落合退任で「ゾーン」に入った中日選手たち | 山科薫マニアックな世界を楽しみましょう

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脳が深いリラックス状態にある時、そこに平常時の6割増しという大量

の血液流れ込むそうです。脳はその受け取った血液を活用して全身に

運び届ける酸素の量を増やし、その酸素が更なるエネルギーを生み出

すのです。


そうなった時、人間(というよりあらゆる動物)は、自分の得意な分野で

思いがけない力を発揮しやすくなる。この状態を、「才能の横溢」、スポーツ

の世界では、「ゾーン」とも呼ばれます。


このゾーンとか才能の横溢といった状態は、人間にとって生きる醍醐味

でもあり、最大の楽しみでもあります。こうした体内現象があるからこそ、

人は夢を追いかけ、困難に挑戦したくなるし、他人に期待したり、夢を託

したくもなるのです。


ところが、この醍醐味に徹底的に背中を向けることで成功してきた人が

います。中日の落合博満監督です。

「うちは勢いで野球をしていない。緻密で野球をしている」なんていう発言

を見れば、一目瞭然です。


実際やっている采配は、確率と安定重視で常に計算づくし。まぐれ当たり

や偶然性といったものの価値をほとんど認めようとしません。これは我々に


「夢なんて追うな。目の前のことを堅実にこなしてこそ成功は訪れるんだ」

「たまたま訪れた幸運にそれほどの価値はない。そんなものに浮かれてい

ては、長続きしないぞ」


などと説教をされているような気さえして、そりゃあ見ている人にとっては、

面白くないことこの上ないのだと思います。でもそれで勝ってしまうわけだ

から、文句は言えない。でもますます人気は落ちる。そんな繰り返しだった

と思います..また、この確率重視主義のおかげで、若手野手が結果を気にし

て打撃が小さくなり、伸び悩むという弊害もありました。


この落合野球には根強い支持者も勿論いて、賛否両論でもありました。


ただ、落合監督の退陣が発表されてから、選手の様子が明らかに変わり

ました。彼らの中から邪心や計算が抜け、良かれ悪しかれ大監督との別れ

という感慨だけが残ったのだと思います。だから選手の心にあるのは、残り

少ない落合野球を満喫したいという純粋な気持ちだけなのではないでしょう

か。


そしてその気持ちが、落合さんがあれほど背をむけていたゾーンを、しばし

ばチーム全体に生じさせているように思えます.実際最近の勝ち試合をみても、

ソツのない中日らしい野球などしていません。むしろエラーやずっこけたプレ

ーを随所にしながらもそれを気にしないおおらかさの方が目立つくらいです。


何とも皮肉な結果だと思います。昨日一昨日はややその純粋さが崩れて負

けましたが、優勝は間違いないでしょう。


私は、プロフィールにもあるように、東京生まれの東京育ちですが中日ファン

です。落合さんに不満は色々ありましたが、こうなったら残り少ない大監督

落合野球を思い切り楽しもうと思います。