正体不明の筆者が写真と言葉で紡ぐ物語。コメントはほとんど返信はできていませんが共鳴のしるしとして大切に拝読しています。コメント・いいねを頂いた方への訪問を心掛けています。2021年に慢性骨髄性白血病発症し体調と折り合いをつけながら作品をお届けしています。
久々の晴れ間。冬の準備に入った木々の合間を縫って、君がこちらへ駆け寄ってくる。太陽に照らされ、つややかな黒が、静かに浮かび上がった。列車はこの先のトンネルへ吸い込まれ、そのまま、冬へ向かっていった。撮影 磐越西線 SLばんえつ物語
雪舞う中、ゆらゆら迷うピント。ひらひら舞う雪、近づく汽車。その空気を、映し込みに行けた。2024年撮影 磐越西線 SLばんえつ物語
観客は、ここに来てくれた方々。ザクザクと、足元だけが雪を覚えていた。白銀の舞台。遠くから、汽笛。蒸気機関車の足音。真打登場。撮影 磐越西線SLばんえつ物語
光の中に、新しい年の時間。追記あけましておめでとうございます。今年も、時間や空気感を、写真の中に残していけたらと思います。
日が沈み、空と水の境目だけが、まだわずかに明るい。島影は黒く、波は音を立てずに揺れている。今日という一日も、そして一年も、こうして静かに終わっていくのだと思った。今年も、この場所に立ち寄ってくださり、本当にありがとうございました。写真とともに過ごした時間が、皆さんの一年のどこかに、そっと残っていたら嬉しいです。それでは、良い年を。
日は沈んだ。少し遅れて辿り着いた場所で、息を整え、シャッターを切った。正面に、淡い色がひとつ浮かび、それを抱くように、空と煙が静まっていく。走り去ったあとの時間が、年の瀬と、ゆっくり重なっていく。2025年撮影 磐越西線 SLばんえつ物語
山の斜面には、雪が積もった。季節が、確かに切り替わったことだけを伝えている。森は静か、色も音も少ない。その下を、白い煙が低く流れていった。冷たい空気に、煙が描かれる。冬の始まりを。特別な合図はない。ただ、景色の重さと、空気の張りが、これから深くなる季節に入ったことを教えてくれる。撮影 磐越西線 SLばんえつ物語
夜、光も、輪郭も、簡単には与えてくれない。それでも、蒸気機関車を撮る。2025年撮影 磐越西線 SLばんえつ物語 「大きな画像」追記※この写真は僅かな街明かり、高感度設定、スローシャッターで撮影しています。
葉が落ち始め、柔らかい光が森に差し込んだ。色づいた木々の間を抜ける風は、どこか澄んでいて、季節が深く息をしているのがわかる。透き通る秋の中、黒い機関車はゆっくりと姿を現した。白い煙は重たさを持たず、森の空気に溶けるように広がっていく。派手さはないけれど、この時期だけに訪れる、静かで、確かな美しさ。秋は、終わりへ向かいながら、いちばん透明になる。
冬の朝、張り詰めた空気を求めて、ここに辿り着いた。山は、思っている以上に静かだ。音が消えるというより、最初から、余計なものが存在しない。雪の残る斜面を背に、列車は白い息を長く引きながら進んでいく。力強いはずの音も、森に触れた瞬間、やわらかかった。この場所に、人の気配はなかった。踏み出すたびに聞こえるのは、雪の上を歩く、自分の足音だけ。列車が通り過ぎたあと、その音だけが、足元に戻ってきた。撮影 磐越西線 SLばんえつ物語
夜の端に、光を受けた木が立つ。煙は後ろに流れ、列車は、汽笛を残して走り去った。撮影 磐越西線 SLばんえつ物語
窓の中と、外。光が重なり、境目だけが、静かに消えた。窓枠の中で、ひとつの時間
音は、変わらない。速度も、変わらない。ただ、風だけが、静かに向きを戻した。吐き出された煙は、迷うことなく、まっすぐに空へ立ち上がる。力で押すのではなく、逆らうこともなく、そこにある流れに、そのまま身を預けたように。蒸気機関車は、いつも通りに進んでくる。変わったのは、世界のほうだった。思い通りにならない時間は、理由もなく、ただ続くことがある。けれど、何かを変えようとしなくても、風が戻る瞬間は、確かに、やってくる。この一枚は、それを待っていた時間の記録だ。撮影 磐越西線 SLばんえつ
煙は一度、右に。迷ったように揺れ、さらに、まっすぐに立ち上がった。次の瞬間、今度は逆の方向へ、大きく流れ始める。力強く吐き出される煙は、風に引かれ、形を変えていく。変わったのは、ただ、風の向きだけだった。その変化を前に、もう一台を操る僕の心の準備が、一瞬、ためらった。右手に持った別のカメラ。どうする、撮るか、そのままやめるか。今のカメラを左に振れば、画面に、余計なものが写り込む。縦を想定したグリップに持ち替える余力は、もう、なかった。撮影 磐越西線 SLばんえつ物語
柔と剛、そして、流れ。続けてシャッターを押し続ける。さっきまで流れていた煙は、いつの間にか、縦に形を変えていた。煙が上へ伸びていく。蒸気機関車は、何も語らず、同じ速度で進む。この瞬間も、動いているのは、風と列車、そして、もう一台を操る僕の心の準備だった。撮影 磐越西線 SLばんえつ物語続く
鉄橋の向こうで、踏切が鳴る。少しして、坂道の下から、煙だけが姿を現した。徐々に迫る列車。蒸気機関車から出る煙は、勢いが強い。シャッターチャンスが迫る。迫る。鉄橋の途中から、煙は大きく右側へ流れススキ上に広がる。その流れに合わせて、シャッターを押す。柔と剛、そして、流れ。撮影 磐越西線 SLばんえつ物語続く。
写真の中で、風が見えた。紅葉が終わり、風の温度が少し下がると、煙は迫力を増す。ふだんは見えないはずの風が、鉄路の弧に沿って吹き、煙となって、その姿を現した。撮影 山口線 SLやまぐち号
紅葉の中、煙が深くなる。同じ煙でも、この季節だけは、少し重く、迫力が増す。今週末で、今年の運転は一区切り。撮影 山口線 SLやまぐち号
線路脇に揺れる、秋のススキ。 その白い波をかき分けるように、 SLばんえつ物語が力強く現れた。煙は高く、音は低く。 一瞬で過ぎていくのに、 風景の記憶だけが、長く胸に残る。この場所で、 この季節にしか出会えない時間。撮影 磐越西線 SLばんえつ物語