤジの隠れ家的何でも有りのブログ

「俺の名は、モビー 私立探偵のモビー

 鬼岩島から、無事に帰還することが出来た俺は まず、兄弟子の桜大門に支持されていたように

 警察組織内に有る『特警』と呼ばれる部所に所属している、本庄真璃と言う婦警さんに連絡を取った

 前に兄弟子と公園で会った時に、一緒に来ていたオリンピック金メダリストの美人さんだね

 事情を話すと、すぐに理解してくれて学生達の保護の手配をしてくれた

 今、学生達は全員 警察が・・・国家が、厳重に警護している病院に入院している

 『潜在侵略』をモットーにしているダーク・ロアさん達には、もう手が出せない領域だから安心なんだな


 学生達を下ろした後の『カエルちゃん号』には、東京湾の深ーい所に隠れてもらった

 『カエルちゃん』とは、連絡を取りたいので オイラのスマホにアプリとしてダウンロード・・・

 いや、転居してもらった


 そして今オイラは、久しぶりに無駄に大きい御屋敷の 無駄に大きい部屋に有る

 無駄に豪華なソファーに腰かけている

 そう、三つ目の条件を果たす為に『神埼邸』に来たんだな・・・」

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モビーが、いつものように独り言で鬼岩島から帰って来てからの行動の説明をしながら

無駄に豪華なコーヒーカップに注がれたコーヒーを飲んでいると、部屋の入口の木製のドアがノックされた

モビーが、返事をすると 先ほど自分をこの部屋まで案内してくれたメイドさんがドアを開け丁寧にお辞儀をして入室してきた

そして、その後ろから 今回のクライアントである超大物『神埼剛三』氏が入ってきた

モビーは、コーヒーカップを置くと すぐに直立して頭を下げた

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「御無沙汰しております」

そう言って、頭を上げると 相変わらずフレンドリーな大物の神埼氏は、モビーの所に駆け寄ってきた

「モビー君! ありがとう!

 今回の事は、なんと御礼を言ったらいいのか・・・ 本当に、ありがとう!」

そう言いながら、両手でかたくモビーの手を握り締めた

その目は、既に涙ぐんでいた


少し落ち着きを取り戻した神埼氏は、モビーと話す為にモビーの向かいのソファーに腰かけた

「今、病院から帰ってきたところなんだ・・・

 少し痩せたようだが、志郎は元気だった

 やはり、孝ノ助に・・・モビー君に御願いしたのは正解だった」

一瞬、モビーは(おや?)と思った

保護した学生達の事は、まだトップシークレットで 病院への入館も出来ないはずなのだが・・・

やはり、大物は特別待遇なのだなぁ・・・と、世の不合理を改めて思い知らされた気がした

「神埼さん、秘密厳守で息子さんを救出してきました

 今日は、最後の条件を果たしに来たのですが・・・・御聞きになりますか?」

神埼氏からの条件とは・・・

①息子の『神埼志郎』を無事救出する

②秘密厳守

③今回の件について、嘘や隠し事は無しに全てを報告すると言う、今回の依頼を請ける時にモビーに課せられた条件だった


神埼氏は、少し考えた後に 深くうなづくと

「やはり、全て知っておきたい 聞かせていただこう」と言った

モビーは、そうは来るとは思ってはいたが 一応、注意書きのような事を言った

「良いッスけど、結構長っ話しになりますよ・・・ それと、聞いても信じられるかどうか・・・」

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そう言って、モビーは神埼剛三氏の顔色をうかがった

神埼氏は、うなづくと

「大丈夫だ、君の話なら どんな内容でも信じるよ」

と言った


モビーは今回の出来事を、身ぶり手ぶりを交えて こと細かに説明し始めた

本来、一般人には言ってはいけないトップシークレットな話しも有ったが クライアントからの依頼でもあったし、相手が神埼剛三と言う大物でもあったので

自分が話さなくても、すぐに他から情報が入るのは間違いないので遠慮する必要は全く無かった

まあ、こんな話しを信用するとも思えなかったが モビーは、仕事と割り切って 3時間に渡る大活劇を全力で演じきって見せた

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「と、言った感じだったのですが・・・・御理解いただけたでしょうか?」

下手をすれば、怒鳴り飛ばされるかも知れないと思ったが 一応、テストクロージングをかけてみた

すると、神埼剛三は再びモビーの手を両手で握り締め

「すまなかった そんなに、大変な仕事を依頼してしまって・・・

 しかし、君達に依頼して本当に良かった」と、最大級の感謝の気持ちを表した

モビーは、ここまで信じてもらえるとは思ってもいなかったので 逆に驚いてしまった

心から感謝し喜んでいた神崎剛三だったが、何かを急に思い出したようで重たい表情に変わり モビーに質問をしてきた

「そう言えば、行方不明の孝ノ助・・・成水孝ノ助の消息は、わかったのか!?」

神崎剛三は、『成水探偵社』の所長で幼馴染でもある成水孝ノ助の消息を気にしていた

「・・・・」

しかし、何も言わず首を横に振るモビーを見て神崎剛三は幼馴染であり親友でもある男の死を悟った

「・・・そうなのか!?」

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沈痛な表情で深くうなづくモビーの態度で、神崎剛三の不安は絶望に変わった

「私が、こんな仕事を依頼しなければ・・・」

神崎剛三は、心から悔いているようだったが その必要はなかった

「神埼さん

 あなたが、悔む必要はないですよ ダーク・ロアの司令官の話しだと

 神崎さんが、仕事を当社に御依頼される数週間前に所長の成水は殺されていたようですから」

モビーも、今まで認めたくなかったので一度も口にしなかった事だったが

神崎剛三の気持ちを考え 至って事務的に説明をした

神埼は、それを聞き涙を流しながら何度もうなづいた

モビーも、自分自身で口にした為 探偵の師匠の死が現実の物となってしまい泣きそうになったが、なんとか押さえこむ事が出来た


神崎剛三は、涙を拭きながら立ちあがると机に向かって歩き出し

「謝礼を、お支払いしなければ ・・・モビー君達の希望の金額は・・・」

と、言いながら以前にモビーが手渡していた探偵事務所からの請求書を見ながら、チェックライターで自ら小切手を切りだした

モビーは直接面談する前は 神崎剛三と言う富豪で権力者は、頑固で金の亡者のような人物だと思っていた  

正直、こんなに出来た人物だとは夢にも思わなかったので

(かなり、フッかけ過ぎたなぁ・・・)

と、珍しく 請求金額を高く出し過ぎた事を若干後悔していた


神崎剛三は、切った小切手を封筒に入れると それを、モビーに手渡し

「本当に、ありがとう 心から感謝しています」と言った

モビは、御礼を言うと領収書を切ろうとして驚いた

「神崎さん! 小切手の金額 ふたケタ間違えてますよ!」

慌てて、小切手を返そうとするモビーに向かって神崎剛三は笑いながら

「間違えてませんよ

 私の感謝の気持ち、危険手当、遠方への出張料・・・宇宙まで行ったんですから

 それに、孝ノ助の御家族へのお悔やみの気持ち もちろん、口止め料も含まれていますからね」

と、言った

モビーは、深々と頭を下げると 領収書を切り神崎剛三に渡した


「また、困ったことが起こったら 依頼していいかな?」

「もちろんです・・・でも、そんな事が起こらない事を祈っています」

「そりゃ、そうだ」

そう言うと、二人は今回の事件で起きた悲しい出来事を忘れようとしているかのように 大声を出して笑った


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モビーは、小切手とはいえ 今まで手にしたことの無い大金を受け取り神崎邸を後にして

めぐみ の待つ、『成水探偵社』へ急いだ

「めぐちゃん、首を長くして待ってるだろうなぁ・・・ でも、小切手の金額見たら ぶっ飛ぶぞ」

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夢にまで見た大金を手にしたモビーだったが、心は晴れなかった

「所長の事、何て言おうかな・・・・」




〔あとがき〕

当作品はフィクションです  

登場する団体・施設・建物は、架空のものです

特に建物につきましてはイメージ画像であり、実際のそれとは別の物ですので ご注意下さい


事件も解決し、依頼主である神崎剛三氏から大金を受け取る事の出来たモビーでしたが

・・・

どんな、依頼だったか 皆さん忘れちゃいましたよね・・・ガーン


調べたら、その回の更新日 2012年3月1日でした・・・22ヶ月も前!?叫び


よろしければ、御覧下さいm(_ _ )m 

今回、使用した写真のロケ地情報も書いて有りました


               たてやじるし

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