
桃から生まれた・・・・・
桃太郎!!!
「ささ・・・・」

~~~~~~~~~~~
さて、さっそうと鬼が島に向かうは桃太郎!!
「・・・しかし相手は屈強極まりない鬼達。
まるで鬼の如く強い筈。
きっと顔なんかも鬼みてぇなはず。

こんなであろう!
さて、一人で良いものか・・・」
怖くなってひとしきり泣き捲くった桃太郎。
ふと気づく。
「悪戯するにもモンハンするにも絶対数が居たほうが楽しい。鬼退治もまたそうなり!」
確信した桃太郎。
楽しくなってスキップしてみたら転んで足首捻挫の模様。
ひとしきり泣き捲くった桃太郎。
仲間を求めて歩き出す。
・・・と、そこに
「桃太郎さん桃太郎さん!お腰に付けたきびだんご。ひとつ私にくださいな!」
声がしたので振り返ると・・・・
猿である!

桃「おお!ちゃんと猿ではないか!あげるから今から一緒に鬼退治に行かないか?」
猿「あ、いいよ!!猿だけど、きびだんごさえくれたら行くぜ!ウホ!」
語尾の「ウホ!」を気にしつつ桃太郎はサルと一緒に歩き出した。
猿は時折「ど~ん!ど~ん」と胸を叩くのだが桃太郎は
語尾の「ウホ!」ってゴリラじゃあるまいし・・・の方が気になっていた。
・・・・実は・・・遠くにもう一匹猿が居た。

「・・・・・あれ?俺連れてかねの??・・・猿なんだけど・・・・意外と本物なんだけど・・・。」
この猿には目もくれぬ桃太郎。
仲間探しの旅はまだ続く・・・。
・・・と、そこに
「桃太郎さん桃太郎さん!お腰に付けたきびだんご。ひとつ私にくださいな!」
声がしたので振り返ると・・・・
犬である。

犬「・・・きゅん・・・きゅんきゅん・・」
桃「これはこれは犬ではないか!!・・・・ただ、ほんの少しだが子供であろう・・・。
もっと大きな犬を紹介してくれぬか??!」
犬はスタスタと走っていって・・ほんの少しだけ大きめの犬を連れてきた。

大犬「ぐわぁぁぁぁぁ~~~~!!!桃の輩よ!桃の輩よ!お腰に付けたきびだんご、70ほど私にくださいな??!!」
桃「・・・少し頼りないが・・・70はあげられぬが、67ならあげましょう!鬼を退治に行きましょう。」
大犬が吠えるとカラスがバタバタと落ちてきた。
桃太郎はまだ猿の語尾の「ウホ!」を気にかけていた。
・・・と、そこに
「桃太郎さん桃太郎さん!お腰に付けたきびだんご。ひとつ私にくださいな!」
声がしたので振り返ると・・・・
キジである。

キジ「ぐわはは!桃太郎さん、是非とも私、鬼・・・キジも仲間に入れてくださいな?」
桃「おお!キジさん!いいですよ!一緒に鬼を倒しに行きましょう!!空中方面から攻めてくださいな!」
キジは何故か・・・
「ニヤリ・・」と微笑んだ。
キジなのに・・。
皆で山手線→目蒲線→バス38分→徒歩5分の経路をたどり・・・
辿り着いたは鬼が島!!

何の目印もなく・・
どんよりと雲のかかる・・
恐ろしい島だ。
桃太郎と、猿とキジが島に上がりこう叫ぶ。
「やい!村で悪さを繰り返す鬼共!!
隠れてないで出てきて・・・勝負しろ!!」
キジは何やらコソコソ携帯をいじっている。
きっと友達のキジへの応援メールだろう。
まさか、鬼とつるんでいて裏情報を流している訳などあるまい。
そこへ・・・・
恐ろしい鬼達の登場である!!
「ぐわ~~!!!ぐわぐわ~~~~!」
「がお~~がおがお~~!!!」


桃「なんて恐ろしい形相の鬼達だ!!これなら村の子供たちもさらわれる筈だ!!食われたかも知れぬ!!
・・・・な、猿よ?!」
猿「ウホ?」
桃「犬よ!」
大犬「ぐがががぐがわわわぁぁぁ!!!」
桃「キジよ!」
キジ「・・・・・くくく・・・・え?・・・ケーン!ケーン!!」
桃太郎は猿の語尾に慣れたが・・
「犬・・・でかくね?」
と、気にし始める。
鬼達は天をも突き破る大声で言う。
鬼A「・・・ちゅぱ?!あなたたちはなんでちゅか?」

鬼B「てぇい。僕たちは悪さっても・・・キャベツを2個盗んでしまっただけですが・・・1ヶ月何も食べてないもので・・・。」

・・・いったん静寂に包まれる鬼が島・・・・
その時である!!
桃太郎が叫んだ!!
「やっぱ猿、おめぇゴリラだな!!!出て行け!!」
猿だとごまかしていたのはゴリラであった!!
ゴ「ウホ~~~~~~(涙!!)
去っていくゴリラ。
「・・・・これが本当の猿が去る・・・かぁ・・」
何故かキジがうまい事言って皆を和ませる。
鬼「・・・ちゅぱぁ・・・・もうキャベツなど盗みませんから・・・しかも・・・盗んだの僕たちではないでちゅ!!
違う鬼でちゅ。・・・代わりに誤ります・・・。許してくださいでちゅ!!」

桃太郎たちは鬼達がかわいそうになり、とりあえずこの案件は許した。
しかし・・・村の悪さの所業の中には「子供さらい」もあるのである。
そこで桃太郎は聞いた。
桃「やい、鬼達よ!ならば、さらって来た子供たちはどこにいる??!」
鬼A「・・・・・後ろの・・・・・あ・・・・・キジになりすまして・・・・あ・・・・」
なにか言いにくそうに・・・・まるでキジが、悪い鬼張本人のくせにキジぶっているとでも言いたそうな素振りである。
桃「さあ・・・・子供たちを返せ!!」
・・・・その時、桃太郎たちにとって晴天霹靂の出来事が起こったのである!!!
「ぐわはははは!!どりゃぁぁぁーー!!!」
バキバキゴキ!!
なんと・・・・キジが犬、桃太郎をブチ殴ってKOしてしまったのだ!!
よくみたら・・・・・・
悪い鬼だったのだ!!!
悪鬼「ぐわはは!!お前たちご苦労!!良くぞ言わなかった!!もう帰っていいぞ!!」
ちび鬼達は角をおもむろに取った・・。
ただの天パーの子供たちだったのだ!!
やられた!!!
桃太郎と・・・・犬がやられたのである!!!
悪鬼「ぐわはははは!!弱い!!弱すぎるのじゃ!!桃太郎よ!!!」
ぐたりと伸びてしまった桃太郎と犬。
・・・・・このままでは村が・・・・老夫婦が・・・ひいては村が危ない!!
・・・・・・・・その時だった・・・。
「ウキャキャキャーーーー!!!」
ドドン!!

猿だ!!
正真正銘の猿が現れたのである!!!
悪鬼「なんだ!お前は!!仲間に入れなかった猿ではないか!!
ぐはははは!!相当仲間に入りたかった模様!!お前など同じように・・・こうしてくれ・・・・」
スタっ!!
ズバン!!

数メートル飛び上がり・・・稲妻のごとき後ろ回し蹴りを食らわした猿!!
悪鬼「うわ~~~~~!!」
鬼は木っ端微塵に砕け散った・・。
は!・・と意識を取り戻す桃太郎。
桃「お前は・・・・・さ・・」
何かを言いかけた桃太郎を遮るかの様に・・・
人差し指を左右に振る猿。
猿「・・・・・チィチィチィチィ!桃太郎の旦那!
あっしは猿ではございません・・・・・
チンパンジーですよ。
・・・さ、この奥に子供たちとお宝が沢山あります。村に持ってってくだせぇ・・。では。」
さっそうと去る猿。
大犬はクソを漏らしている・・・。
~~~~~~~~~~~
村に桃太郎の一団が帰ってきた。
たくさんのさらわれた子供と、沢山の奪われた宝を携えて・・・・
桃太郎を抱きしめて喜ぶおじいさんとおばあさん。
おばあさんが言った。
「桃太郎や・・・・沢山の子供達と宝物を持ってきてくれて有難う・。
ただ・・・・
あたしのお腹にも・・・子供という宝ができたのじゃ!!
なあ、じじい!!」
おじいさんは頬を赤らめた。
はにかむ桃太郎。
こうして・・・・・・
村に・・・・・・・
平和が訪れたのであった!!!
晴れ渡る空・・・飛び回るトンビたち・・・・
暖かい昼下がり・・・・・
遠い・・・
遠い・・・・
松ノ木の上で・・・・
一匹の猿が・・・・
村をずっと見つめていた・・・。

おしまい。