かなり有名な本なので、もう知っている方もたくさんいると思います。
食品の裏側―みんな大好きな食品添加物/安部 司
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この本は、私も以前から読んでいたのですが、
本の著者の安倍司さんの講演を聴きにいく機会がありました。
目の前にずらっと並んだ食品添加物の瓶、ビン、びん.....。
「今回はほんの一部、60種類ぐらいしか持ってきていません。」
(食品に使っていい添加物は1300種類以上あるそうです)
とおっしゃっていましたが、何しろ独特な匂いが漂ってちょっと気持ちが悪いくらい。
例えて言うなら、仕出し屋さんの厨房のような....。
とにかく様々な匂いが入り交じった匂い。
著書の中では、家庭で簡単には作られないもの(ハムやかまぼこ、調味料類など)を中心に書きましたが、講演では家庭でも作れるものを中心にして説明します。
ということで、登場したのが 卵サンド・ポテトサラダ・昆布のおにぎり でした。
パッケージ裏側に書いてある食品表示を読み上げると、聞き慣れない名前がいっぱい....。
食品添加物は種類も様々で難しい。
1つ1つ説明するのはかなり時間のかかる事。
そして私達は聴いたからと言って全て覚えられる訳ではない。
でも、怪しいものかどうか見分ける手段はあります。
それは『台所にあるものかどうか?』という事。
塩や醤油(実はこれらにも様々なからくりがあるのですが)コレは台所にあります。
でも、PH調整剤、増粘多糖類、などは台所にありますか?
台所にはないものがいっぱい入っていたら、それは『あやしい』と思う事。
それだけでずいぶん違います。
では、裏側をみてなるだけ聞いた事のない名前が少ないものを選べば良いか?
それがそうでもないのです。
『一括表示』という隠れ蓑があるのです。
イーストフード、かんすい、PH調整剤、調味料、乳化剤 などなど....。
これらはひとつの物質名ではなく、ひとつの名前の裏に何種類もの食品添加物があるのです。
そしてこれら一括表示の添加物には使用基準がありません。
何種類入れても、どれだけの分量を入れてもO,Kなのです。
表示だけみて、その裏にどれほどの添加物が入っているのか私達にはわかりません。
悪者として断罪されがちな食品添加物ですが、その多大なる恩恵も私達は受けています。
本来なら傷みやすいはずの食品を、保冷剤無しで手軽に買ってきて、何時間後か(もしくは次の日などに)食べても、味が落ちていない。
切って長時間経過しても色の変わらないカット野菜、カットフルーツ。
ヨーグルトやゼリーに入っているものもそうです。
自分で作ったなら、決して真似のできない芸当をやってくれるのが添加物です。
添加物を使ったら、『手軽』で『見た目がきれい』で『安い』『おいしい』ものを手に入れる事ができる。
今の私達の暮らしには、既に無くてはならないものになっています。
毒性を理解した上で、どちらをとるのか?
それは、消費者しだいです。
ちょっと長くなったので、次回に続きます。