火の鳥 講談社  | 手帳~思い出~

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火の鳥(1) (手塚治虫漫画全集 (201))/手塚 治虫
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小学生以来?、、「火の鳥」を読みました。

読むにあたって角川版よりも講談社版のほうがいいということで講談社版です。


火の鳥は手塚治虫のライフワークとして名高い作品で、

またライフワークだからこそ?ダヴィンチのモナリザのように、未完の作品でもあります。

火の鳥は未完ですが、基本的な概論は輪廻転生の生命観と

最小の微粒子の中に宇宙が内包されてつながっているという世界観

(こういうのをフラクタル宇宙観というらしい)

として冒頭の黎明編、未来編で描かれています。


この輪廻とかフラクタル構造というのは、

宇宙の外はどうなっている、その外は、その外は?

世界を構成するもっとも微小な構造はなんなのか?

あるいは死後の世界はどうなっているのか?

という絶えない疑問に対して確かめられないが納得できる答えを用意してくれるので、

昔は信じていたものですよ^^


その後の各編では歴史上の出来事や未来の出来事が描かれています。

(そして現代編で完結するという予定だった)

各編でなにが一番好きかといえば、

クローン技術を題材した近未来の作品である生命編です。


青居というプロデューサーが視聴率をとるためにクローン人間をつくろうとして、

自分のクローンが作られてしまうという話です。

比較的短い簡潔な話なんですが、

最後に医者から彼は本物なのか、クローンなのかと尋ねられた時

ジュネ(義娘)の「とうさんは人間よ!それでいいじゃない!」という言葉がとても心に響いた。



火の鳥全体を通して、人間の欲深さや、業の深さによる罰(運命)が火の鳥から与えられます。

たしかに人間は業の深い罪深いいきものかもしれない。

科学技術によって神をもおそれない傲慢さを得つつあるかもしれない。

そして宇宙の中で人間なんてちっぽけな存在であり、運命から逃れられない弱い存在かもしれないけれど、

でもやはり僕は火の鳥のような超常物による運命というものよりも

人間に共感できるし、人間の可能性を信じたいと思うのだが。