かつてプロ野球、阪急や近鉄を監督として優勝に導き、名解説者
としても楽しませてくれた西本幸雄さんが、亡くなりました。
最近では、解説の方も引退され、たまに、戦争の悲惨さを伝える
語り部としてマスコミにコメントが出るくらいでしたね。91歳ですか
ら、大往生でしょう。
私は、この人、好きでした。印象に残るのは、近鉄時代のキャンプ
でのエピソード。近鉄というのは、ワルというか、ヤンチャな選手が
揃っていたそうです。西本さんが監督時代は、その極致で、結構
血の気が多い選手もいたそうです。
そんな選手たちを、西本さんは、しごきまくりました。練習が終わる
と選手たちは、グラウンドに倒れたまましばらく動けません。
しかしそれでも、ただ大人しく倒れているだけの選手たちではあり
ません。
「このくそオヤジ、死ね」
「てめえ、後でしばいたろか」
「絶対ただじゃ、おかねえぞ」
皆それぞれ、西本監督に、罵声を浴びせたそうです。
しかし西本さんは、
「おうおう、それだけの元気がありゃあ、明日も大丈夫だな。アハハハ」
と高笑いをして、罵声を浴びせる選手たちの横を、悠然と歩いて行った
そうです。
雑誌で読んだエピソードですが、真実のようです。何となくレトロな
光景で、面白いですね。御冥福をいのります。