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まるで、わんちん様のお散歩時間に合わせるかのように、雨が上がった夕方の公園で一枚。


一心不乱に草を食むわんちん様。あんまり食べ過ぎないで下さいな。オエッとなりますよ。
ここは近所の公園です。ほんの少し前まで雨がザーザーぶりだったので誰も居らず、わんちん様と私の貸切状態です。普段のこの時間は、お子さん達がサッカーをしたり野球をしたり賑やかです。ごくごく普通の住宅街の公園です。
かつて、わんちん様は、私の実家の犬でした。高齢の父が、突然、何の相談もなしに、母をペットショップに連れて行き、その場で柴の子犬を購入。アホな老夫婦。その父は、子犬購入後、約1ヶ月後位に心筋梗塞で倒れ、その後2年たたぬうちに亡くなりました。
柴犬を実家で飼うという連絡を、電話で母から受けた時、私は非常に怒りを感じました。なんと無責任な。あなた方より犬の方が長生きするよ。そちらさん、70歳も後半になるのに、力強い柴犬の散歩なんぞ、毎日できないよと。んで、何ならご自分達の方が先に旅立たれますよと。そのように強く言いましたが、子犬は実家にやって来ました。さて、案の定、病気を抱えた父は長生き出来ず、母が犬のお世話をすることに。私も父が倒れてからは、毎週土曜と日曜の2日間、その他も行ける時はなるべく時間を作り、平日の朝の出勤前や仕事帰りにも犬の散歩をしに実家へ行って居りました。私の夫も嫌な顔一つせず、交代で散歩に行ってくれました。この人と結婚して正解(こんな時だけ)

犬は可愛らしく、賢く、私は、この素晴らしい犬が大好きだったため、自宅から実家に30分かけてお散歩するために通う事も、それほど苦には思いませんでした。母も犬をそれなりに可愛がりましたが、もともとそれほど犬好きなわけでもなく、あまりかまってやらなかったためか、犬はしょっちゅう問題行動を起こしておりました。木製の頑丈な犬小屋を日々噛み続け大規模に破壊したり、ゴミを拾い食いしたり、糞食したり…そんな日々が2年間ほど続き、とある祝日の朝7時前、母が泣きながら電話をかけてきました。その日、母は体調が悪く、散歩が出来ないという内容の電話でした。毎日毎日、犬の散歩が大変で疲れたとヒステリックな口調の電話でした。たまには朝寝坊して体を休めようなどとノンキに寝ていた休日の早朝に、母の泣き声電話で叩き起こされた私は、飛び起きて自転車を実家に走らせ、早々に犬の散歩を済ませ、母を病院に連れて行き、一晩実家に泊まり、翌日「今日からお母さんの体調が良くなるまで一時的に犬を預かる」と母に告げ、そして二度と犬を実家に返すことはしませんでした。今にして思えば、突如、この日を境にして、私も夫も犬も、そして母も新しい人生が始まったのです。
実家に泊まった翌朝、一緒の部屋で寝ていた犬が、暗がりで何かを噛んでいる音で目が覚めました。ハッとして見ると、犬はG用の毒が仕込まれているプラスチック製の丸い入れ物を口に咥えていました。ギョッとした私は、犬の口に指を突っ込み、無理やりソレを取り上げようとしましたが、離すまいとした犬がそのまま深く噛んだため、犬歯が私の指にガッツリ食い込み、思わず手を引きました。犬も私の様子にアッという顔をして、ブツをそっと口から落としました。完全に「自分が悪い事をした」と思っている表情の犬。すかさず落ちた物を取り上げ、ジンジンと痛む指から滴る血をティッシュで押さえながら私は確信しました。これ以上、母にこの犬のお世話をさせてはいけない。この犬はここに居るべきではない。

夫を亡くして間もない母に、一時的に預かるなどと言って、まるで騙すようにして連れて来た犬。実姉にも電話で酷くなじられました。母が1人暮らしで寂しがっていてかわいそうだから、犬を返しなさい。犬は、母がお金をだして買ったのだから、母のものだと。まあ、遠く離れた場所から母を思う長女のあなた様としては、ごもっともなご意見でしょうな。末っ子の私、大抵の事は、年長者の言うとおりにしておりますが、こればかりは、例え縁を切られても譲れないと思いました。犬はモノではありません。慰み物でもありません。このままではとんでもないことになる。人を噛む犬になり殺処分されるかもしれないし、言う事を聞かなくて悪い物を拾い食いして死ぬかもしれない。母だって、お散歩中に強く引っ張られて転んで寝たきりになるかもしれないし、もう、既に散歩に疲れて持て余しているではないか。
私が一緒に暮らそう。一生を共にしよう。犬に深く噛まれた時、私にその決意があるのかどうか、神様に試されたのかもしれません。いや、むしろ促されたと言うべきか。痛みの中で急に思い至った決心。人生の転機はこんな風に突然やって来るものなのかもしれません。
今年でわんちん様は、6歳になりました。一緒に暮らしはじめて4年ほど経ちましたが、この公園にわんちん様と散歩に来るたび、共にいる喜びを心から感じます。いつかは、この世ではお別れするわんちん様ですが、こうしてこの何気ない近所の公園でお散歩した思い出は永遠なのですよ。そんなことを思う雨上がりの夕空。

私が、お写真を撮影しているのを良い事に、「今だ!」とばかりに草を食べようとなさるわんちん様。お外のものを召しあがるのは、あまりお薦め出来ませんな。そろそろお止めください。