セックスハウツー本というのは、爆発はしないものの、常に安定した
需要を示しています。最近では、書店に「セックス」というジャンルの
コーナーが設けられているのが、目につきます。
もう昨年の自分の著書には触れたくないのですが、触れてしまいますと、
『愛欲の日本史裏絵巻』も、某書店で最初はセックスのコーナーに置かれて
いました。まあ、著者のイメージでしょう。一ヶ月後、学術書に移動しており
ました。極端です。
まあ、今の話は、どうでも良いです。セックスハウツー本が安定した人気を
誇り続けるのは、多くの人間にとって必要な要素であるだけでなく、絶対的
な答えがないからでもあると思います。
性感というのは、触れられた時の触覚に加え、視覚、嗅覚、聴覚、味覚に
加え、大脳皮質で起こる心理的要因までが絡んだとても複合的な感覚な
のであります。だから、個人差がとてつもなく大きい。はっきり申しまして、
全ての女性、或いは全ての男性をイカせる方法なんていうのは、存在し
ません。
なんて言ってしまったら元も子もないと言われそうですが、実際そうだし、
またそうだから面白いのです。また、答えがないというのは、裏を返せば答え
が無限大ということでもあるわけで、それ故普遍的なテーマともいえるので
あります。
前置きが長くなってしまいました。ただそんな中。よくハウツー本に、「下腹部、
わきの下、うなじなど毛のある所は感じやすい」などと書かれているのを目
にします。これは、科学的根拠があるのです。
人間の皮膚には”バチニ小体”という名の感覚器官が散らばっています。愛撫
によって受けた皮膚刺激は、このバチニ小体から脳に伝達され、快感が引き起
こされるという仕組みになっているそうです。いわば快感の発生源なのです。
このバチニ小体は、性器や唇の他、毛根にも多く分布しているそうです。だから、
うなじやわきの下、下腹部など毛の生えた所が感じやすいというのは、一応科学
に基づいてはいるのです。
ちなみにこのバチニ小体、200~250ヘルツの振動によっても強く反応し、
興奮を引き起こすことがわかっているそうです。男の声が、およそ60~500
ヘルツということです。このうち多分60~150くらいはきちっと発声していない
時のものでしょうから、基本的にやや低音気味の男の声が、バチニ小体を
刺激しやすいということになります。
私はおかげさまで、よく美声だとは言われます。ただし、高音の甘い声だと。
昔或る女性ライターに「山科、お前には男のフェロモンというものが全然ねえ
んだよ。そんなことでいいと思っているのか!」という無茶苦茶な説教をされた
ことがあるのは、昨年11月中旬にこのブログに書いた通り。甘い美声でありな
がらフェロモンがないと言われてしまったわけです。
あれも、高音のせいだった? まあ、一時低音の男に、コンプレックスから来る
対抗意識を燃やしていましたが、今はこれも個性だと思うことで、それも完全
に消えています。
ところでこれも全くの余談ですが、亡父によると、私の家系は、男が声変わりし
ないのだそうです。確かに亡父もそうでしたし、私も成長と共に太くはなって、
芝居による発声練習で、さらに太く重くはなりましたが、高さはあまり変わって
いないかも。しかし、そんなことって、あるのかな。ただ、変声期の苦労って、
記憶がないのですよね。