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問3
「ウォール街を占拠せよ」という運動について調べた上で、なぜこのような運動が発生したのか、この本で指摘されていることがらと関連付けながら、800字程度であなたの見解を述べなさい。
We are the 99%とは、「ウォール街を占領せよ」の参加者たちのスローガンであり、1970年代から、アメリカにおいて上位1%の富裕層が所有する資産が増加し続けている状況を表している。2011年9月17日より発生したこの抗議活動は、後に全世界へ飛び火することになる。
2008年9月にリーマン・ショックが発生して以来、アメリカは勿論、世界中が不景気に喘いできた。それに対し有効な対策を打てない政府への不満が、このデモ呼びかけに賛同させたとされる。主な抗議内容は、政府による金融機関救済、富裕層への優遇措置、高頻度取引の規制、高い失業率や年金問題の改善要求などである。
当時、アメリカでは富裕層による政治献金で、自分達に都合のいいように政策を金で買う行為が横行していた。それに伴い、上位1%に当てはまる富裕層の収入は、1980年には全体の9.1%を稼いでいたのに対し、2006年にその比率は18.8%まで増加している(米議会予算局のデータ)。リーマン・ショック以前から蔓延っていた政治家と富裕層の金による癒着で国民の納めた税金は無駄なイヤマークに流れていた。政治家は金への執着を見せ、富裕層は所得税率の緩和や累進課税の税率ダウンに勤しんでいたのであろう。いつしか、最も裕福な1%が合衆国の全ての資産の34.6%を所有するようになり、貧富の早に拍車がかかっていった。全ては政治家の懐に入る金のために国民が犠牲になり、いくら待っても失業率に歯止めが掛からないという構図が完成した。そんな中発生したリーマンショックで人々の不満はピークに達し、あの大規模なデモを招いたのではないかと私は考えた。
このデモによる逮捕者は数百にんを越える。しかし一番の被害者が国民であるということを政府は理解しているのだろうか。私はこの問題を考えた上で、今一度アメリカの腐敗した政界に蔓延する金権体質を粛清すべきであると感じた。