御城プロジェクトのイベント ~旨味のない周回ゲーは結構苦痛かも知れない~ | 十姉妹日和

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つれづれに書いた日記のようなものです。

御城プロジェクトのはじめてのイベントが去年の年末から実施されています。

今もまだその期間中なのですが、あんまり春日山城も出そうにないので、一応クリアはしましたし、ここで感想を少し書いてみたいと思います。


去年御城プロジェクトがまだ「御城これくしょん」という名前でβテストが行われたとき、事前の期待が高過ぎたこともありますが、それほどユーザーからの反応は好評ではありませんでした。

しかし、いくつかの点が改善されれば「艦隊これくしょん」ほどではないにしてもDMMのゲームの中では比較的に成功するんじゃないか? という期待をしていたのもそうです。


実際、正式にリリースされた後は、それなりに評価も良くなり、固定のユーザーも集まってきました。

ポイントはやはりもともとのタイトルの通り「これくしょん」がしやすかったからでしょう。

こうした「女の子を集めるのが主眼のゲーム」では、どれだけキャラを増やせるか、またそれをどれだけ効率的に集められるかがユーザーを掴む鍵になります。


同じ時期にDMMからリリースされた「かんぱに☆ガールズ」はこの部分で女の子を集めるのがすごく大変だったことでユーザーがかなり短期間で離れてしまいました。

城プロにももちろん入手し難い城娘はいるのですが、かんぱにのそれと「艦これ」に例えて比較すると。


・城プロの場合、入手し難いのは大和、武蔵、長門、陸奥などレアリティの高い艦娘。


・かんぱにの場合、入手し難いのは金剛型、正規空母など、中級クラスのレアリティからすでに非常に高い。


というくらいに違います。

ただ「ドロップ」というのを考えると城プロも艦これほどよくはありません。

艦これならマップをクリアしていけば入手できる艦娘もどんどん増えていきますが、城プロの場合「銀レア」以上の艦娘(城娘)はほとんど建造(築城)での入手がメインとなり、このため建造の重要度は高くなっています。


ですが、その建造(築城)も銀レアが案外と出やすくなっているため、図鑑をすべて埋めるとなると困難ですが、一定数の城娘を集めるくらいならそれほど難しくはありません。

後は好きな子を育てていけばいい、という具合です。


そうした中で迎えたはじめてのイベント。


これがどんなイベントになるかで、城プロの評価もある程度固まるものだったんですが、結果からいえば「残念ながらかなり評価の悪いものになった」というのは間違いないだろうと思います。


その第一の理由は難易度です。

先ほど、城プロで入手し難いのは「艦これでいえば大和型、長門型などの、レアリティの高い」ものが多いと書きましたが、実は性能という点では艦これよりも城プロの方がはるかにレアリティで差がつくようになっています。


しかし、このイベントがはじまる前に公開されていたマップは「必ずしもレアリティの高い城娘が必要ではない」というのが前提になっていたものでしたから、基本は銀レア以上の城娘を中心にした編成にコモンの城娘を入れることで十分にクリアが可能だったわけです。


これがタワーディフェンスというゲームの特徴だと思いますが、「きちんと配置が上手くいけばほとんどノーダメージでクリアすることも可能」なため、ゲームの難易度をプレイヤーの解き方で多少は緩和できることに加えて、好きなユニットを配置するという楽しみがあるのだろうと思います。


ところが今回のイベントはそれができません。

敵の射程が大幅に強化されていることや、たくさんの敵が一度に湧いてきて、しかも「対空能力」がなければ攻撃が当らない飛行ユニットも多いため、ダメージを抑えてクリアすることができるのはせいぜい前半の数マップだけになってしまい、後半にいくほど強い城娘を集めての殴り合い、という場面が多くなります。


その結果、「艦これ」でいえば「大和型を中心にしたレア娘だけで部隊を編成して殴り合う」というのがイベントの一般的な攻略方法になってしまい「レアの高い城娘(ホロ)を持っていないユーザーは最終面までとてもたどり着けない」ということが起きてしまいました。


開始二ヶ月にも満たないゲームでそこまで城娘が揃っている人が多いはずもありませんし、さらに艦これとの大きな違いとして「運の要素があまり絡まない」というのも悪い方にこうなると出てきます。


艦これならダメージや防御の判定には運が左右しますから、ある程度鍛えた部隊で、羅針盤の法則さえ判明していれば何度も出撃するうちにクリアすることができるかも知れない、というのがあるのですが、それがなくなれば、むしろ何度やっても勝てない編成では勝てない、という仕様になるため、一度ひとつのマップで足止めされるとそこまでで終り、という人が多くなります。


この仕様に一番ショックを受けたのは「お気に入りの子がまるで使えない」ということになってしまったユーザーでしょう。

いくら能力を上げてもレアリティの差から来るステータスの違いは埋まりません。


ゲーム中でも最高性能を誇る名古屋城は耐久が最低でも6000以上、最高攻撃力は500以上という高い数値を誇っていますが、銀レアの同じ属性の城娘大多喜城は耐久が多くても2500前後。攻撃力も400に満たないほどと、明らかに戦力としての能力が違ってきます(もちろん消費コストもぜんぜん違います)。


このため「これじゃホロ(最高レア)の城娘そろえてる人しかクリアできないようなもんじゃん」という声があちこちで溢れました。

しかも、さらに追い討ちをかけたのが今回のイベントの「報酬」として看板になっている城娘「春日山城」の入手条件に関するものです。


実はこの春日山城、すべてのマップをクリアした後で発生する任務をクリアする、というのが当初唯一の入手条件だったのですが、その条件たるや。


・ただでさえ難易度の高い最終マップを50回クリアしろ(その前にも特定のマップをクリアする必要があります)。


というものだったために、この任務の内容が発覚するやwikiなどでは騒ぎになりました。

確かに艦これなどでもイベントの最後に「エクストラステージ」としてクリアするのが非常に難しいマップが用意され、そこをクリアすることで特定の艦娘を手に入れることができる、というのはすでに恒例ともなっているものの、城プロのこの条件はいくらなんでもあまりにも面白味に欠けるものです。


まずクリアできる人があまりいないのに、そこを周回するとなると「課金アイテム」を大量に買い込んでごり押しするか、できるだけ安定したクリア方法が確立されるのを待つしかありません。


ですが、そんな条件を見せられたユーザーがそうすんなりと納得するわけはありません。

「いくらなんでもこれはイベントとしてどうなんだ? ただでさえホロがいなきゃクリアできないとかいわれてるのに」と公式コミュニティやtwitterのアカウントにも抗議が殺到し、その結果春日山城に関しては「わずかな確率だけれど、特定のイベント中のマップでも春日山城がドロップする」という入手方法が後から追加されたものの、このイベントの与えた印象がよくなかったのは確かでしょう。


イベントとしてみれば、失敗の原因はまた「タワーディフェンス」でありながら、配置よりもユニットの性能に依存するという印象を与えてしまったことにもあります。

ここで「工夫すればクリアできる」というのがなければ、ユーザーとしてはつまらなくなります。


では、こうしたデメリットを考えたときに運営側がどういう意図でこのイベントを用意したのかを考えて見ますと、何度も同じマップを(といってもE-7ですが)周回しているうちに、ある程度これもわかってきました。


それは、難易度はかなり高めではあるものの、配置をなんとかすれば「何度かユニットを入れ替えすることでクリアすることも不可能ではないマップも多い」ということです。

そしてこの方法を使えばホロの城娘がいた方が断然楽になるのは変わらないものの、銀レア以上の城娘を中心にした編成ならなんとかクリアできる可能性もあります。


例えば先ほどの名古屋城の代わりに耐久はやや劣るものの守備が高く、何より入手しやすい福井城を配置しても、安定こそしませんがE-7くらいならクリアはできました。

そしておそらく最強の遠距離能力と耐久を持つ小田原城がいなくても、松前城と鳥羽城(たぶん福岡城でも)を入れ替えて使うことで、ある程度の代用は可能だろうと思います。


ですから一度マップをクリアしたら「この子とこの子を入れ替えることで代用できないか」という工夫をしたり、ある程度レアの低い子たちを中心にした編成でもクリアを目指すこと自体は可能だと運営側は判断していたのかも知れません。


ですが、そもそもユーザーの側からいえばそうした遊び方自体が想定されているものではありません。


運営側の考えた「周回してコストを調整したり、編成を工夫して代用を考えながら遊ぶ」ことを「城プロ」に求められていませんでした。

なぜなら「このタイミングでこの子とこの子を交代すればどうにかなる」という遊び方が楽しいかといえば、それはそうでもありません。

いわゆり「綺麗なクリアの仕方」。

あるいはタイミングを判断しての絶妙な交代を駆使してのクリア、というのは「見ている方は面白い」ものの、やっている方としては面白いよりも作業みたいでめんどくさいと思うものだからです。


それよりはむしろ「成長させたユニットを配備してどんどんクリアしていきたい」と考える人の方がはるかに多かった。

こうした考え方の違いから、早々に「醒めた」ユーザーが多かったように思いました。


しかもその難易度の結果、多少の誤解もあるとはいえ「ホロのいない人はイベント最後までできないから来るなってことね」という風にとらえられてしまったのは、初回のイベントとしてはよくありません。


だからこそ「参加する」だけでも面白いと思うような工夫がもう少しあればよかったのに、という部分もあります。

例えば城プロの場合、艦これに比べて「ドロップ」でいい城娘が手に入ることはほとんどなく、また特定のマップだけでしか入手できない城娘も二人しかいません。


そして今回のイベントでは上記の春日山城と、さらに事前登録特典の東黒川城が特定マップでドロップできるようになりましたが、他にドロップで出る城娘はコモンだけでした。

こうなると結局のところ周回する楽しみというものがないのです。


艦これの場合、イベントマップの利点はイベント限定の城娘だけでなく、すでに実装されているものの入手が困難なレア艦娘もイベント海域で入手可能なため、お目当ての艦娘をねらって「掘る」という作業がほとんど定着しています。

ですから、例えイベント限定の艦娘が手に入らなくても周回する旨味がありました。

城プロもせめてもう少し強いレア城娘をドロップできる可能性がある、くらいのメリットがあっても良かったのではないでしょうか。


イベントというのはあくまでお祭だろうと思います。

どんなゲームでも続けていれば段々遊び方も限定され、毎日の任務のクリアも作業になっていきます。

それだけに、イベントに期待して準備をしているユーザーにはそうした「メイン」以外の特典くらいなければ不満は出つでしょう。

次回以降のイベントがどういう形になるのかはわかりませんが、難易度や楽しませ方など工夫して欲しいと思う部分が多かった、というのが今回の感想でした。


逆に良かった点を挙げれば。

「志自岐原城はがかわいかったこと」と「今まで名前もよくわからなかった神娘がたくさん出てきて二次創作とかに使えそう」と思ったことでしょうか。

以前にも書きましたが、「お城」というのはいい素材なのに、いまいち注目度が高くない「観光名所」だけに城プロにはその点も含めてがんばって欲しいので、なんとかまたここから巻き返して欲しいところです。



今回も読んでいただき、ありがとうございました。