切り返し(打ち返し)は、剣道の基本的な練習方法であって、これにより次のような効果があると言われている。
その効果とは、以下のとおりであるが最近その重要性についてつくずく実感している。
① 身体の動作が軽妙になる。(敏捷性を養う)
② 身体、手足の力量を増す。(筋力の増強)
③ 気息を長くする。(持久力をつける)
④ 気力が旺盛になる。
⑤ 悪い癖を矯正するのに役立つ。
⑥ 打ち方が上達し、手の内も良くなる。特に裏(左側)、表(右側)の打突の要領が身に付き、手の返しが良くなる。
⑦ 相手との間合いがわかってくる。
相手を打突する際に最も重要なことは、⑦の間合いであることは言うまでもない。その間合いに気魄を込めて入るのが④の気力であると思う。年配者にとっては数多く切り返しを行うことはとても辛いことであるが、切り返しを行ときの最初の一撃に入る前の体勢と気魄、そして、最後の面打ちに入る際の間合い等に重点をいて稽古することによって、審査や試合に生きることは間違いない。さらに切り返しは、大きく正確に行うので準備運動、整理運動として行っている場合が多いが、その重要性をもう一度振り返って稽古してみては如何でしょうか。