先日、伯母の入院先にお見舞いに行って来た。
今月の初めに喉の手術を受けて、もう時期退院するそうだ。
子供3人を一人で育て上げて皆独立し、年齢も60を過ぎている。
何度手術をしたかは忘れたけど、身体中手術の痕だらけで
身体もどんどん小さくなってるように見える。
小さい頃からお年玉やお小遣いを貰ったので
自分も最近は顔を出しに行ったりして、食事などの御持て成しをしてくれた。
少し話してる時に、手術をした先生がやって来て
「家族の方は来れますか?ちょっとお話があるのですが」
と言うことになった。
子供達は昼間の時間帯は仕事だし、うちの母親を含む兄弟も仕事でなかなか時間がなく
どうしようか、と言う時に、自分でも構わない。と言う事で、
甥の自分と一緒に話を聞く事になった。
別室に案内されて、深刻そうな顔をする手術医。
僕はこういう場に居合わせた事はないので、変な緊張が来る。
こういう場合は、あまりいい話しでないのは想像がつく。
「喉の手術をした時に、小さな癌が見つかりました」
手術医はそう告げた。
その言葉が出た時に、一瞬凍り付く。
「ですが、癌は取り除いたので、安心して下さい。」
と、手術医は続けた。
以前、胃癌で手術をしたのが、転移したようだ。
その後の話で、どうやら大丈夫と言う事で、安心した。
また転移する可能性も考えられるが、今はそんな事を考えてもしょうがない。
僕は、その話を身内に伝える事が仕事、使命になった。
拾った命だから、人に感謝して、恩返しをして生きていくと伯母は言っていた。
親は大切にしなさい、兄弟は大切にしなさいと言っていた。
その言葉は今まで以上に少し重く響いた。
退院したらすぐに仕事に復帰すると言っていたけれど、
伯母も年齢的にも体力的にも、そんなに長くは仕事は続けられないだろう。
手に職と言う時代で、美容師の資格で今は続けているけれど。
近い将来、伯母と母親を一緒に住ませるマンションをプレゼントしようと考えている。
僕のやる事に理解をしてくれる、それが一番の恩返しだと僕は思う。
自分の為に、誰かの為に。
僕の戦いに終わりはないだろう。