2005年10月

 

この年の春ごろから胃の調子が悪いと言って、病院に行きました。

「大事は起きていませんよ」とガスターを処方され・・身体は落ち着いて

いつも通りに過ごせました。

 

10月、同じ病院に行き不調を伝え、たまたまその日の担当医H先生は胃カメラを行いました。

翌週結果を聞きにH先生の居る水曜日に病院に。

夫から電話で「オレ胃癌で全摘するらしく、これから他の検査を受けて帰るから」と

要件だけ言われ「そうなの」としか言えなかった。

小学生の子供達の帰りを待てず、お隣さんに子供をお願いして、自転車で病院に向かいました。診察が終了して閑散とした総合病院の外科待合室に肩を落とした夫が座っていました。

「お父さん、、」声を掛けると「来たのか」といつもと変わらない夫の様子にさっきまで焦っていたワタシは落ち着いて病状を聞いた。しかし胃癌で全摘する以外は夫本人も聞いていなかった。※1999年ワタシの父親が胃癌で全摘し半年で亡くなった経験がありました。

 

素人の私達には治療方法は分かりません、今より情報が簡単ではなかったような気がします。翌週、予約なしでかなり待ちましたがH先生を訪ねました。

H先生にお世話になると決めた夫は物静かにしていて・・・微妙な空気になり・・・

「ワタシの夫を殺す気ですか?」ワタシの心の声を言葉にしてしまいました。どうして言ってしまったのか・・・後戻りも出来ず続けて「全摘して元気な人をワタシは知りません、以前、大したことは起きていませんとS先生はおっしゃって見落としか誤診ですよね!」詳しい説明を聞くつもりがケンカを売ってしまいました。

ずっと黙っていたH先生は人差し指を口に当てて「シ~っ、、他の患者さんが来なくなると困っちゃうな~・・・この奥さんの治療をしましょう。胃カメラで四か所細胞をパンチして二か所からがん細胞がでました。胃の入口に癌があり全摘をしないと再発の可能性が高くまた手術をすることになります。僕は全摘がベストと判断します。全摘して元気な方はたくさん診察に来ます。僕は旦那さんを治すつもりです。Kさん(ウチの名字)奥さんに愛されていいね。」

ワタシの失言を謝り「宜しくどうかお願い致します」 癌の専門の病院を選択するはずが、

先々、夫の名医となるH先生との出会いです。

夫の仕事・先生の都合、、全摘手術は12月に。

 

次回に続きます