宮田比呂志さんの馬券術を紹介するシリーズの6回目です。前回から当日予想の話になりましたが、宮田さんの当日予想のポイントは【枠連法則】、【枠人気法則】、【枠の強弱】の3つに集約できます。前回は【枠連法則】:全8枠を147枠、258枠、36枠の3つに分類すると、日によって出目のパターンに147が強い日、258が強い日、といった傾向があるということでした。今日は、【枠人気法則】です。

 

枠人気の出し方 ――

 【枠人気法則】

 競馬の場合、人気というのは単勝の売上げに基づいていて、売上げが多い馬ほど払い戻しの倍率(オッズ)が低くなります。オッズのいちばん低い馬がそのレースの1番人気で、以下、順に……18番人気となります。

 出走馬に人気順位があるように、枠にも人気順があるんです。馬の場合は単勝オッズを見ればわかりますが、枠人気は出ていないので自分で調べなくてはいけません。でも、そんなにむずかしいことではありませんよ。【枠人気法則】の前に、その出し方を知っておいてください。

 

 オッズプリンターを利用すると簡単です。調べたいレースの枠連のオッズを見て、まずオッズのいちばん低い人気の中心となっている枠をピックアップします。

 ほとんどの場合、単勝の1番人気の馬が入っている枠がそれに当たり、その枠が1人気枠となります。

 07年暮れの有馬記念を例にとって説明します。……(さすがにここはデータが古いので、このあいだのヴィクトリアマイルの枠連人気を例に、同趣旨の説明に代えます)人気の中心は8枠に入ったアスコリピチェーノでした。8枠がらみの枠連オッズを見ます(8ー8は省きます)

 

 1-8   5.7

 2-8   6.9

 3-8  37.3

 4-8  46.0

 5-8   5.3

 6-8  17.2

 7-8  16.7

 

 これを人気順に並べると、8枠から5枠・1枠・2枠・7枠・6枠・3枠・4枠となりますね。

 

 1人気枠=8枠

 2人気枠=5枠

 3人気枠=1枠

 4人気枠=2枠

 5人気枠=7枠

 6人気枠=6枠

 7人気枠=3枠

 8人気枠=4枠

 

 これが枠人気の出し方ですが、スポーツ紙の中にはコンピュータを使った馬番と枠番人気順位を掲載しているものもありますから、それを利用するのも手でしょう。こうしてその日の全レースの枠人気を出しておきます。午前中にチェックした場合、午後に多少の変動があったとしても気にする必要はありません。

 

「荒れる」レースの調整に ――

 出した枠人気を3つのグループに分けます。

 

(A)1・2・3人気枠=本命グループ

(B)4・5・6人気枠=中穴グループ

(C)7・8人気枠   =大穴グループ

 

【枠人気法則】とは、枠人気を用いて、その日はじけるグループを先取りしようというものです。

 ハイリターンを目指す私たちとしては、Aグループはさておき、B・Cグループの動きがポイントになります。私のデータでは、Cグループが飛び出すのは1開催8日間の中で1日か多くても2日です。……(ちなみに、先週までの今東京開催8日間で、一日にCグループ=7・8人気枠が4回以上出現した日は4/26、4/27、5/4、5/10の4回ありました。他方、京都開催では、4回以上出現した日は2回でした)

 残りの6~7日はAかBグループで決まります。Aグループだけの日の荒れるレースは、1・2・3人気枠に入ったノーマークの馬(ウラ人気馬)の大駆けによるものです。そして、多くはA同士、AとB、B同士の組み合わせとなるわけですが、3連単馬券の場合、穴党としてはこのBグループの動向こそキーポイントになります。

 ……前半にBグループが動いている日は、後半もその傾向が続くというのがデータに表れています。10レースまでの枠人気の動きから数運シグナルを読み取り、メインと最終レースの攻めを軸の2頭から「数運」に合ったほうを選んで1頭軸にし、相手馬の変更や付け加えるなどの調整に用いるのが【枠人気法則】です。

 競馬ファンはしばしば「荒れる」という表現をしますが、【枠人気法則】をチェックすれば、「荒れる」要素の浅い・深いがはっきりするので、どのあたりの穴馬を狙うべきかが見えてきます。……

(宮田比呂志『「数運」をつかむ技術』 60-64頁)

<続>

 

 

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