《つづき》

その後もAちゃんとのLINEは毎日のように続く。
内容は他愛も無いことだったりお互いがお互いに惹かれあってるということの確認だったり。

しかしながら6月の弾丸訪タイまで2週間を切った頃、何の前触れもなく彼女からの連絡はプツリと途絶えた。

最初の内は気にもせずに1日1回くらい連絡を試みていたんだけど、既読にすらならない日が3日も続くとさすがに心配になってきた。
何があったのだろう。

今回の訪タイはコーハイくんに誘われたことがキッカケだったとはいえ、その目的の大半は“Aちゃんに会いに行く”ってコトである。
会える確約が無いまま行くくらいなら延期するって選択肢もありそうなものだが、正直なところキャンセル料が勿体無い。

何があったのかな。

祈るようなキモチでさらに1週間を過ごし、旅行まであと4日と迫った時、ボクのケータイはようやく彼女からのLINEメッセージを着信した。

「ゴメンなさい。」

謝罪から始まるそのメッセージには、自身が怪我をしてしまったこと・療養のためにイサーンの実家に戻っていることが記されていた。
続いて実家のキッチンで写したであろう後姿の画像を着信。
彼女の右大腿部はほとんどが包帯で覆われていた。

ボクは心からのお見舞いの言葉を送信した後、“こんな時に自分本位な･･･”っと思いつつも今後の見通しを確認する。

『そうすると、今週末は会えないのかな。』
「会いたいです。金曜日にはバンコクに戻れると思うので。」
『うん。じゃ、また連絡くださいね。』

ふむ。なんとか繋がったかな。
あとは確実に渡航できるよう、業務調整に細心の注意を払うのみだ。

そして、6月訪タイの幕が上がる･･････

《つづく》

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日常と非日常とのハザマで。（その7）～彼女の事情～