アルコール依存症の離脱症状には、様々なものがある。
母は入院をしたり、夜間に病院に連れて行ったり、救急車で運ばれた事も何度もある。


母の様々な不調は40歳頃から始まった。
吐血すれば胃潰瘍を疑われ検査入院。
下血すれば大腸がんの検査。
手足のしびれ、痛み、発熱が続いた時は膠原病を疑われた。
入院をして検査をし、検査の結果は多少数値が悪い箇所はあるが、大きな異常は無し。
入院中に体の状態は良くなる。
だから退院する。
しかしまた具合が悪くなり運ばれる。
そして入院、検査。
そのうち母は具合が悪くても、病院に行くのを拒否する様になった。
道で意識を失い倒れ、救急車を呼ばれるが、搬送されそうになると『大丈夫です』と言って、自ら救急車を降りたりしていた。


そんな事が10年近く続き、私は救急でかかったある病院でこう聞いた。
『いったい何が原因でこんなに調子が悪いんですか?』
すると返ってきた言葉が、
『これは、アルコール依存症の離脱症状です!』だった。


初めてそう言われたんです。
こんなに色々な病院にかかってきて、初めて離脱症状という言葉が出たんです。
そしてその病院で肝臓もみてもらうと、アルコール性肝炎の状態でした。


吐血も下血も、発熱も嘔吐も、手足のしびれ、硬直、痛みも、高血圧も頭痛も、てんかん発作のように倒れるのも、全てお酒が原因でつながっていたのです。
その事に気づくのに長い時間がかかりました。


お酒が原因で、こんなに様々な症状が出るのに、あまり知られていない気がする。
もっとお酒の怖さ、アルコール依存症という病気を知ってほしいです。