今回は、その中でも、輝きと色調における、それぞれの表現をみていきたいと思います。「輝き」に関してよく使われる表現、光沢のある、輝きのある…酸味が強いワインは、光を反射し、輝きがあるものになります。
澄みきった、水晶のように清らかな、清澄な、透明な…フィルターをかけたワインは、澱などの不純物が取り除かれるので、この表現を使います。オリがある、濁った…ノンフィルターで生産されたワインや色素成分の多いワインでは、濁りが出ることがあります。また、劣化したワインにも濁りが出ます。また、熟成したワインではオリが発生することもあります。
白ワインの「色調」に関してよく使われる表現、無色の…甲州やアルバリーニョ、ミュスカデに主に使用される表現です。緑がかった黄色…ほぼすべての白ワインが若い状態のときに使用される表現。
淡い黄色…冷涼な産地で生産されるトレッビアーノやリースリング、シャルドネに使用される表現。濃い黄色…グリ系品種から生産された白ワインや温暖な気候の産地で生産された白ワインに使用する表現です。スキン・コンタクトや樽熟成をしているワインでもこの表現を使うことがあります。
黄金色を帯びた黄色、黄金がかった、トパーズ…酸化熟成の進んだワインに使用される表現。琥珀色の、褐色を帯びた…酸化熟成や樽熟成をしたワイン、また樽熟成した蒸留酒を表します。褐色…長期熟成型の甘口ワインに対して使用する表現。
赤ワインの「色調」に関してよく使われる表現、明るい赤…冷涼な地域で生産されているマスカット・ベーリーAやガメイ、カベルネ・フランに対して使用される表現。暗い赤…温暖な産地で生産されたマルベックやアリアニコ、ジャンファンデル、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨンに使用される表現。
紫がかった赤…若いワインは、基本的に紫色が強いです。また、シラーやカベルネ・フランなどといった青味の強い品種などのワインも紫がかって見える。オレンジがかった赤…熟成の進んだ赤ワインや、ネッビオーロを使用した赤ワインなどに用いられる表現。
ワインの「香り」に関してよく使われる表現、色と同様に、香りからも、ワインの健全性やブドウ品種の個性、熟成度合いを知ることができます。まず、知っておきたいのはワインの香りには、大きく分けて3種類あるということ。
ブドウ本来が持っている香りである「第1アロマ」、醸造や発酵が由来の「第2アロマ」、そして熟成することで出てくる「第3アロマ」というものがあります。この次では、それぞれのブドウ品種で使用される表現や単語をまとめたいと思います。
シャルドネの「香り」に関してよく使われる表現、りんご、洋ナシ、黄桃、パイナップル、バター、ロースト、バニラ。シャルドネは、土壌や気候、醸造方法によって大きく香りを変える品種です。例えば、フランスのブルゴーニュ地方のシャルドネは、マロラクティック発酵を行っていることがあるため、バターやヨーグルトの香りが感じられることがあります。
また、新樽を使ったワインでは、バニラ香やビスケットの香りといったものを感じられます。産地の気候が冷涼であれば、ライムやグレープフルーツといった柑橘系の香り、温暖であれば、パイナップルやマンゴー、ピーチといったトロピカルフルーツの香りが感じられます。
ソーヴィニヨン・ブランの「香り」に関してよく使われる表現、グレープフルーツ、カシスの芽、レモングラス、芝生、牧草、グアヴァ、猫のおしっこ。ソーヴィニヨン・ブランは、ブドウ生来の香りとして、グリーンノートを持っています。青ピーマンのような「メトキシピラジン」という化合物の香りを感じることも多いです。そのため、「このワインは、ピラジンの香りが強いね」などと言うと、ワイン通のように感じられます。
ロワールで生産されるワインで使われる表現で面白いのが「猫のおしっこ」という表現。肯定的な意味で使用される表現ですが、レストランでは使わないほうがベター。ソムリエも基本的には使いません。
リースリングの「香り」に関してよく使われる表現、グレープフルーツ、青りんご、菩提樹の花(カモミール)、ペトロール(石油香)リースリングで特徴として挙げられるのが、カモミールの香り。ペトロール香も同様のミネラル香を表現するが、よりスマートな響きなのが「カモミール」という表現。とりわけ、石灰質土壌で栽培されたリースリングからは、このカモミールの香りが強く感じられます。
シュナン・ブランの「香り」に関してよく使われる表現、カリン、リンゴ、蜂蜜、キンモクセイ。シュナン・ブランは、けんのわいわい日記華やかな香りを持っています。また、シュナン・ブランからは甘口も辛口も生産されるので、味わいによって辛口はフレッシュフルーツ、甘口では蜂蜜や熟したフルーツの香りを感じられます。
カベルネ・ソーヴィニヨンの「香り」に関してよく使われる表現、丁子、甘草、カシス、プラム、ミント、ユーカリ、杉の葉、シガーボックス。カベルネ・ソーヴィニヨンは、ソーヴィニヨン・ブランの子でもあるため、同様にグリーンノートを感じられる品種です。とりわけ冷涼な地域で生産されたものからは強く感じられ、温暖な地域では、プラムや熟したベリー系の香りを感じられます。長期熟成型の品種であるため、熟成が進むと腐葉土やキノコ、なめし革といった香りが出てきます。
ピノ・ノワールの「香り」に関してよく使われる表現、チェリー、アセロラ、クランベリー、ラズベリー、ストロベリー、スミレ、バラ、なめし革、紅茶。ピノ・ノワールは、赤いベリーのニュアンスが強い品種です。温暖な地域では、甘みの強い果実の香りを強く感じられ、種まで熟すとスパイシーなニュアンスが出てきます。熟成が進むにつれ、なめし革や紅茶、またドライフルーツの香りに変化していきます。
メルローの「香り」に関してよく使われる表現、プルーン、カシス、ブラックチェリー、ブルーベリー、土、キノコ、黒トリュフ。メルローは、果実系の香りが強く、スパイスやミントの香りがない品種です。熟成とともに土やキノコの香りが強くなり、いい状態で熟成を経たものは、黒トリュフの香りを感じることも。
シラーの「香り」に関してよく使われる表現、ブラックチェリー、スミレ、黒コショウ、黒オリーブ、シナモン、プルーン、血、鉄、ジビエ。シラーの特徴は、黒コショウのようなスパイシーな香り。黒系フルーツの香りとスミレのような華やかさを持ちます。熟成とともに血や鉄、ジビエの香りに変化。
ブショネの「香り」に関してよく使われる表現、コルクの劣化やカビなどTCA(トリクロロアニソール)という成分によって生じるブショネ。このブショネになってしまったワインは、「蒸れたボロ雑巾」や「カビの匂い」などと表現されることがあります。できることなら避けたいブショネのワインですが、このような匂いを感じた場合、ブショネを疑ってみるといいかもしれません。
ワインの「味」に関してよく使われる表現、ワインの味わいに関しては、大きく4つの要素(酸味、甘味、アルコール、タンニン)のバランスを元に表現します。1つ目の要素の酸味では、リンゴ酸主体のワインの場合、「爽やかな、生き生きとした」という表現をします。また、乳酸が主体の合には、「しなやかな、なめらかな」と表現します。冷涼な地域のワインは、とりわけ酸が多くなる傾向にありますので「鋭い」といった表現をすることもあります。
2つ目の甘味では、残糖が多く粘性も強いものは「濃厚な」、熟成が進んでいる残糖の多いワインでは「柔らかい」、甘味がワインに溶け込んでいるものには「なめらかな」といった表現で表します。
3つ目のアルコールで、アルコール度数が極めて高い場合「熱を感じる」、通常よりも高めのワインでは「アルコールが強い、高い」、通常程度では「中程度」、低いアルコール度数では「おだやかな」と表現します。
4つ目のタンニンは、主に赤ワインでの表現ですが、近年注目を集めているオレンジワインでも感じられることがあります。タンニンの多いワインでは「収れんする、収れん性のある、粗い」、タンニンがワイン中に溶け込んでいるものでは「なめらかな、心地よい、シルクのような、ベルベットのような」といった表現を使います。
これらの4つのバランスによって、白ワイン、赤ワインでそれぞれ表現があります。白ワインの「味のバランス」に関してよく使われる表現、豊潤な、厚みのある…果実味が強く、酸味もしっかりとしているもの。
まろやかな、スムースな…果実味が強く、酸味がおだやかなもの。スリムな、溌剌とした、ドライな…果実味が少なく、酸が強いもの。赤ワインの「味のバランス」に関してよく使われる表現、豊満な、肉厚な、力強い…果実味が強く、タンニンもしっかりとしている。酸がおだやかなもの。
流れるような…果実味と酸がしっかりとしていて、タンニンがおだやかなもの。骨格のしっかりとした…酸とタンニンが強く、果実味の弱いもの。スパークリングワインの「泡の質感」に関してよく使われる表現、スパークリングワインやシャンパーニュにおいて、瓶内二次発酵のものは、他の生産方法のものよりも、細かい泡になります。
とりわけ熟成期間が長くなると、ワインに泡が溶け込んでいき「持続的で」「細かく」「クリーミーで」「繊細な」泡になっていきます。反対に、熟成期間の短いものや、ガス注入、タンク内でガスを発生させているものは、「しっかりとして」「生き生きとした」泡になっていきます。
スパークリングワインやシャンパーニュなどを飲む際に、泡の質感について考えてみると、おもしろいでしょう。また、シャンパーニュ地方のワインは、4つのスタイルに分かれていて、軽く爽やかな若々しいものを「エスプリ(Esprit)」。シャルドネを中心に生産されたものや柑橘系のニュアンスが強いものを表します。
コクがあり、温かみのあるシャンパーニュを「ハート(Coeur)」。蜂蜜などのニュアンスのあるロゼやドゥミ・セックのシャンパーニュを表現しています。ヴィンテージのものやプレスティージュのワインを「魂(Ame)」といい、まろやかで豊満、そして神秘的なほど高貴なシャンパーニュを指して使われます。