最近、時間を掛けず、安くインプラントができますという歯科医院を目にします。

 一番の問題は、このような治療で肝心のインプラントは、何年使えることを想定しているのでしょうか。
 
10年間使えれば、いいのでとにかく安ければいいという患者様には最適な治療だと思います。しかし現実的には、とても不安な要素を含んでいると思います。
 
問題点
1.歯と共に失われた骨を再生するには、とても時間がかかります。
時間をかけない治療の場合、骨再生はやらないので、実際に入るインプラントは、細く短いものになります。
例として、上アゴの奥歯は、歯を失うと骨も著しく吸収します。
ここの骨を再生しない場合、長さ7mm直径3~4mmのインプラントしか移植できません。
 
ところが骨再生治療で、失われた骨を再生すれば、長さ18mm直径6mmのインプラントを移植できます。
 
最長で最大のインプラントは、40年先でもしっかりと使えるインプラントだと自信を持って言えます。もちろん禁煙と定期健診は当然必要です。
ただ欠点として、高度な医療技術=最新のアメリカ再生歯科医療技術が必要です。
 
大量の骨の再生の為に、遺伝子工学で製造された骨形成因子BMPが必要です。ちなみに5000ドルです。つまりインプラント以外の費用がかかります。
 
骨を形成するために6~12ヶ月時間がかかります。歯を失った中高年の患者様が、仮に事故などで骨折した時、治療期間を想像してください。若い時より時間がかかることは、容易に想像できると思います。
特に人間の体で骨の治りは、とくに遅い部位です。例として、奥歯がダメで抜いたとします。
傷口は早期に治りますが、中の骨はなかなか治りません。歯を抜いてから6ヶ月後にレントゲン撮影をすると、骨は完全に治癒していません。
 
中高年の体は、スーパーマンではありません。特に治癒しにくい骨にインプラントを移植するので、1日でなんちゃらという治療がいかに合理的でないか想像出来ると思います。
昔のガマの油売りが、この薬をつけると、傷口がたちどころに治るという口上を思い出し、思わず笑ってしまいます。
 
かなざわ歯科医院は、時間と治療費用をかけて、人間の体に適合した治療を行います。また40年後変わりなく使えるインプラントでありたいと考えています。
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