年末の買い出しに母と2人自転車で

スーパーに行きました

 

当時は大体のスーパーや飲食店には

年末年始休業日があり

休業日前なのもありとても賑わっていました 


買い物を終え自転車置き場に戻り

母が自転車のカゴに袋一杯に買った物が

入っているスーパー袋を載せました


僅か数秒後、急に母が顔色を変え

スーパー袋をかき回しだしました

そして私の事を置いて猛スピードで

帰って行きました


呆気にとられる共に嫌な予感大で

1人で家に帰りました


家に帰ると母がスーパーの袋をひっくり返して

中身を無造作に出し

パニック状態になっていました

私の顔を見ると


「財布を

 盗まれた

 うわーん

 うわーん」

子供の様に大きな声で泣きながら

抱きついてきました


どうやら自転車のカゴに載せたスーパー袋に

財布を入れたらその瞬間に

どこからかサッと手が出てきて

財布を持って行かれた

ほんの一瞬の出来事だったようです



当然悪いのは盗んだ人


でも母も悪い

何故そんな所に財布を入れるのか?



そもそも母はお金に執着する割には

管理にはだらしがない


量販店で母の洋服選びに付き合わされる事が

しばしばありましたが

気に入った服があるとその辺に

財布の入ったカバンを置いて試着したり

試着に夢中になってカバンを置き忘れたり


いつカバンを取られてもおかしく無いのに

取られる事などあり得ない感じでいました


私はそれが気になり母がカバンを置くと

直ぐに持ち試着が終わると渡してました


1度

「ポンと置くの危ないよ」

と言って渡すと

「親に指図するんじゃないよ💢偉そうに」

怒鳴られました


それ以降母のカバンを気にするのはやめました





財布には新年を迎える為の費用全額の

5万円が入っていたと


「どうしよう、どうしよう」


と私に縋って泣く母を可哀想と思うより

気持ち悪かった 

 

私が辛い時泣いている時

私の気持ちに寄り添うどころか

「そんな事で泣くんじゃない!」

「いい加減にしろ、鬱陶しい」

「お前の普段の行いが悪いからだよ」

など傷口に塩を塗るような事しか言わないのに

慰めを求める言動に寒気がした


でも母のように弱っている相手に

更にダメージを与える事など言えない


「それぐらいの不幸で済んだと思って

 気持ち切り替えようよ」


そう言うのが精一杯でした


だだ

母に1度も優しく抱きしめられ

安心感を得た記憶が無い私は

自分の都合で抱きついてきた母を

抱きしめる事は出来ませんでした