宇宙刑事レイカース3 無限融合(アトミックショック) 第60話 | 宇宙刑事レイカースFUN

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「俺の名は、モビー 私立探偵のモビー

 えーと 俺の、現状を説明すると・・・ わりい、やっぱ無理だわ!!

               ・・・・しかし、このセリフ、だいぶ前に言ったようなきがするなぁ」

モビーは、独り言で現状を説明をしようとしたが無理のようだった

それも、そのはず モビーは今、宿敵のダーク・ロア機甲軍の副将 鎧将ギ・ガイブと一騎打ちの真っ最中だった

ガイブとの拳法対決の時は、中国で老師に手解きを受けた中国拳法のおかげで

その、激しい攻撃を全てかわすことが出来た

しかし今、ダーク・ロア最強の剣の達人である鎧将ギ・ガイブが モビーとの闘いに終止符を打つ為

ついに刀を抜いたのであった

「よくぞ俺に刀を抜かせた

 それは、誉めてやろう だが、貴様の悪運もここまでだ!」

「そうなんですか?」

実際、鎧将ギ・ガイブと刀を交えた相手で、現在も生存しているのは

ダーク・ロア『機甲軍 機甲将軍ゼ・ガルバス』と『格闘軍 格闘将軍ル・デザイラス』の二人だけだった

刀を抜いたガイブの殺気は、今までとは全く違っていた

(やべー

  コイツ、拳法も目茶苦茶強かったけど、刀を抜いた後の方が殺気が全然違う・・・)

絶体絶命のモビーであった


次の瞬間、目にも止まらないスピードで鎧将ギ・ガイブが、モビーを目がけ斬り込んで来た

以前のモビーだったら、一瞬で真っ二つになっていただろう

しかし、中国で修行を積んだ今のモビーは違っていた

ガイブの最初の一太刀を、見切ってかわしたのだった

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                「なんだと!?」 

まさか、必殺の斬り込みが かわされるとは思ってもいなかったガイブは驚いた

しかし、すぐさま振り下ろした刀を反すと 下からモビーを斬り上げた

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       「いやぁー!」  「ほちょ~!!」

その鋭い剣を、モビーはジャンプをしてかわした

老師から教わった『静と動』の極意は、モビーの身を確実に守ってくれていた

「面白い! 逃げ足だけは銀河系一かもしれんな!

 だが、逃げ足だけでは私には勝てんぞ!!

 どんな手を使っても良いから猛虎緑湖拳の伝承者らしく 私を倒してみろ!!」

その後も、モビーはガイブの攻撃を 見切ったりジャンプしたりして全てをかわして行った

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しかし、ここからなのである・・・  いつでも、攻撃に転じるチャンスは有った 

だが、ロアメタル製の鎧将ギ・ガイブに致命傷になる攻撃が思いつかない

ハッキリ言って無い!! 

どんなに鍛えたって、生身の人間にガイブを倒す事など不可能なのである


(老師様、やっぱり 思いつかない・・・ こいつを倒す方法が)


モビーは、中国の村での修行終了後の老師との会話を思い出していた




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(数日前のお話し)

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「確かに、ここでの修行で どんな攻撃も、見切り攻撃に転じることが出来るようになりました

 ガイブの攻撃も全て、かわすことが出来るでしょう

 でも、あのロアメタル製の鎧に身を固めたガイブを倒す必殺の技が・・・」

「あるわけ無いじゃろう! そんな物」

「へっ!?」

「人間の体は、鍛えれば鍛えただけ無限に強くなる・・・それは、間違いではない!

 じゃが、物には限度という物が有る!

 そのガイブという、レーザーマグナムも跳ね返す鎧を着ている奴なんて

 どう考えたって素手で倒せる限界を超えチョるだろ!」

「・・・・・・」      
モビーは、老師が言っていることが もっともだったので何も言い返せなかった


「老師様!では、どんなに頑張ってもガイブには勝てないのでしょうか?」

「誰が、勝てないと言った」

モビーは、老師が何を言いたいのか良くわからなくなっていた

「でも・・・」

「素手では無理じゃと言ったのだ! お主には、拳より強い知恵があるのじゃろ?」

「知恵ですか?・・・」

老師は、深くうなづいた そして、続けて

「モビーよ

 わしが、ここでお主に教える事は お主の身を守るすべだけじゃ

 それをマスターしたお主は、ガイブに負けることは無くなった

 これで、勝敗はお主の『勝ち』か『引き分け』だけじゃ

 後は、どうすれば勝てるのか己自身で考えるしか無いんじゃよ・・・」

              宇宙刑事レイカースFUN

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(老師様・・・・考えるったって・・・・有るのか!? こんなバケモノに勝つ手立てが・・・)

モビーは、ガイブの攻撃を避けながら 老師の言っていた知恵で勝つと言う事の意味を考えていた

しかし、その答えが出ることは無かった 

それどころか、戦況が徐々にモビー不利に変わり出して来ていた

その原因は・・・・

   ひえぇぇぇ~  宇宙刑事レイカースFUN  いやぁー!

メタボ・・・・ ギリギリの状況での攻防は、モビーの体力を奪っていた

要は、スタミナ切れである 

体重を背負っての闘いは、いくら厳しい修行を克服したとはいえ身体への負担は半端な物では無い

正直、避けて逃げているだけで 攻撃をする術がない闘いは、終わりのないテトリスのような物である

   ひょぇぇぇ~  宇宙刑事レイカースFUN  ふんっ!!

ガイブの攻撃を紙一重で見切っていたモビーも、今は逃げるのが精一杯になってきた感が有るのは否めなかった   

 でぃやぁー!   宇宙刑事レイカースFUN   ほぇぇぇぇ~   

二人の闘いは、持久戦の様相を呈してきた 

もはや、モビーの一瞬の油断か 体力の限界が闘いに終止符を打つだけになってしまっている事は誰の目にも明らかだった

モビーも、この闘い方には無理が有ることには だいぶ前から気付いていた

   (もう無理!! 限界近いよ~)  宇宙刑事レイカースFUN
モビーは、心の中で泣きそうだった

そして もう一度、勝機を見出す為に 師の教えを思いかえした

(老師様!!

 金ぴか鎧野郎に負けることは無くなったって言われましたけど、十分負けそうなんですけど!

 完璧な身を守る術って、結局 避けたり・逃げたりするだけじゃないっすか!

 後は、知恵で補えって言われても・・・

 本当にオイラに、拳より強い知恵があるんでしょうか?

 それ以前に、拳より強い知恵なんてもの自体が ねーべさ)

結局、答えは見つからなかった

(兄弟子~ ゴメン!! 駄目だ・・・限界  もう逃げ出したいよ~!!


 ・・・んっ!? そっか!!


 老師様、拳より強い知恵 思い付きました  逃げれば良いんだ!!)

モビーは、鎧将ギ・ガイブとの闘いをやめて その場から走りだした

                  宇宙刑事レイカースFUN

         「逃げるか! 情けない奴だ!! 」

もともと、降伏し闘いを放棄した者を斬る剣は持っていないガイブだったが 今回だけは別だった

この闘いで失ったものの大きさに対する怒り・・・

それ以上に、自分が抱いていた『猛虎緑湖拳』と言う銀河系最強の拳法神話崩壊を認めたくないと言う思いが、闘いを放棄し逃げだしたモビーを見逃すことを許さなかった

全力で砂浜を走るモビーの後姿を、ガイブも全力で追った


体力の続く限り全力で走って、この場から逃げ切る事を狙ったと思われたモビーだったが、意外と早く走るのをやめた

当り前のように、ガイブにすぐに追いつかれてしまった
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「闘いを投げ出し逃げだすのも早かったが 逃げ切る事を諦めるのも早かったな!」

鎧将ギ・ガイブは、モビーの情けなさに怒りすら覚えていた

しかし、逃げ出したモビーに闘いを放棄し諦めた所は 微塵も感じる事が出来なかった

                   宇宙刑事レイカースFUN

「何言ってるんだか? 鎧将様は・・・ オイラ闘いを放棄した記憶は全然ないんだけど

                            それどころか、勝つ気満々なんですけど」

モビーの負け惜しみにガイブは、呆れたしまった

「この期に及んで、負け惜しみもたいがいにせい! 見苦しい!!」

どんな時でも冷静沈着 ダーク・ロア軍団一の軍師の鎧将ギ・ガイブだったが、色々な事が有り過ぎ

この時、人生で初めて闘いの場で冷静さを欠いていたのかもしれない

そのこと自体が、モビーの作戦だったのかもしれない 

モビーのやった事は、ガイブを ひたすら『おちょくり』続けただけのようだったが


今回のミッション『格闘聖書・バイオレンス』においてモビーは、敵の裏の裏の裏を掻く作戦を盛り込んで行った

しかし、これも相手の事を『おちょくる』と言う事なのかも知れない

ただ言える事は、この時ガイブは武道者に有るまじき失態 目の前で対峙している闘いの相手であるモビーの事をナメ切っていた

「嘘でも負け惜しみでもないよ

 証拠に、良い事を教えてあげるよ 『冥土のみやげ』って奴だ

 あんたの大切なピカピカ怪獣ロボットを倒したロボットを操縦してた宇宙刑事の名前

 『宇宙刑事レイカース』ってんだ」

「レイカース!?

 確か、猛虎緑湖拳の伝承者正統は代々『レイカース』の名前を継承すると聞いたことが有る

 まさか!!」

「当ったり~!

 あんたが、はるばるマゼラン星雲から 探し求めてやってきた 訪ね人がすぐそばにいるんだよ」

その瞬間、鎧将ギ・ガイブの注意力が一瞬では有ったが『ナメ切った目の前の敵』から闘いを熱望してきた『猛虎緑湖拳伝承者正統』に移った事をモビーは見逃さなかった

モビーは、目にも止まらないスピードでジャンプをするとガイブの後ろに回り込み 抱きつくように『裸絞め』を決めた

                宇宙刑事レイカースFUN

「何の真似だ!? 締め技などで、この私は倒せんぞ!!」

モビーは一瞬、氷のように冷たい笑顔を浮かべると小さな声で

「さようなら『鎧将 義・鎧武』様』

と言った

「無駄だと言っているだろう! こんな技で私は・・・」

ガイブの言葉を遮るようにモビーは大声で叫んだ

                 宇宙刑事レイカースFUN
「やっぱ、無理だわ!!

 こんなに強い相手には

         勝てっこないや!!

  やーめた!! 逃ーげよっと!!」

「何を言って・・・」

その瞬間、激しい轟音と閃光が自分達に向かっていることにガイブは気が付いた

だが、自分に何が起ころうとしているのかは解らなかった

    ズガーンッ!!

  宇宙刑事レイカースFUN
ただ わかった事は、モビーが鬼のような速さでその場から逃げていた事だった

(さすがだ、やはり貴様の逃げ足は宇宙一 ・・・・ )


皆さんは、覚えていられるだろうか

鬼岩島に向かう上空で、こんな会話が有ったことを


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それは『フロッグポッドMG05』改め『カエルちゃん号』の操縦席での事だった

「ああ 俺でも、こんなに待ちに待っていたんだから

 島に囚われた子達は、どれだけ助けを待っているか

 それを考えたら、一分一秒でも早く助けに行ってあげたいよね」

「そーですよね オイラも同感ですわ

 オイラのプログラムの2大理念は『親分の命令への絶対服従』と『作戦の絶対遂行』なんで

 何でも、言ってくだせい!!」

カエルちゃん号の、頼もしい言葉を聞けて嬉しかったモビーだが 正直、気にかかっていることが有った

「親分 何か心配事ッすか?」

               宇宙刑事レイカースFUN
「いやあ・・・ 

 カエルちゃんには、お見通しか

 俺、ジェットコースター系ダメなんだよ

 ビッグサンダーマウンテンはおろか、豊島園のサイクロンだって乗れないんだぜ・・・

 高度7,000メートルから自然落下なんか無理無理!

 やっぱ、やめて逃げちゃおうかな・・・ 今なら、まだ間に合うもんな」

正直、今回の作戦の その部分だけは、絶対にやりたくなかった

でも、作戦上必然性は有るので、やらなくてはならないことは理解していたので最後に冗談半分の愚痴を言ってみただけだった

しかし、相手は高性能のコンピューターを搭載しているとはいえ機械のカエルである 

                宇宙刑事レイカースFUN
「親分! 勘弁して下さいよ!! 

 オイラ、親分の希望を叶えるのが仕事ですが、作戦を成功させるのも重要な任務なんすヨ

 親分に、そんな事言われたら・・・言われたら・・・」

「うそ うそ、冗談だよ 安心して、ちゃんとやるから!

 喜んで、飛び降りますから! 高度7,000メートルからでも」

「本当ですか・・・? 本当かなぁ?」

人間として、コンピューターに疑われるというのは 結構、キツイ物が有った

「信じて! 嘘じゃないから!」

「・・・・」

カエルちゃん号は、モビーの言葉を全く信じていないようだった

追いつめられたモビーは、いつものように口からの出まかせを言ってしまった

「よし、わかった!!

 もし、俺が少しでも逃げる素振りしたら 後ろから光子砲で俺のこと撃っても良いよ!

 これなら、信じられるだろう?」

その時だった、『カエルちゃん号』の口調が、突然『フロッグポッドMG05』の口調に変わった

                宇宙刑事レイカースFUN

「ラージャー

 マスター ノ オーダー アップデート シマシタ」

  「へっ!?」       宇宙刑事レイカースFUN
モビーは、我が耳を疑った

「カエルちゃん・・・どう言うこと・・・・・???」

すると 『フロッグポッドMG05』は、『カエルちゃん号』に戻った

「安心してくだっせい! 親分の命令は絶対ッスから!」

モビーは、ことの重大性を一瞬で理解した

                宇宙刑事レイカースFUN
「うそっ! 冗談だから!! 今の命令、取り消して!!」

しかし、『カエルちゃん号』から帰って来た返事は悲しい物だった

「無理っす・・・ 一度、入力された命令は 作戦終了まで取り消すことは出来ません」

   「マジかよ・・・」    宇宙刑事レイカースFUN

身から出たサビとは言え、モビーは最悪の事態に追い込まれてしまったのだった



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   宇宙刑事レイカースFUN
フロッグポッドMG05のモビーへの優しさで、もしモビーが闘いを放棄して逃げ出したとしても苦しまず一瞬で天国に行かれるように 光子砲は対艦モードの最高出力に設定され 更に、対人間サイズに圧縮して発射するようになっていたので さすがのロアメタルの装甲も、ひとたまりもなかった

 

照準は、いつモビーが逃げ出しても良いように常にモビーの心臓に合わされていた

もし、鎧将ギ・ガイブに照準が合わされていたら ガイブも、殺気や照準器のセンサーに気付いたであろうし

発射のチャンスになってから照準を合わせていたら、その間にかわす事も出来たであろう

ガイブにとって、まさに予想だにしなかった攻撃だった


宇宙最強の軍団『ダーク・ロア機甲軍』の副将にしてダーク・ロア最強の剣の使い手『剣豪』の鎧将ギ・ガイブが、銀河系の辺境の星の小さな島で 長き闘いの歴史に幕を下ろした

それは、宇宙規模の大事件であった

しかも、モビーの『苦しまぎれの口から出まかせの冗談』と『逃げ足』の前に・・・

だが、事の重大さをモビーは知らなかった

「マジ、危なかった」  宇宙刑事レイカースFUN 「やべー やべー」





〔あとがき〕


宇宙刑事レイカース3 無限融合(アトミックショク) 今回で第60話となりました

これって、今までで一番長かった宇宙刑事レイカース4(華麗衝撃)とタイ記録ですガーン

と言う事は、サイドストーリーの宇宙刑事レイカース3 無限融合(アトミックショク)が一番長くなってしまいました叫び


モビーとガイブの海での闘いのシーンは、本ストーリーの山場なので、合成写真とイラストいっぱい作ってしまいました(笑)

仕事から帰って来ると、寝るまでの間 毎日熱中してやってました 楽しかったです

その間、コメントやメッセージの御返事やあしペタあしあまり出来ずゴメンナサイでした得意げ


ガイブとの決着方法は、最初から決めていたので 今回使った話し以外にも、ずっと伏線を張り続けていました

途中で、気付かれちゃった方もいらっしゃいましたかね?にひひ


今回使った、お話しをもっと詳しく知りたい方は↓を、御覧下さい





2012年09月24日更新 『モビーの中国での修行の回」

            ↓
宇宙刑事レイカース3 無限融合(アトミックショック) 第24話




2013年05月17日更新 『モビーとフロッグポットの会話の回」

            ↓

宇宙刑事レイカース3 無限融合(アトミックショック) 第46話