雨が降っていた
わたしは大通りの歩道を歩いていた
向こうから近くの高校の制服を着た男の子と
その横に母親が歩いてくる
母親が女物折りたたみ傘をさして
傘の中に息子をいれようとすると
息子は横にはずれる
それに見かねた母親が息子に傘を渡す
息子は傘をさして歩き
そのなかに母親が入ろうとする
すると息子は母親に傘を渡す
母親は一人で傘をさして歩く
母親は笑って息子をみている
息子は仏頂面で前をみている
母親と同じ傘にはいりたくない
わたしにもそういうときがあった
あと何年か経って
雨が降っていると
成長した息子は傘を持ち
母親に寄り添い
一緒に傘にはいるだろう








