1956年頃3年間パキスタンのカラチに勤務していた。5月の連休に北部中国国境へ友達家族と旅をすることとした。桃源郷旧フンザ王国を中心として周辺を回った。街の裏山は鋭く尖った7000mの山々がある。また、中国国境の谷は氷河をで覆われており、氷河に上ったり溶けてできた氷の空洞を出入りした。溶けた水色の水は湖を作っている。

日本人のツアー一行に出会った。彼らの多くは年配者と大学生である。学生たちはスケジュールに疲れていたが、お年寄りは元気で歩き回っている。彼らを見ていると姥捨て山に年寄りを捨てに行ったが、年寄りに負んぶされて下山した学生の様であった。

イスラマバードからここまでの途中、氷河が崩れ道路を塞いだので、軍が取り除いてくれた。後でバスに乗った日本人旅行者がバスと共に百数十m下の川に落ち、雪解けの冷たい川に流され亡くなったそうだ。向かい側の山肌にシルクロードが残っている。