たとえば 世界は 2つあって ひとつは 風の中に あるとするなら 会えなくなった 会いたい人に どうか言葉を伝えて 風の電話
受話器の向こう 探してみる 忘れる 隙間もない 愛おしい声 涙で言葉 途切れ途切れ それでも聞こえてるなら 返事をして
どこなの そこにいるの? 聞こえてるの?
寂しいよ
声 聞きたいよ
話 したいよ
抱きしめたいよ ただいまっていつもように 帰ってきてよ
風が止まった 静寂(しじま)の中 泣いてばかりじゃダメだと 怒ってるかな
最後の会話は あっけなくて 忙しなく 目も合わさず ただの相槌
もし さよならだって わかってたなら しがみついてでも絶対 離さなかった
ねえ ずっと 謝りたいと 悔やんでるの 無愛想で 可愛げのない 態度でごめんね
怒ってごめんね もっと優しくできてたら
もう 遅いよね
茜の空に 流れる雲 海から吹いた風がそっと 頭を撫でた
それでも 前を向いていくと 決めたんだ どんな時も 心配してくれる 仲間がいること
友達がいること
あなたがいることに 気づいたから
風が笑った
たとえば 世界は2つあって
ひとつは 風の中にあるとするなら もう 泣かないよって言いに来たの
あなたのいない世界を 生きるために
あなたのいない世界を 生きるために 愛せるように
会いたくなったら 風に 話しかけるよ
