あんにょ~んラブラブ

 

昨日は1日の公開日から、ずっと見に行きたかった映画、

『護られなかった者たちへ』を観に行って来ました。

 ↓

映画『護られなかった者たちへ』公式サイト

 

上映時間 145分がものすごく短く感じました。

”連続飢餓殺人事件”の裏に隠された様々なメッセージ

 

ものすごくたくさんのものが詰め込まれていて、

忘れてはいけない、向き合わなければいけない

そんな大切なメッセージに胸が痛みました。

 

ネタバレしかないので、まだこれから観に行かれる方、

内容を知りたくない方は、映画を観られてから、再度お越し頂けければ光栄です。

 

では、ネタバレOKな方のみスクロールを...。

役名ではなく、俳優さんのお名前で書いてます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.11

貧困

生活保護

 

この145分の間に、色んなことを思い、考えました。

 

3.11をきっかけに知り合った3人(健さん、果耶さん、倍賞さん)

それまでは、まったく知らなかった赤の他人が避難所で出会い

その人のために犯罪を犯してしまうほどに強い絆を...

 

一方、事件を追う刑事(阿部さん)もまた、震災により奥さんと息子さんを亡くし...

それぞれに色んな思いを抱えて乗り越えるべき壁と立ち向かい

 

赤の他人だった3人

でも、そんな時に出会い、そして苦楽を共にした3人

他に心の拠り所がなかった3人にとっては、

きっとそれだけ、大きな心の支えとなり、優しさが嬉しかったのだろうなと...

 

「生活保護」という問題

働きたくても働けない、そんな人のための制度

でも、不正に受給をする人がいて、それもまた難しい問題で

震災によって、人の心もまた...

 

『人は誰にでも生きる権利が与えられているということ』

 

人って、厄介なもので

変なプライドが邪魔をしたりもするし、遠慮...色々な事情

 

生活保護を受ける権利があって、申請許可もおりていたのに

生活保護を受けなければ、自分がどうなるか分かっているのに

たったひと言で、その申請を取りやめてしまった...。

 

そのたったひと言で、その申請を取りやめてしまうことで、

その人の未来は見えていたハズなのに...

 

離婚して、手放した子供へ生活保護の申請をしたこと

自分の存在を知らない、亡くなったと聞かされていた娘さんへ

自分の存在を知られてしまう

そうしたら、娘さんは...そんな状況になれば、

親は自分ではなく、子供を選ぶ人がほとんどだと思う

老い先短いであろう自分の命よりも...。

 

生活保護を受けていたら、助かったであろう命

その命を守ってくれなかった人たちへの怒りが犯罪へと導き

復讐の炎を燃やしてしまった...。

 

自分の最期を、誰かに見守られながら、

そんな考えは甘いと、死ぬときは独りだと

 

このセリフは心が痛かった

でも、今現在...孤独死であったり、

このコロナ禍の状況で、お見舞いへ行くことも許されず

最期を看取ることも出来ないのが現実で...。

 

大切な人とちゃんとお別れも出来ない世の中を痛感した

 

確かに生活保護を受けないことは、結果的には自分で選択したこと

 

それでも、自分にとって大切だった人の命を守ってくれなかったことへの怒りは

それがもたらした結果は...餓死していく恐怖を、同じに目に合わせるという間違った選択

 

人は、どんな人にでも生きる権利は与えられていて

でも、人の命を奪う権利は、誰にも与えられてはいない

 

健さんが、最後の復讐をとめるシーンは、涙なしでは見れません。

 

 

そして、私にとって、この映画での1番のシーンは、最後の健さんと阿部さんのシーン

 

奥さんの遺体は見つかったけど、息子さんの行方は分からない状況の阿部さん

 

健さんの懺悔

震災で、目の前で溺れている子がいたと...黄色い合羽を着た男の子

助けようと思ったけど、水が怖くて、助けられなかったと...

その子が沈んでいくのを見ていたと...

 

その子が、阿部さんの息子さんで、

普通なら、何で助けてくれなかったんだって、責め立てると思うのに

阿部さんが発した言葉は、「ありがとう」だった。

 

「助けようとしてくれて、ありがとう」と...。

 

今、こうしてブログを綴りながらも泣けてくる

 

津波が襲ってくる状況下で、他人を助けられる人なんて

自分を犠牲にして、立ち向かえる人なんて

 

それでも、きっとどうして助けてくれなかったんだと責め立ててしまう

自分がその立場になった時のことを考えても、きっと結果は同じだと分かっていても

 

この「ありがとう」に込められた気持ちは計り知れないけど...

 

でも、最期が独りじゃなかったこと、誰かに見守られていたこと

息子さんの最期が知れたこと

色んな思いがあったんだろうなと思うと、切なくて苦しかった

 

 

健さんの雨男説濃厚なシーンも

阿部さんに追いかけられるシーン

本来は雨ではなかったみたいだけど、私は雨の中の撮影で良かったんじゃないかな?と思った

健さんの雨男説も捨てたものじゃないのではないかと...

あの雨もまた、一役かってたんじゃないかな?と思った

 

健さん推しの私は、観ることは必然だった映画だけど、

これは、色んな人に見て欲しいと思った。

健さんの演技力に感服な訳なんですけども、そんなところも含め

たくさんの人に観て欲しいなと思います。

 

私のこの感想を読まれて、興味を持たれた方は、是非劇場へ