未知へ | kyokoumarchen
あと1週間後には搬入も終わってる。

細々したやることが残っているとはいえ、もうあとは荷造りのみ。

計画ではこの時期はもうFANTANIMAの制作に精を出している予定にしていたけど、なかなか難しい。
FANTANIMAが終わってから夏頃に個展を?と考えたりもしたけど、なんとなく先延ばしにしてはダメな気がした。
去年のFANTANIMAの頃にはもう計画していたことやったし。

今回の個展を東京に決めたのは、
その先にある、まだ見たことない景色を見てみたかったから。
これだって、未知の世界という意味では死と同じ。
あとは、関西で支え続けてきてくれた方たちへの、わたしなりの恩返しの気持ちも大きい。

いつまでも同じフィールドで闘い続けていては、見えてくるものに予測ができてくる。
その予測に執着や依存が生まれるし、視野は狭くなり凝り固まっていく。
こうあるべき、こうするべき、から、抜け出せなくなる。

そんなことを、誰が望んでいるんだろうか??
そういうことを望まれるような関係は、少なくともわたしには重たすぎる。

同じ場所で同じことを繰り返す、それは意味のあることだし、定着させてこそ発揮してくるものだって絶対にある。

でもそれは、全ての人、こと、に当てはまらない。
少なくとも、個展というものの本質を考えた時に、それは違った。


これまで、どれたけ支えられてきただろうか。どれだけのものをもらっただろうか。
膨大すぎて、ぜんぜん返せない。

東京での個展開催を喜んでくれる人がいる。
そしてまた、その開催のために多大な協力をしてくださったり、励ましてもらったり。結局またもらってばかりいる…。

個展が終わって関西に帰って来たら、みんなに、東京でやってきたったで!と、報告をしたい。
少しでも、前よりパワーアップしたと、報告をしたいの。わたしができることなんて、その程度のこと。

東京が、何なん?と言う人もいるかもしれないけど、わたしにとってはすごく意味がある場所。


個展を終えてからの、目の前に広がる景色がどんななのかを見たい、そう思って決断したけれど、個展に向かうこの過程がもうすでに見たことない景色だらけだった。

まだ始まってもいないけど、結果は、もういいかな。気にも留めないということは無理やけど、一体何に重点を置いて、結果を語るんやろう。

精一杯をやりきった上で、これあかんかったと思うことがあったらまたつぎに生かせばいいだけやし、「赤丸」での結果は今回まったく意識せずに作った。
正直売れづらいものたちやということはわかっているけど、わたしはどの作品も本気で良いと思えるし、良いと思える段階まで粘った。そこにほんまに、意味があった。

お金もどうせめっちゃかんねんから、もう細かいこと考えるだけ無駄と思って腹をくくった。


終わってみてどう思うかは何もわからない。

とにかくそこへ向かっていく過程に、言葉では書ききれないような、書きたくもないようなことがあまりにも多かった。
とにかく、自分との一騎打ち。
認めたく無い弱さやずるさに打ちのめされるばかり。

だけどその過程で、真実にだってたくさんたくさん、出会えた。
自分自分自分で、とにかく自己と対峙する訓練のようなことを一年近く続けたからこそ、見逃さなかったことが多かった。
そしてそれらは、一生の財産となるほどのことばかり。
まだ、個展始まってないのに。もういいんちゃうん、とおもわず言いたくなる…


虚構メルヘンとは一体何やったんやろうね。
きっとわたしは誰よりも虚構メルヘンを愛している。

虚構メルヘンであり続けないといけない、なんて、そんなことはもうない。
心配しなくても、もう嫌になるほど、それはわたしでしかない。

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夢は続いていく。わたしは夢のカケラたちを持っているから。




3/28〜4/1
大西けい 個展「虚構メルヘン」
サイト青山にて