去る5月、念願だったMartinオーナーに復帰しました。
お世話になったのは、御茶ノ水のクロサワ楽器さん。
さすがに予算にも制限がありますので、予算内でということにはなりますが、これでもかとたくさん弾かせていただきましたので、記録に。
これから、Martinを買おうと思っている方の少しでも参考になれば幸いです。めちゃ長いので、覚悟してください。
(楽器は個体差がものすごく大きいので、あくまで今回の個体たちの比較です。)
候補は以下…
00X1AE
000X1AE
000-16GT
OMCPA4
OMCPA4 RW
OMCPA2
GPCPA4
000C-16E
000-18
D-18
00-18
000-28
基本的には、OMサイズを中心に。エレアコも入ってますが、ラインの音は考慮しません。生音勝負。
3本選び、勝ち残った1本に2本を加えまた勝ち抜き…という形式で行いました。
でははじまりはじまり~。
ラウンド1
・00X1AE
まず安い方からということで、ここからスタート。
00スタイルながら、ロングスケールをもった風変わりなギター。
トップ板以外は、HPLという集積材でできているらしく、見た目とは裏腹に若干重いです。
最初に弾いたということで、比較対象がタカミネだったからか、鳴りはよく感じました。
Martinぽい中域の音も出てる。
ココらへんは、集積材の鳴りの限界を考慮して、ロングスケールが選ばれているのかもしれません。ショートスケールでは、ちょっと貧弱だったかも?
価格が10万切っていたので、「おっ、これで納得できるんなら、お買い得じゃなーい?」なんて思ってしまいました。
意外な好感触を覚えながら、さっそく次のギターへ…。
・000X1AE
これは、さっきのギターのちょっとだけボディのサイズアップした版です。
これもロングスケールで、感想もおおよそ同じ。
サイズによる音の違いは、まぁ若干こっちのほうが音でかいかな?という程度。
この2つが候補にあるなら、変にサイズは意識せず、いちばん気に入った個体を選べばいいかなという感じです。
・OMCPA4
さて、ここで価格帯がぐんと上がります。
OM…000サイズのボディに、ロングスケールネックということで、実はさっきの000X1AEもOMサイズといえるんですが、ナット幅で呼び名を区別しているのかな?こっちは幅広です。
音は…オール単板ということで、めちゃ鳴り!
ていうか、すごく良くない?コレ。
個人的に、ストロークした時の「余裕」といったらいいんでしょうか。どれだけ強く弾いても、アタックは強くなるけど、弦のしなりは残ってる感じ。そこにギターの良し悪しが現れると思ってるんですが、その余裕を感じます。
エレアコだし、PU増設もしなくてOK。エレアコは鳴らないなんて、嘘っぱちです。
あー、これ弾いちゃったら、1シリーズには戻れませんなー…。
とりあえず、ラウンドワンは圧倒的な大差でこのギターが勝ち残り。
ここから先で出て来る「鳴りが」とか、「音が軽い」というのは、これがベンチマークになってます。
ということで、勝負は続きます。
ラウンド2
・000-16GT
これも000とは言ってるけど、ロングスケール。
前に持っていたMartinは、「000C-16GTE PREMIUM」というギターで、そっちはエレアコだったけど、こっちはストレートアコースティックです。
16GTEが、とても好きだったので、期待して弾いたんですが。
うーん?(^_^)
まぁ悪くはないんですが、なんか音が軽い?
個体差なのか、それとも、16GTEは新進気鋭のシリーズということで気合入っていたのか(プロの愛用も多かったようですし)、以前の印象には遠く及ばず。
価格もMartinでいえば安いのかもしれないけど、20万迫るし…あえてこれを買うメリットはあまりないかな?
次へ。
・000-16E
これも同系統のシリーズ。
ただしこっちは、マホガニーではなく、チェリー材を使っています。
これはなかなか悪くなかった。ちょっと見た目がイケイケGoGoな感じが出すぎていますが。笑
ただ、やはりちょっと音が軽いかな?
軽やかってことではなく、鳴り自体がちょっと貧弱な感じです。マホガニーやサペリとは根本的に音の傾向が違うのかも。
先にOMCPA4を弾いてなかったら、ちょっと印象は違ったかもしれませんが、いかんせん価格が高い。
ということで、またしても、OMCPA4が勝ち残り。次いきましょうー。
ラウンド3
・000-28
さて、このラウンド3が天王山と思っていました。
レギュラークラスのストレートアコースティック達が登場です。
000-28は、今はいちばん売れてそうな印象のあるギターですがどうでしょうか。
と、うーん…?
たしかに音量は出ます。腐ってもストレート。
ただ、余裕があまりない感じ?
まぁ、000は、ストローク向きのギターではないとは言われますが、このクラスまできて、ここまで極端に不向き感が出ることもないはず。これが個体差なのか…。
低音がこもりがちなのもちょっと気になります。ローズウッドなので、もうちょっとキラキラした音を望んでいたのですが、キラキラ感もあまりない。
新品のMartinが鳴らないって言われるのは、こういうことなのかもしれないな…。
ちょっとがっくし。次へ。
・000-18
こちらは、マホガニー。
いちばん好きなアコギの音は、昔から、「B'zの松本さんの使ってる000-18」な僕なので、期待大です。
ところが…これもさっきの000-28と同じような感想。orz
もしかしたら、コードストローク中心で検証したのがいけなかったもかもしれないとは思いつつ、憧れのあの音には遠く及ばないことを実感。
やはり、レギュラークラス買うなら、中古を狙うしかないのかな…。
ということで、意外な結果に、新品への期待薄みたいな感じになってしまいましたが、ここでOMCPA4に戻ってみると、あらあら、容赦なく鳴りまくってます。笑
ここは断言します。好き嫌いとか関係ない。完全にアコギとして、こっちが上です。
というわけで、「なんで安いエレアコのほうが鳴ってるんだよ」という複雑な思いを抱えながら、OMCPA4を携え、次ラウンドへ。
ラウンド4
・OMCPA4 RW
さて、もしかしたら、PAシリーズの出来がいいんではないかということで、少し価格帯を押し戻して、勝負は続きます。
こちらは、OMCPA4の兄弟機。サペリVSローズウッド。
これは、よかったです。生鳴りもバッチリ。やっぱり、PAがいいんじゃないのか?
驚いたんですが、ずっと同じゲージの弦を弾いてるはずなのに、このギターだけは、弦のゲージが細く感じたんです。
店員さんに「これは細いんですねー」なんて話しかけたら、「え?同じですよ?」と。
( ´∀`)またまたー
しかし、目で実際に比べると、やはり同じでした。笑
それくらい、明瞭なトーンの差があります。さっきの000シリーズでは、感じられなかった木材の違いをはっきりと感じました。
こっちのほうが音がスッキリしています。高温がきらびやかに、低音はまとまってではなく、単弦としての輪郭をもって響きます。
これは悩ましい。ソロギター中心なら、こっちのほうがいいかも…。いやでも、ストロークなら、サペリのほうがいいかも…。
初めてのライバル出現。
とりあえず、次のギターのセッティングができたので、次へ…。うーんうーん。
・OMCPA2 Plus
こちらは、OMサイズ、PAシリーズの上位版です。サペリではなく、マホガニーです。
がしかし、ちょっとガクッと。
なんか鳴りがよくない。
いや、名誉のために言わせてください。サペリの音傾向が好きなだけとかそんなレベルじゃないんです。明らかに、OMCPA4のほうが鳴ってます。
と、ここで、頭の中をひとつの仮説がよぎりました。
「もしかしたら、Martinでさえ選定ができないほど減少傾向にある高級木材よりも、まだ豊富にあるサペリなんかの方が、選定の余地がある分、アタリ個体が多いんじゃないの?」
これは、完全な私見です。批判も受け止めます。が、今回の弾き比べをしてる限り、そう思わずにはいられませんでした。
Taylorでいちばん売れてるのが、サペリの3シリーズなのも、それが関係しているのでは?
さて、話がずれましたが、音以外にOMCPA4とあまり違いのないこのギターは、すぐに候補外へ。
ということで、OMCPA4シリーズのぶつかり合いになったこの比較。ちょっとルール違反(自分で決めただけだけど)で、2本キープし、最終決戦に挑みます。
ファイナルラウンド
・GPCPA4
さて、PAシリーズもこれが最後ということで、GPです。
これは、ボディ厚が深くなっています。
おそらく、PAシリーズは、MartinからTaylor社への挑戦状なのかなと思っていて、カタログにも、「Martin社がいま最も力を入れているシリーズ」と書かれてますが、それは、Taylorに奪われたアメリカナンバーワンギターの座を奪い返しにいくという、決意の表れであると勝手に思っています。
そういった意味では、このグランドパフォーマンスというサイズのギターは、Taylorの主力であるグランドオーディトリアムと相対する、もっとも重要なラインナップであるはずです。
その感想はというと…
ふむふむ、これも素晴らしく鳴っています。
OMと比べると、その低音の力強さが際立ち、ストロークでは大迫力です。
ただ、ライトゲージの弦を張ると、少々低音が出すぎている感はあります。ここは好みですね。
もしこれを買うなら、ゲージはカスタムライト辺りにしたいかなと思いましたが、そうするくらいなら、OMにライトゲージの方が、振り幅は広く持てていいかなという感じです。
ソロを捨てて、ストローク1本でいくなら、これもありかも。エレアコなら、ドレッドよりもこのくらいがちょうどいいかな。
やはり、PAシリーズ、いいギターです。
・D-18
これは、オマケです。笑
せっかくここまで弾き比べたんなら、ドレッドノートも弾いてみようよということで、弾かせていただきました。
うおー、すごい迫力です。音でかい、低音すごい。GPどころの騒ぎじゃない。
不思議なことに、000サイズよりも、ニュアンスも出ています。明らかに、さっきの000よりも、素質のいいギターです。レギュラーラインが悪いわけじゃないのかも。やはり個体差ぇ…。
ドレッド狙いなら、買っちゃったかも?
ただ、低音があまりにもすごいので、ドレッドノートならローズウッドでという人が多いのも納得。もうちょっとスッキリさせたい感じあります。
とういわけで、必ずしもレギュラークラスが悪いわけじゃないとわかってよかったです。はい。
判定
はてさて、そんなわけで、弾き比べも終了。2時間も付き合ってくださり、店員さんにも感謝しかありません。
最後まで、候補に残ったのは、兄弟対決。
OMCPA4 VS OMCPA4 RW
じっくり弾き比べ…
最終的に、OMCPA4に決定しました。\(^o^)/
まさかの全ラウンド見事な勝ち残り。店員さんも笑ってました。
決め手は、「余裕」と「音のまとまり」です。
やっぱり、ストロークするなら、ある程度音はまとまっていた方がいいですね。
さて、弾き比べの総評としては、途中にもポロポロ書いたとおり。
・値段は関係ない
・PAシリーズは総じて良い
・レギュラーラインは、品質と価格のバランスがあまり良くないかも?
・エレアコでも鳴るものは鳴る(今はあまり関係ない?)
・材のネーミングバリューで判断してはいけない
・サイズの先入観は捨てましょう
・1シリーズも、値段からすれば、結構良いよ
です。
繰り返しますが、このレビューは、個人的な感想であり、個体差はあまり考慮されていません。
ただ、故にしっかりと弾き比べないと、わからないことがたくさんあるということは確かです。
以上、ギター選びのご参考になれば、幸いです。( ´∀`)
ではまた。