草野球を目黒線沿線でやることが多かったせいで、大田区の温泉付き銭湯
にはよく行きます。昨日、「湯~シティ蒲田」に行きました。
蒲田駅東口から歩いて5分弱。呑川を越えて直進するとまもなく建物が見え
ます。
手前がジャグジーや座風呂などがある大浴室。そして奥の個室っぽくなって
露天風呂が、黒湯温泉となっています。ちょっと黒砂糖のような匂いがします
がこの黒湯、大量の海藻エキスが溶けてこの色になっているそうで、体に良
いのは当然。だいぶ前ですが、見知らぬ初老の人に湯船に浸かりながら話
しかけられました。
「ここは、いいねえ。毎週鬼怒川からきてるよ」
「え!鬼怒川は、温泉の本場じゃないですか」
「いやあ、蒲田のお湯のが全然いいよ」
鬼怒川の皆さん、これ、私の意見じゃありません。自称鬼怒川のオジサンの
意見なのでよろしく。私は鬼怒川に行ったことがありません。ただ、この黒湯、
ぬくもりが体の奥まですぐに浸み込んでくる感じで、細胞が活性化されるのが
はっきりわかります。体が軽くなるのです。
上がって外に出ると、心までポジティブになりました。そこで西口に廻り、居酒屋
「鳥万」へ。ここは安くて、すぐに酔っぱらえます。つまみのメニューが百種類は
あって、全て300円前後。
温泉効果もあって、ビールの瓶1本をアッという間に空けた後ホッピー。ここの
ホッピーは、濃いです。焼酎の量もさることながら、濃度もあるような気がするの
ですが、実際はわかりません。すぐ酔えるというのは、このせいです。
中焼酎を頼むと、コップ1杯が並々に出されます。そろそろ、心が宙を舞い始め
きます。これが良いのです。そう。この瞬間を、待っていました。
私の家は、八王子市。蒲田からは、遠いです。電車の乗り換えも結構あります。
酔っぱらったら、どんな事故や事件に巻き込まれるかもしれない。なんて考えて
いると、スリリングな快感が込み上げてくるんですな。
まるでゴルゴ13になったような気分。サスペンスドラマの主役を演じているような、
いや、そのままサスペンスを地でいっている気分なんですね。このスリルこそ、最高
の酒の肴なのです。
テーブル席で見知らぬ人と相席しながら、私はこのポジティブでスリリングな大衆
の中の孤独を楽しみながら、ホッピーを計3セットのみました。
そして今日、こうして書いているということは、体は無事ということです。残ったのは
二日酔い。温泉効果も、あまりに酒量が度をこえたら、こうなります。
そして、昨日の私の状態を表す心理学用語を、見つけてしまいました。
人間には、自ら危険を求める心理がある。しかしそれは、どこかに”本当は危険じゃ
ない”という救いがあるからできること。ある境界線を越えないという理性は働いて
いる。ということです。
その境界線を説明するのに適切な例が、SМと拷問や虐待の差異だそうです。SМ
の場合はそれをゲームと思うから楽しめるのであって、本当に相手に危険を感じたら、
楽しめない。ということだそうです。そしてこの境界線を「デンジャラス・エッジ」という
そうです。
昨日の私は、このデンジャラス・エッジ。そしてゴルゴ13と思っていたあのスリリング
な快感は、単なるМ心理?二日酔いが増しそう。