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壁と糸

一話 知る兄と知らない妹

ここは日照(ひでり)高校。偏差値52とごく普通の高校である。

その高校に通う一年生女子の一人、私の名前は秋宮 優乃(あきみや ゆうの)。私は…

その高校に通う一年生男子の一人、俺の名前は里原 優翔(さとはら ゆうと)。俺は…

優乃(密かに優翔君に想いを寄せています…!)

優翔(優乃の双子の兄である…!)

双子であるが、容姿や性格、能力は異なる二人である。

まず、妹の優乃は、成績優秀、容姿は完璧、清楚で大人しい生徒である。男子からの人気が恐ろしくあるが、本人は未だ自覚がない様子。

次に、兄の優翔は、成績普通、容姿も半端。ほんとに普通な生徒である。優乃が優翔を好きになった理由は、優乃ですら納得いかない様子。

優翔(俺の情報網はそこそこいいから知ってるんだけどよ…、優…いや、秋宮は俺のことが好きなんだろ?兄貴を妹が好きになるのは恋愛という言葉を除けば、おかしいことではないと思う。秋宮とはもう中二からの付き合い。だけど、まだ兄弟だということは明かせてないままである。)

優翔と優乃の家庭事情、それは両親の離婚である。妹が何故事情を知らないかも、このことを聞けば、わかるはずだ。


それは、俺たちが一歳のころの話。この時、親父の浮気がばれたらしく、そのまま離婚。妹は母親が。しかし俺は父親のもとへと行かされたらしい。俺もこんな浮気親父の息子なんてまっぴらだ。

父親は、俺が小学三年の頃、全てを俺に話したが、母親は秋宮にこのことを話していないらしいので、知らないままなのである。

父親はそのまま二年後に結婚し、俺が中学の入学と同時に病で他界した。あんな親父は死んで当然だった。いまは浮気親父の嫁、つまり義母も、親父にだまされてたんだ。浮気に気付く前に親父が死ぬとは、義母も運がよいのか悪いのか…。

そして義母には元から俺より二つ上の娘がいた。その娘、つまり義姉の名前は越前 愛(えちぜん あい)。今は里原 愛である。俺と同じ高校に通っている…。

とりあえず、これを理由に、妹は真相を知らないままなのである。


優乃(里原君…話しかけてくれないかな…。私からいくなんて恥ずかしくてできない…!でも冬ちゃんははよいけって言ってくる上に、里原君の良さをわかってくれない…。)

私が里原君を好きになったきっかけ。それは、中学二年の球技大会の時のはなし。私たちは1組だった。でも、運動神経のいいメンバーが集まった5組がいつも優勝するとわかっているので、みんなやる気が出ないのでした…。そんな時、里原君は、

優翔「おい何で練習しないんだよ…。また5組のことビビってるのか?」

その発言にクラスの男子の坂鳥 瑛人(さかどり えいと)君は反論しました。

瑛人「やったって負けるしだるいだけだわ。現実みろって。」

優翔「おまえ…1組の女子がどんどん5組にとられてくんだぞ!?悔しくないのか!?」

瑛人「かえらんねーならやる意味…」

その時こっそり里原君は耳元であることをささやいたのでした。

優翔 ヒソッ(薫にいいとこ見せてやれって)

つかみ方がうまい!情報網があるからこそできること!

瑛人「!!!少しだけだぞ…!」

そして、練習しながら、里原君はとことん坂鳥君のことを褒めていました。

里原「おまえが練習しねえ理由わかった!上手いからする必要がねえと思ってたんだな!くそーっ!」

坂鳥君は少し人のことをバカにするのが好きだとわかっていたので、悔しそうに褒める里原君でした。もちろん、坂鳥君は、

瑛人「へ、へっへー!みてろ、ほら、シュート!」

優翔「くそーっ!むかつくなーっ!」

瑛人(やべぇ、今、すげぇ楽しい!)

そして坂鳥君は練習に毎日参加します。彼らの練習が気になっていたクラスの男子たちはどんどん練習の仲間に加わっていきます。里原君はクラスを虜にしてしまったのです!

しかし、当日、5組以外全勝しましたが、5組は惜敗。3-4と、惜しい試合になってしまいました。けれど、クラスのみんなは、

A「楽しかったなー!またやりてぇー!」

瑛人「だよなーっ!次回が待ち遠しいぜ!」

優翔「みんなありがとな!またよろしくな!」

里原君は、クラスの縁をさらに、深め、みんなを仲良しにしてくれました!そしてなんと!

薫「かっこよかったじゃん瑛人。」

瑛人「さっ、サンキュー…。」

薫「あんたちょっと見直したわ。今度もっと話そうよ。」

そして二人はついに、恋人になったのでした!たった一言から、里原君は革命をおこしたのでした!


こんな力が里原君にはあり、そんな里原君が私は大好きです!

もっと仲良くなりたいんだけどなぁ…



二話へ続く