やはりこの件をまとめておかなければ

次には行けないなと思い。

わたしのトラウマをここに収めておく。



最初に習い始めた施設では、
 
レッスンの振り替えができなかったので、

1か月全部休んだ月もあった。

今通っている施設は振り替えができるので、

不規則な職業でもレッスンを続けられる。

夜間のレッスンまでに仕事が終わることはまれだったから、

積極的に振り替えができていたわけではないけど、

そのシステムを利用して、

昨年は夜クラスでガラに、
 
昼クラスと夜クラスで発表会に参加した。



その人は夜クラスのレッスンで、

わたしが踊るたびに振り付けが間違っていると告げてきた。

この手口は悪い育児のお手本から、
 
嫁姑もしくは職場のお局戦争と多岐に渡る。

わたしは他人の悪意にてきめんに反応する絶好の獲物で、

見るからにおとなしいし言い返さないだろうという、
 
絶対的な安心感があったのだろう。



その人は動きも容貌も地味で、
 
特別目を引くタイプではなかったので、

失礼ながらこのクラスにこんな人いたんだと、
 
嫌味を言われて初めて存在に気づいた。

にこりとも笑わず冷たく言い放つ姿に、
 
態度の大きさと質の悪さを感じた。

レッスンでも合同練習でもその場でメモをしており
 
(レッスン中にメモをとるのは禁止されている)、

神経質そうな人だと思った。



最初は気に留めてなかったけど、
 
レッスンの度に指摘をしてくることが恐怖になった。

振り付けを覚えていない人は何人もいるのに、
 
言うのはわたしにだけ。

それも糸のような細い目で冷たく言い放つので、

悪意と疎外感しか感じなかった。

今ならこれを条件反射と決定付けられる。
 
ひとたび踊れば嫌味と無表情の条件づけなのだ。

クラスの人たちと話しているのを見ると、
 
仕切屋で世話好きの姉御肌のような印象。

しかしわたしは、
 
あの細い目と無表情さが同じ空間にあるだけで委縮した。



職場が超多忙な時期で、

ストレスを契機に後遺症のしびれが増強した。

仕事はどうにかなったけど、家に帰ると起きていられなくて、

食事も作らず何日も寝て過ごした。

家で一度も踊ることなく本番が近づいてくる。



全然振り付けを覚えていないから、
 
またあの人に言われると思うと憂鬱。

他の夜クラスの人たちは優しくしてくれたけど、

それ以上にあの人が怖いせいで
 
まともに人の顔を見れなくなった。

典型的な対人恐怖症状。

夜クラスの人たちは、
 
みんなあの人の仲間なんじゃないかと疑われて無理だった。



その年の夜クラスは
 
ガラも発表会も2クラス合同だったから、

人数は多いし、
 
どの人がどっちの曜日の人なのかなんてわからなかった。

あの人(わかりにくいから以下怒と称す)の仲間なのか

そうじゃないのかがわからないと、
 
怖くて誰にも接触できないと思った。

 

だから昼クラスのメンバーとのびのび踊れることは、
 
癒しだった。

彼女たちはベリーダンスに対して研究熱心で、

インストラクターに対して素直で、

そしてとってもやさしかった。



その中のおひとり(以下バレリーナさんと称する)が、
 
夜クラスの発表会にも参加を決めた

もともと夜クラスにも籍を置いているので、

気弱なわたしを常に気にかけながら

クラスの人たちとは楽しくコミュニケーションをとって、

メンバーやインストラクター間の空気を乱すことなく

嫌味から守ってくれた。

怒がわたしの方を向いて歩こうとしたのに気づいて、

少し表情を締め、

すっと体を怒の方に向けてわたしをかばうようにして
 
立つのを見たとき、

わたしはバレリーナさんのやさしさに感動し、
 
感謝するのと同時に、

この人に頼り切ってはいけないと思った。



怒は、
 
前後移動で最後列になった時に、
 
自分が隠れるのが嫌だったらしい。

だから完璧なフォーメーションを求めた。

繰り返す移動の中で、
 
わたしと怒は前後に近い配置になる。

怒は最前列から、
 
曲が進むごとに後方へ下がってくる。

そして最後列の位置にくると、
 
わたしがその前列へ進む。

危ない、逆鱗に触れる。

後ろから目を三角にしてわたしを見てるんだろうなー。

しかし本番中に文句を言ってくることはないので、

ここは踊りに集中した。

ガラの時はステージがいつもより狭かったので、

一度舞台袖に引っ込み、
 
再び一列になって登場するときは、

わたしがどんくさいせいで曲中に間に合わなくなると思ったと、

友人にこぼしていたけど。



発表会当日は、
 
夜クラスのリハーサルと本番以外は

ずっと昼クラスの人たちと過ごした。

そこでもわたしは癒されっぱなしだった。

怖くて踊れない日々を過ごしていたのに、

なんで怒トークでこんなに笑えるんだろう。
 
笑い過ぎで涙がでた。


彼女たちはみんな大人で、
 
落ち着いていて、
 
大らかだ。

いろんなことを経験しているから、
 
発想の転換にも長けている。


わたしは正直に話しているのに、
 
笑っているうちに
 
悩んでいたのが嘘みたいになった。

控室はわたしの恐怖体験で大爆笑だった。
 


発表会の合同練習でも嫌味を言われたけど、

このステージはかなり広かったので

合同練習で使用したフロアの配置よりも
 
間隔がとれて無害だった。



ストレス性の健忘症には、
 
新人Nsの時にも陥った。



全員で写真撮影をするときの配置さえ
 
覚えられなかったけど、

本番までに振り付けはマスターした。

バレリーナさんがどのフォーメーションでも
 
わたしの前になるので、

パートはすべて同じ。
 
バレリーナさんが踊るのを見ながら覚えた。

バレリーナさんはバレエを習っていたことがあって、
 
ダンスが身についているし、

フォームが美しいのでいつもお手本にしていた。



振り付けの半分はガラの時の曲を使ったので、

新しく覚える箇所が少なくて済んだことにも
 
助けられた。



あんなに踊ることが苦痛だったのに、
 
踊り終わった後は楽しくてしょうがなくて、

昨日までのわたしは何だったんだろうと思った。



怒は、パフォーマンス中の写真には

フランス人形のドレスを着た
 
かぐや姫みたいな顔で写っていて、
 
衝撃だった。

冷たい顔なのに
 
こんなしおらしい顔して笑えるなんて嘘だ。

躍動感は皆無で
 
踊っている写真には見えなかったけど、

笑顔で踊ることはわたしの課題であるので、
 
悔しく思った。


 
この経験以来、前列に移動すると

自分が後列の人にかぶっていないかが
 
異常に気になる。



そしたらまた今年も、
 
合同練習で他施設の人から指摘を受けた。

直接言うんじゃなくて、
 
「あの人が間違ってるよね」と確認しあっていた。

真横で話されたら聞こえるからあせ

面識のない人たちだけど、
 
つい「あたしが間違ってる?」と話に入った。



指示された位置に立っているのに、
 
なぜか文句を言われる。

インストラクターに直接「ストップ」と言われる位置まで
 
移動した地点に立っているのに。



他施設のチームと絡むときは、
 
先にマーキングを施しておいて、

優越や強弱を強調しておく習性でもあるのかしら。

欠席者がいる箇所は空白になっているということは、

把握してるのかしら。



だけど悪意はない様子。
 
気を遣っているのはうかがえる。



その人たちは最後までわたしの配置について
 
「ずれてるよ」って教えてくれた。

わたしのことを、
 
昨日今日始めたぐらいに思っているようだったので、

「すみません、何も知らなくてー」と言っておいた。

合同練習のフロアでも、
 
最終リハーサルのステージでも、

インストラクターはわたしを呼んで、
 
直接立ち位置に移動させたにもかかわらず。

あの人たちが教えてくれる場所は、
 
先生の指示した位置とはいつも違っていた。



実は欠席者がいたスペースを修正できないまま
 
当日を迎えてしまい、

3か所にずれが生じていた。

もしかしてそのせいでわたしは
 
ずれてるって言われ続けてたの?

よくわからないけど、
 
本番は自分の思った通りに移動した。



合同練習では実際のステージを使えないので、

フォーメーションは当日の最終リハーサルで完成するもの。

なのになんでわたしだけこうも突っ込まれるの。



それで思ったのが、
 
踊りに覇気がないんだろうなってことだった。

見るからに入門者である人に声はかからない。

キャリアが長そうな人にはもっと。

上手い下手よりも食うか食われるかか。



踊りを見たら、
 
その人が気が強いかそうでないかはわかる。

性質を変えることはできないので、
 
踊り方を変えることにした。

軸足で立って腰を上下させるときに、
 
添える足先を爪先立ちにする。

これをすると重心が狂うので、
 
いつも足趾を全部床にベタ付けしていたけど、

先端だけを付けることで
 
腰部の関節可動域は劇的に拡大するし、

脚も長く見える。



苦い経験から得た苦し紛れの対策ではあるけど、
 
躍動感も出るので

精度を高めて、外野を黙らせたい。

うまくなれば、
 
そういった煩わしさからは解放されると思う。

また別の煩わしさに遭遇するのだろうけど。



マーキングの対象にならないこと、
 
これが来年の裏の目標。

それによって踊りの精度を評価するのもどうかと思うけど、

食うも食われるも自分次第。

それは文化センターで初心者を対象にしたレベルの
 
ベリーダンスの世界にも
 
あるというお話。