叔父貴の容体が急変したそうだ。
医師の説明を聞いてきたが、間一髪レベルだと思う。
なんとか叔父貴本人とは会話してきたけど、今回行われた措置が次回も有効である保証はないらしい。
むしろ、手の施しようがないレベル。
あと数日か、一週間か、なんだそうな。
本人にもうまもなく...という自覚を持たせる必要がある時期だが、誰もそのことを伝えたくはない。当然、病院側も無理だ。
僕は叔父貴に相当可愛がってもらった。
そして僕の話は聞いてくれる。
ほかの兄弟姉妹ができないことも、僕だったらできるし、言える。
だから、言ってきた。
みなさんが帰った後に、サシで話してきた。
いざとなったらお前が引導を渡してくれ的なことは、随分前に言われていたしな。
おじさん、もう思ったより全然時間がないぞってさ。実際はもっと具体的だ。
バカでおしゃべりで空気を読めん甥が勝手なことを話したせいで、みなさんのうち誰かが言わなければいけないことを言いたくても言えないことを伝えた。
元々ステージ4末期だということは叔父貴本人も知っていたのに。
長くないということは、自身が理解していたんだ。だが、どのくらい現状が深刻なのか、肝心なことを伝えられないでいた。
僕が愚か者で良かったんじゃないか?
さもないと、もう間に合わないぞ。
僕は残酷な現実を伝えたぞ。
インフォームド コンセントの失敗と、みなさんの逡巡は解決させてきたぞ。
別れ際、毎回握手してから帰るんだが、今日も叔父貴は力強く握り返してきた。
彼は渾身の力を込めたに違いない。
その気持ちが分かってもらえるかなぁ。
僕だって、叔父貴から金目になりそうなものなど何もいらない。1日でも長生きして欲しいんだ。欲を言えば、もっと悪さしたかった。
だが、叔父貴が患った肺ガンとは呼吸器である部位ゆえに、ターミナルケアは非常に苦痛を伴うものだと聞いた。
その苦しみを和らげるには意識レベルを下げるしかない。
それは相当近い将来、彼との意思疎通が困難になることを意味している。
それで間に合わなくてもいいのか?!
願わくば、彼がこれ以上寂しい思いを重ねないで苦しまず心安らかに逝けるよう願っている。
問題は、今になっても誰も覚悟ができないでいるのかもしれないことかな。僕を含めて。
認めたくない。
別れたくない。
一緒に釣りに行く約束はどうした?
秘蔵のレコードを聴かせてくれるんじゃなかったのか?
くれるというけど、後になって一人でレコードを聴いても、レコードにまつわるエピソードの内容が変わってしまうわ。
ロックな叔父貴だ。
ときどき格好つけて生きてきたよな。
バーボンかっくらって、きついタバコ片手にさ、バンドやってた僕に色んなロックミュージシャンについて酔っ払いながら熱く語ってくれたじゃん。僕にウイスキーの美味しい飲み方を教えてくれたじゃん。
すごく楽しかった。
不器用に格好つけて差し入れしたりさ、ナースさん達にはバレてるぜ、叔父貴よ。
優しいんだよな。
なのに、どうしてこうなっちゃうんだろう。
医師の説明を聞いてきたが、間一髪レベルだと思う。
なんとか叔父貴本人とは会話してきたけど、今回行われた措置が次回も有効である保証はないらしい。
むしろ、手の施しようがないレベル。
あと数日か、一週間か、なんだそうな。
本人にもうまもなく...という自覚を持たせる必要がある時期だが、誰もそのことを伝えたくはない。当然、病院側も無理だ。
僕は叔父貴に相当可愛がってもらった。
そして僕の話は聞いてくれる。
ほかの兄弟姉妹ができないことも、僕だったらできるし、言える。
だから、言ってきた。
みなさんが帰った後に、サシで話してきた。
いざとなったらお前が引導を渡してくれ的なことは、随分前に言われていたしな。
おじさん、もう思ったより全然時間がないぞってさ。実際はもっと具体的だ。
バカでおしゃべりで空気を読めん甥が勝手なことを話したせいで、みなさんのうち誰かが言わなければいけないことを言いたくても言えないことを伝えた。
元々ステージ4末期だということは叔父貴本人も知っていたのに。
長くないということは、自身が理解していたんだ。だが、どのくらい現状が深刻なのか、肝心なことを伝えられないでいた。
僕が愚か者で良かったんじゃないか?
さもないと、もう間に合わないぞ。
僕は残酷な現実を伝えたぞ。
インフォームド コンセントの失敗と、みなさんの逡巡は解決させてきたぞ。
別れ際、毎回握手してから帰るんだが、今日も叔父貴は力強く握り返してきた。
彼は渾身の力を込めたに違いない。
その気持ちが分かってもらえるかなぁ。
僕だって、叔父貴から金目になりそうなものなど何もいらない。1日でも長生きして欲しいんだ。欲を言えば、もっと悪さしたかった。
だが、叔父貴が患った肺ガンとは呼吸器である部位ゆえに、ターミナルケアは非常に苦痛を伴うものだと聞いた。
その苦しみを和らげるには意識レベルを下げるしかない。
それは相当近い将来、彼との意思疎通が困難になることを意味している。
それで間に合わなくてもいいのか?!
願わくば、彼がこれ以上寂しい思いを重ねないで苦しまず心安らかに逝けるよう願っている。
問題は、今になっても誰も覚悟ができないでいるのかもしれないことかな。僕を含めて。
認めたくない。
別れたくない。
一緒に釣りに行く約束はどうした?
秘蔵のレコードを聴かせてくれるんじゃなかったのか?
くれるというけど、後になって一人でレコードを聴いても、レコードにまつわるエピソードの内容が変わってしまうわ。
ロックな叔父貴だ。
ときどき格好つけて生きてきたよな。
バーボンかっくらって、きついタバコ片手にさ、バンドやってた僕に色んなロックミュージシャンについて酔っ払いながら熱く語ってくれたじゃん。僕にウイスキーの美味しい飲み方を教えてくれたじゃん。
すごく楽しかった。
不器用に格好つけて差し入れしたりさ、ナースさん達にはバレてるぜ、叔父貴よ。
優しいんだよな。
なのに、どうしてこうなっちゃうんだろう。