クリエイティブに必ず必要なものは、技術でもセンスでもない。
どれだけ「普通」でいられるかということ。

普通の視点をもてない人間が、人の共感を生む視野をもてるはずが無く、
普通の言葉を使えない人間が、人の納得を生める訳が無い。

色も、動きも、配置も、音も。
すべてが「普通」に受け入れられるという要素を肝において、
世に出るクリエイティブというのは、その上ではじめて挑戦を重ねている。

普通のことも携えないそれを、どれだけ上塗りしたところで、
メッキが剥がれればそれでおしまい。
薄っぺらさだけはどう上塗りしようにも隠せるものではないんだよね。


人間、偏る趣向を磨き上げてしまうと、どうしても世の中を捉える土台が不安定になってしまうのだけれども、かたやそこを上手くバランスをとる人間がこれまた実在していることも、今まで付き合ってきたクリエイターの方々の存在が証明している事実。
けして希有なことじゃない。

簡単、されど最重要項目のそれを片手間に、
奇をてらい、人と違うそれだけのことに満足感を覚える高校生レベルの考えで、
モノを手に取るのは、最早基礎どころの話でないんです。

コースが無いのにF1車は必要がない。

感性に答えを委ねる以上、人には間違いなく見透かされることは
覚えておかなくちゃいけないんですよね。