法令遵守に対する意識が高まっている現代社会では、コンプライアンスチェックはとても重要な課題となっています。もちろん、介護業界も例にもれず、定められた法令を守って仕事を行うことが求められています。

介護業界と大きく関係のある法令は主に2つあります。1つ目は介護保険法です。介護保険法とは、介護施設やその施設に勤めている職員の行為規制を定めた法律のことです。介護業界の中ではダントツに重要な法律といっても良いでしょう。

2つ目は、労働基準法です。労働基準法とは、職員を雇うにあたって守るべき事項を定めた法律のことです。この法律は介護施設以外のあらゆる雇用主に適用されます。

これら2つの法令に関して、介護業界ではコンプライアンス違反が起きやすくなっているので注意が必要です。例えば、介護保険法に関連するコンプライアンス違反の事例として最も頻発しているのが、介護報酬の不正請求です。

介護報酬の不正請求とは、介護施設側が利用者側に渡す介護給付費請求明細書の中身が、実際に提供されているサービスよりも過剰に内容を記載し、介護報酬を課題に請求および受領することです。

不正請求は基本的には経営者側が主導となって行われることが多いため、経営陣への監視体制を整えることで違反を防ぐことができるようになります。

以上のように、介護業界のなかでは、たびたびコンプライアンス違反が問題となっており、どのように規制していくかが課題です。今後需要が増えていく介護業界だからこそ、業界に携わる人員全員がきちんと各種法令を把握し、遵守することが求められるのです。

所定労働時間は、会社によって決められている労働時間のことです。所定労働時間は会社によって異なりますが、法定労働時間の上限である8時間としているところが多いようです。

所定労働時間の記載は、就業規則や労働契約の中にあります。所定労働時間で労働時間とみなされるのは、使用者の指示で働いている時間です。特定の時間帯に作業をしていないとしても、使用者の指示で拘束されていたのであれば、賃金が発生します。

たとえば、介護職員が仮眠を取っている場合でも労働から完全に離れることができないので、休憩ではなく労働時間とみなされます。所定労働時間は会社が決めますが、当然法律で決められた労働時間の範囲内にしなければなりません。

法定労働時間は、1日のうち8時間で、1週間で換算すると40時間です。所定労働時間を超えて働かせた場合は残業になるので、残業代を支払う必要があります。

残業のうち、法定内残業は法定労働時間を超えない残業です。たとえば、始業時間が10:00、就業時間が18:00、休憩時間を1時間とされていた場合、労働時間は7時間なので18:00〜19:00までの残業は法定内残業となります。

法定労働時間の範囲内なので残業代は支払うものの、割増賃金の対象にはなりません。一方、始業時間が9:00、就業時間が18:00、休憩時間が1時間である場合、19:00まで働いたとすると労働時間は9時間になります。

この場合は法定労働時間を超えるので、1時間が割増賃金の対象時間になります。労働時間を含め、法律を遵守した職場に付きたい介護職員へのおすすめサイト:『http://nursingcare-and-law.com