10月に入り 暑い日が続いたが 中旬を過ぎ一気に寒くなった。
秋の心地よさを感じたのは ほんの数日で あっという間に寒くなった。
山の上にある犬のシャルターだが 風が吹かないときは街中と同じくらい暑くなる。
夏の間 夏ばてで食欲がなかった犬達も食欲が出てきた。
夏ばての犬達が食事を食べないとき 美味しい缶詰やふりかけなど
臭いの強いものを与えたり 試行錯誤で少しでも食べさせるようにした。
なので 食事も時間が掛かっていたが みんな食べるようになり その手間も省けた。
夏の終わりから カメムシが大量に発生した。
尋常じゃない数だ。
シャルターにある簡易トイレの壁には 推定数百匹のカメムシがたかり
トイレに入るたびに カメムシが一斉に飛び 異様な光景だった。
7月 8月 9月のはじめまで ボランティアさんたちも たくさん来てくれたが
9月の中旬から ぱったりと来なくなり カメムシとの戦いは 私と地元の常駐スタッフ
のHさんと行っていた。
カメムシ退治用の即効性で効果のある薬がなく 下手に刺激すると 臭い液を発射するので
慎重かつ的確に仕留めなければならない。
ハエタタキで一匹ずつ救い上げ 外に出す。
天井を這うカメムシには空のペットボトルで捕獲する。
宿舎に帰るとなぜか カメムシが居る。
きっと 服に付いて 宿舎まで来たのだろう。
カメムシとの戦いで私もスタッフのHさんも かなりナーバスになっていた。
ある日ラジオで市内全域で カメムシが異常発生していると言っていた。
それと カメムシが大量発生するときは 雪が多くなるとも話していたが
特に気に留めなかった。
10月の終わりに 初雪が降った。
例年より早いと スタッフのHさんが話していた。
雪国初体験の私は 少し楽しみな冬でもあり呑気に浮かれていた。
これが冬の始まりで まさかこの冬に厳しいサバイバルが待ったいるとは
夢にも思わなかった。
つづく
今までの記事を整理して 冬の章に入りたいと思います。
しばらく更新は途絶えますが お待ちいただけるとありがたいです。
夏の暑さのピークを無事超えることができたが
すぐそこに冬が迫ってきている。
冬の寒さに対して いろいろな人からアドバイスを貰った。
動物達が病気になったとき お世話になっている病院が2箇所あり
メインとサブのような状態で利用させてもらっている。
両方ともボランティア価格で診察してくれる理解のある病院。
それでも 医療費は高いけど。
その メインの病院の医院長夫人も被災動物のボランティアほしている方で
いろいろアドバイスや支援をしてくれる。
冬を越すためには 過剰なまでの 冬支度が必要で
冬を越す頃に 2,3頭亡くなるのは覚悟した方が良いといわれた。
そのために必要な物は 毛布と携帯カイロ。
特に猫たちは寒さに弱いので注意が必要。
それを踏まえ 何か欲しい物があれば 何でも言ってくれと 心強い言葉もいただいた。
猫達に必要なのが 猫かまくらと携帯カイロ。
犬猫共通で 毛布が必要だった。
猫舎には 冷暖房設備と 電気は通っているが お湯を沸かすガスがないので
湯たんぽが使えなく 携帯カイロにした。
医院長夫人曰く 携帯カイロや毛布は いくらあっても足りないから 無くなったらいつでも
声をかけるように言われた。
次に実際の寒さ対策を考える。
まずは犬達。
ホームセンターで プラスチックの板をたくさん買い ケージ一台一台に 左右、後ろ、天井を覆い
風除けにする。
それと ケージ内に「すのこ」をひき その上に毛布を置く。
毛布を置くと いたずらして噛み千切り 食べてしまう犬が居るので その犬達には与えない。
すのこもおもちゃにして ガジガジにかじり ぼろぼろにして 食べてしまう犬も居るので
その子達には すのこもひけなかった。
大型犬舎は コンクリート敷きで底冷えするので 犬小屋を置くことにした。
大型犬舎は5部屋ある。
実際使っているのは 3部屋で 秋田犬、はな子 セーラー親子、ゲンキが使っている。
残りは 物資倉庫と病気の犬の介護部屋にしていた。
秋田犬は寒さに強く 毛布も嫌いでおもちゃにするので 底冷え防止に 断熱材入り特性ベットを作り
与えた。
ゲンキには 犬小屋を置き 犬小屋に毛布を入れたが 毛布をおもちゃにしてしまい
対策を検討することにした。
はな子とセーラー親子には 犬小屋を2台居れ 毛布も入れたが これまた毛布をおもちゃにする。
これも 再検討にした。
ケージ部屋の窓ガラスには 梱包剤の「プチプチ」を張り 冷気を抑える事にした。
ケージ部屋には エアコンも2台あり 使うことにした。
次に猫舎。
ケージ内で生活している猫達には ケージをプラスチックの板で覆い 毛布を掛ける。
部屋の中で自由に生活している猫には 床にダンボールを敷き あちこちに 猫かまくらを置き
その他毛布や 敷物を敷き その中に 携帯カイロを入れた。
エアコンは18度に設定し 付けっぱなしにする。
これで 冬を越せると確信した。
春が来るまで 一頭も死なせたくない思いで 出来る限りの最善の策を練った。
つづく
夕方 犬達を散歩させ室内のケージに居れる。
シェルター立ち上げ当初は ケージに入れられた犬達は 遊び足りないようで
鳴きだす犬も多かった。
数ヶ月経って ケージに入れられた犬達は ケージに入ったら騒いでも仕方ないと悟り
大人しく寝るようになった。
夜中は暇なようで ケージから出たがる犬が居て ケージのかんぬきを口で器用に開け
室内脱走する犬がいる。
その 常習犯が ボス マメちゃん タイヨウ この3頭。
朝 ケージ部屋の扉を開けると尻尾振って寄ってくる。
「また脱走したのか」と犬に声をかけると 嬉しそうに尻尾を振っている。
ある日珍しくバロンが室内脱走した事があった。
バロンも家族でシャルターに来ていて 嫁がポピーで娘がキャンディー。
キャンディーはバロンに会うと威嚇する。
まるで思春期の娘が父親に対して敵対しているような感じだ。
ポピーとは仲良しで 嬉しそうに鼻をつけ合わせ挨拶をする。
バロン ポピー キャンディーは震災前は狩猟犬で
飼い主さんと ウサギを追い狩をしていた。
バロンは16歳だが現役でウサギを追っていたようだ。
キャンディーは いつも「ゴフゴフ」と鼻を鳴らしながら歩くので
ウサギにも気づかれ 狩猟には向いていないと飼い主さんが話していた。
いつものようにケージ部屋のドアを開け 犬達をチャックしていると
バロンのケージが空でバロンの姿が見えない。
部屋から出る事は出来ないはずなのに。
もう一度部屋を見渡すと バロンが居た。
なんと ポピーとキャンディーが入っているケージの上で横になっていた。
私と目が会うと 嬉しそうに尻尾を振っている。
ケージから脱走し 嫁と娘のケージの上で寝ているとは 微笑ましい風景だが
喜んでいられなかった。
ケージ部屋に下痢の排泄物があった。
ケージから脱走したバロンはいろんな犬に威嚇されたり バロンも威嚇したりして
緊張し いつもなら落ち着いて静かに眠っているに 興奮と緊張で お腹を壊したのだろう。
それから数日間 バロンは元気がなかった。
バロンは高齢なので一度体調を崩しと なかなか治らない。
バロンは人間が大好きで かまってもらうことが大好き。
満面の笑顔で尻尾を振り 身体をくねくねさせながら 遊んでほしそうにしている。
バロンを擦ると グーと気持ち良さそうな声を出し 満足そうにする。
バロンと目が会うと その笑顔で見つめられるので 素通りできない。
そんなバロンが お腹を壊し 日中は丸まって寝ていることが多い。
明らかに元気がなく 心配になった。
下痢の犬には まず 一日絶食させ 身体をリセットさせる。
それでも 下痢が治まらないときは 整腸薬、下痢止め、下痢止めプラス抗生物質の順で
薬をステップアップさせて飲ませる。
一番気をつけることは 脱水症状。
脱水症状が酷くなると点滴をしなければならない。
バロンは脱水症状も軽く 整腸薬を飲ませて便が硬くなりだしたので
しばらく整腸薬を飲ませる治療で下痢は治った。
犬は環境の変化で体調を崩すので ケージからの脱走も注意しなければならない。
ケージのかんぬきの閉め忘れがないように注意し かんぬきを開けてしまう犬には
別にロックをして 扉が開かないようにした。
暑い夏も過ぎようとしている。
寒くなる前に 冬支度の計画を立て進めることにした。
つづく
