
読み終えるのに半年かかりました。図書館からの貸し出し。出張中の中断が主要因。帰省を楽しみにできたのは、この本のおかげでした
翔ぶが如くは、征韓論から西南戦争・紀尾井坂の変までを描く小説です
前提には廃藩置県や地租改正・四民平等・廃刀令などの変革と開化政策があります
幕末の動乱や戊辰戦争で多くの志士の命が奪われました。それなのに太政官政府は、攘夷はどこへやら欧米文明を取り入れるばかりか、武士というものを無くしてしまいます。更に、生活が困窮している武士たちを後目に高給を得ている明治政府官僚。
農民たちにしてみても地域ごとに米で納めていた年貢を金で払わなければならなくなり、生活が厳しくなっているところに、学校を作るからとか橋を架けるからとか寄付を強制的にとられていきます
太政官政府はみんなから頗る評判が悪かったのです。今風に言えば、民意は政府から離れていました
けれども民意が正しいとは限らないことを歴史上に於いても現状に於いても僕達は知ってはいるのですが
今年の1月からNHK教育テレビで「日本人は何を考えてきたのか」という特集をしていました。この番組は「日本はどこにいくのか」と、いうテーマで現体制のルーツを明治時代に求めて、当時の人々にスポットを当てた番組です
僕が「翔ぶが如く」を読もうとした理由もそこにあります。行き詰まり感たっぷりの現世。元を辿れば明治に行き当たるのではないかと。ほんとならアカデミックな論文にするとこなのでしょうが、それで生計を営むわけでもないですから、小説にしました
作家司馬遼太郎氏はあとがきで「今の世の礎は明治10年までにできあがっていた」と記しておられました。まさにその通りに思います
これから目指すべきは「懐かしい未来の創造」(『日本はどこにいくのか第二回』からの引用)ではないかと思うのですが、その為には明治を復習することが重要です
その明治の気分を知るうえで、よい本だと思いました
余談ですが、
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