この画像は戦前、青森県下北郡川内町(現・むつ市川内地区)にあった阿部城鉱山の様子を写した絵葉書です。装飾的な台紙に収められた鉱山風景からは、当時この地が一時代を築いた産業の現場であったことが伝わってきます。
写真には、坑道の掘削や鉱石の運搬、精錬作業に従事する人々の姿が写され、煙の立ちのぼる作業場や山肌を大きく切り開いた採掘現場は、鉱山が地域の中心的存在であったことを物語っています。現在の静かな山の風景からは想像しにくい光景です。
阿部城鉱山が最盛期を迎えていた頃、この一帯は多くの労働者とその家族でにぎわい、鉱山集落には商店や娯楽施設が立ち並び、映画館まであったと伝えられています。下北の山中にありながら、文化や娯楽も備えた“町”が形成されていたことは、戦前の鉱山が持つ活力の大きさを感じさせます。
この絵葉書は、単なる作業風景の記録ではなく、阿部城鉱山を中心に人々の生活と文化が息づいていた時代を今に伝える、貴重な歴史資料といえるでしょう。














