会社などのミーティングではどんなことが話題になるでしょうか?



会社の規模や業種などによって内容は異なるとは思いますが、前のミーティングから今日までの期間で起きたことについて、「問題点を洗い出す」作業が多くないでしょうか?



確かに業務を進めていると、必ずしも想定通りに事が運ばないことがあり、というよりむしろそれが当たり前であって、そうなったときの対応をどうしたか、それでよかったのか、本当はどうすればよかったのか、今後はどうすべきか、などのどちらかと言えば後ろ向きな情報が多いのではないでしょうか。



トラブル報告や、ヒヤリハット事案を共有して仲間に注意喚起することはもちろん大切です。

でもうまくいったことがたくさんあったからこそ、ここまで来たのではないか?

それを共有し、皆が財産として保有することは、明日以降の業務にプラスになることが多く、そういう成功体験こそを積極的に分かち合うべきではないか?

そんな疑問が生じませんか?



我々日本人は謙虚ですから、どんなにうまくいっていてもどこかでひょっとして失敗はなかったか、などと「反省」をしたがる癖があります。

うまくいったことを素直に万歳して、うっかり小さいけれど大事なミスを見逃すよりは、謙虚に「反省」した方が安心ですし、自分というものをより「等身大」に見ているとも言えます。



ただその一方で、成功体験を「等身大」に評価していると言えるでしょうか?

ある場面ではこれこれこういう風に対応し、それに応じて方針を転換して次の場面ではこれこれこういう風に対応したからうまくいった、という客観的分析をきちんとしていないと、実は同種の事案にぶつかったときにマイナスの出来事には対応できてもプラスの出来事=成功体験=には対応できないという弱点を背負ってしまいます。

そうならないために、うまくいったときはどこがよかったのか、今後に向けての行動基準となり得る点はどこか、を具体的に検証しておくことは大切です。



そしてそういう事例を蓄積することが、個々人の勤労意欲を高めますし、チームとして活動している場合には連帯を強化することにもつながります。その結果個々人の自己肯定感も高まり、更に業務効率が上がるという好循環を生むことにもつながります。



欧米人のように自分の成功をあからさまに自慢する必要はないのかも知れませんが、少なくとも成功を成功として正当に評価しておくことは、その時点での「自分」を客観的に知っておき、その後の指針を立てるのに大切な基準となりますから、会社組織などで成功体験を共有する場合には是非ミーティングなどで積極的に取り上げ、プラス材料として蓄積しておくことをおすすめします。