たった一人の最終決戦 前編 | 音楽業界の裏側で無謀に働く、凡人のブログ

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週刊 KONDAYという名の下、週に1度は更新したいと思います。

前回
http://ameblo.jp/k-onnet/entry-11492024561.html


ついに最終章を迎える事となった。
そう、幕切れってあっけないんだ。



ロスからバスに揺られる事、約8時間。
ラスベガスの街に到着した。


時刻は夜8時。


泊まるホテル? そんなものはない。
勝ってエグゼグティブスイートに泊まるんだ。

右も左もわからない、が
辺りはゴールドで輝くネオンの風景。
東京で言うと銀座のような感じ。
いや、ゴールドだから、金座かな?
とりあえず、近くのネオンの方向に向かって歩く。


音楽業界の裏側で無謀に働く、凡人のブログ-アメリカ41



そこはベガスのダウンタウンと呼ばれるところに着いた。
まるで商店街のように右も左もカジノだらけ。


音楽業界の裏側で無謀に働く、凡人のブログ-アメリカ42



見上げればアーケードがある。
さすが夜のベガス。
世界各国から人が集まるだけあってとても賑やかだ。


店の前にはバーがあり、水着のお姉様がお酒を注いでくれる。


音楽業界の裏側で無謀に働く、凡人のブログ-アメリカ43


まだ寒いのに、水着だったりTシャツで歩いてたりと…
ヤツらどんなカラダしてんだ?

他にはお土産の露店があったり
路上ライブや路上バンドのイベントも開催。
街を歩くだけでも楽しいね。

途中変な人に拉致されそうになったけど
何を言ってるのかわからないのが功を奏して
最後は握手をして和解。



歩く事、数時間。



突然辺りが騒がしくなる。
それと同時に、アーケードが映画館と化した。

We will rock youの音楽と同時に、
何の変哲もなかったアーケードからQUEENの映像が流れる。


音楽業界の裏側で無謀に働く、凡人のブログ-アメリカ44



やばい、マジでやばい。



僕のテンションは最高潮になり、
言葉もわからないまま、カジノに向かった。


「なんだあのジャップのガキは?」
すごい勢いで未成年に見られる。
大抵身分証(パスポート)を提示。なめやがって。


ジャパニーズ魂を舐めたらあかんぜよ。
神風吹かしちゃるけん。


カジノ内は飲み物が全て無料。アルコールも。
そういえば、こっち来て初めてビール飲んだ気がする…


テーブルゲームでは巨乳のお姉様が
ウインクを繰り出しながら誘発する。
明らかに「チップはここに挟んでね」と言わんばかり。


アメリカンチェリーな僕は、そっとチップを出すと

「Push more!」

という甘い囁きが聞こえてきて、
震える指で、そっとチップを深く沈めようとするんだ。

でも、チップじゃなくて違うところを沈めちゃうなんていう
妄想があったりなかったり。


そんなところでは戦いに集中できないので
違うテーブルに座り、勝負の席に着いた。

一瞬にして思うんだ。

もう帰りたくない、と。



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…どれくらいの時間が過ぎただろう。







ここは24時間眠らない街。

既に外は明るかった。



気が付けば僕は、ストラトスフィア・ホテルの最上階にいた。


日本で言うと、横浜のランドマークタワーや通天閣の展望台のようなところ。

地上約260m。ここからはラスベガスの風景が一望できる。

一時はビリオンの札束に囲まれていたのに。



僕の前では若い女性が泣き叫んでいた。
さっきまで威勢を張って、
「私は大丈夫よ」 と、言っていたのに。
腰は引け、足は震えて惨めな姿だ。


ザワザワ…


観客は僕らを面白おかしく見守る。
次の瞬間、女性の声と姿はなかった。


女性がいなくなったのを確認すると、僕の番がやってきた。

ゴツイアメリカ人に囲まれ、後ろから英語で



「さぁ、跳べ」



と。




出来れば最後に写真を撮って欲しいと頼んだけど
それは当たり前のように却下された。


うん、確かに行く前は
死んだらソーリーとか言ってたけれど…
死にそうな目にはいっぱいあったけれど…
それも全て楽しい思い出でした。
出会った人全てにありがとう、と。


最後にそう僕は呟いた。




そして、僕は飛んだ。




次回、笑いと涙の最終回。

後編へ続く

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