転院した病院に見舞いにいきました。

エルは眠っていましたが、体を起こして自分たちのことを見つめ、喉に詰まる涎で苦しそうにしながらも起き上がってくれました。

帰る間際、硝子戸に身を寄せてきました。もしかしたエルにはわかっていたのかもしれません。家族に心配をかけないように元気な姿を見せていてくれたのかもしれません。

 

辛くても起き上がってくれたエル最後に心配させないように頑張ってくれたエル

病院から家に帰りつくと電話が入り、別れた10分後にバタッと倒れて、心停止状態になったということで急いで病院に戻りました。

病院に戻ると心臓マッサージを受けていました、父親母親はエルの耳元で名前を呼びました、しかし動きませんでした。自分が首周りをさすってあげても動きませんでした。

母親は「ごめんね、ごめんね、長生きさせてあげられなくて、ごめんね」と泣き崩れました。父親は「最後までようがんばった」と泣きながらもエルに声をかけてあげていました。

自分はただエルが死んだことが信じられず、声をかけることも出来ず、撫でてあげることしかできませんでした。。

エルの体を病院の方がきれいにしてくださっている間、母親と父親は車に戻り、自分一人が待合室で待っていました。死んだということが実感として沸き、今までの思い出が浮かんできて、もうエルが一緒にいないことに涙が鼻水がだらだらと零れました。

 

エルはやっと家に帰りつくことが出来ました。

母親、父親がエルに感謝や言葉をかけている間、ただ茫然とエルと親の悲しむ姿をみて、育ての親だからこそ色んな想いがあり、治すために、これからも生活していくために調べまわっていた姿を後ろから見ていた自分は色んな悲しみが渦巻いていました。

 

自分がエルに触れて、撫でて、揺すって、揉んで、、起きてくれることを、奇跡が起きて動き出してくれないかと幼稚にも思いましたが、今にも目を覚ましそうなのに動いてくれない。

涙が零れながらも、声がか細くなりましたが「今までありがとう」と告げることが出来ました。

 

廊下をかつかつと言わせながら響く足音、遊んでくれと扉を開けようとする爪音、知らない人がきたり虫がいると吠え立てる声、ボールをフローリングで滑りながら全速力で取ってくる足音、寝っ転がったときにため息のようにつく鼻息、、、

あげればあげるだけエルと過ごした思い出が浮かんできます。

 

1歳10か月、、、余りにも早い別れでした。

治療薬をアメリカから取り寄せる話を済ませて、ほんの数十分後。。。

治ると信じていただけに辛さも大きかったです。

でもエルは自分たちが会いに来るまで生きていてくれました。

言葉は通じませんが心配をかけまいと頑張ってくれました。

 

もっと遊んだり、触れ合っていきたかったなぁ、、

家族でいつもの時間を過ごしていきたかったなぁ、、、

新しく入ってきて、一番早くにいなくなるなんて思いもしなかったなぁ

 

エルに心配かけないように今度は自分たちが頑張っていかないと、吠え立てられそうです

 

今度皆が集まるのはずっと先になるけど、向こうでお友達作ってと一緒に遊んで楽しく過ごしててね

 

エル今まで本当にありがとう